世界を旅する旅人にはアンテナの高い人が多いですよね。そんな旅人だからこそ知っておきたい、社会の新しい風潮『フェアトレード』って知っていますか?
世界を貧困から救う可能性がある試みです。知らない方はこれを機に、新たな革命に参加しましょう!
途上国の現実
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明るい日差しと澄んだ海が輝く南の島、太古の歴史を今に伝える古代遺跡、動物や植物が数多く潜む豊かなジャングルなどは、旅先としてはとても魅力的です。実はそういう国は、日本より貧しい発展途上国ばかり。観光地にいれば、レストランやお土産屋が賑わい、旅行者がそれほど深刻な貧しさを目にすることはありません。
ところが路地を一本でも入れば、屋根に穴が開いたボロボロの家が立ち並ぶ集落ばかり。電気・ガス・水道なんてもちろんない。物乞いの子供が集まり、老人は半分目を開けたまま路上で寝ていることも珍しくありません。これが途上国の現実。
日本の私たちの生活環境とあまりにかけ離れたこの格差、おかしいと思いませんか?
この格差は、実は私たちが一因
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先進国は物質的豊かさと流行ばかりを追い求める消費社会。モノを大量に買い求め、使い捨てしています。その使い捨ての過程において、途上国から搾取を続けている現実があります。
有名店で売っている安くてオシャレな流行の服、コンビニで気軽に買えるチョコレート。便利でついつい買ってしまいますよね。私たちが何気なく手にしているその服や食べ物が、実は格差をさらに広げる一因なのです。
途上国に強いる負担
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アパレルや食品の企業は少しでも利益を得るために、物価の安い途上国へ工場を移し、経費を安く抑えます。材料費は環境や人体への悪影響なんて考えずとにかく安く。人件費は工場労働者が飢えているのをいいことに、児童さえも巻き込んでとにかく安く。
途上国の労働者は、劣悪な労働環境に安価な賃金で服や食物を作り続けます。まるで奴隷のように!労働者は危険な目に遭いながら、働けど働けど暮らしは楽にならないのです。
加えて日本に送る商品を作るために途上国の資源は搾取され、開発は止まりません。美しい南の島も豊かなジャングルもいずれ破壊され尽くします。こんな理不尽が起こってもいいのでしょうか?
そこで新しい価値観、「フェアトレード」
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途上国の支援として国家間での経済援助はこれまで幾度も行われていますが、「民間までその恩恵が届かない」「一時的な依存で終わってしまう」といった問題も発生し、労働者の環境を根本から改善するには至っていません。
この悲惨な現実を打破すべく始まったのが、『フェアトレード』という取引の方法です。途上国の原料農家・生産者・加工者など、あらゆる労働者に対し、労働に見合った額の報酬を支払おうというこの取り組み。最大の特徴は、労働者の自立を促せる点です。
フェアトレードによって労働者は自分の労働によって正しい報酬が得られることになり、下記の効果が得られます。
・収益が増え、投資が進んで生産力が上がる
・自分の生産物が評価され、自信につながる
・製造物の品質が上がり、より高く売れるようになる
結果として下から途上国が潤い始めます。そのメリットは消費者である私たちにも高品質となって返ってきます。それがフェアトレードの本質です。
※フェアトレード・ラベルジャパンのサイトはこちら
私たちができること
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この取り組みに賛同した人が増え、いまではスーパーやお店でフェアトレード商品を選んで購入する人が続出しています。プロジェクトとして取り組み始めた企業も多いです。
・アウトドアアパレル patagonia
・食品小売大手 AEONグループ
私たちは、ひとりでは途上国を再建するような大規模なことはできませんが、日々の買い物で選ぶ商品くらいは自分の意思で決められます。日々の買い物は、いわば未来を託す企業を選ぶ投票なのです。
少しだけ高い商品を選ぶことになったとしても、フェアトレード商品を選択しませんか?フェアトレード商品は高品質である場合が多いです。
そして無駄な資源を浪費する『使い捨て』をやめましょう。日本人は年間7kgの服を買い、6kg捨てています。日本の食品廃棄量は年間2700トンで世界ワーストクラスにも。
まとめ
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途上国は人口爆発の真っ只中。このまま途上国の貧困が加速してしまう前に、目先の利益を求めて貴重な自然環境を開発してしまう前に、今やるべきことがあります。
私たちが将来にわたって南の島の綺麗な海の旅を楽しめるように、遺跡や動植物豊かなジャングルの旅を楽しめるように、地球のサイクルを壊さないように、世界を見て回っている旅人からアクションを起こし始めましょう。
私たちにできる革命は思ったよりも身近にあります!