旅先で求めてしまうもの
ライター
奈都美 TABIPPO CARAVAN

北海道出身。東京、大阪、長野に移り住んだことがある遊牧民。 幅の広い道と、緑と水が共存する場所が好き。 旅には必ずフィルムカメラを連れていきます。

どこへ旅に出かけても、わたしが楽しみたいものは変わりません。

わたしにとってそれは、フィルムカメラで写真を撮ること、海に訪れること、そして地ビールを飲むこと。

ひとつでも共感してもらえる方がいましたら嬉しいですが、はたしてそれらを旅先で楽しみたい理由も同じなのでしょうか。

あなたが旅において思わず求めてしまうものと、その理由も知りたくなってきたので、まずはわたしがシェアしてみます。

フィルムカメラで写真を撮る

旅の余韻を長くしてくれる

スマートフォンで旅先の写真を撮るのも好きで、無意識にカメラを起動するのはいつものことですが、それに加えてわたしは旅先にフィルムカメラを持っていきます。

フィルムカメラで撮った写真がもたらしてくれる、たしかな恩恵があります。

それは「旅の余韻をさらに長くしてくれる」こと。

帰ってきてからフィルムを現像すると、撮ったときの雰囲気や香り、温度や湿り気まで蘇る気がするのです。

「遅れてやってきてくれるお土産」という表現が似合うでしょうか。旅の余韻を大幅に延長してくれます。

旅先で求めてしまうもの数年前の12月、倉敷にて
旅先で求めてしまうもの110フィルムにも挑戦中。マンホールは個性豊かで楽しいですよね。

旅先の色の世界

旅先によって写真の色の世界観が変わってくるかと思います。それをフィルムカメラ通して感じるのもまた、魅力的です。

例えば東南アジアだと、スマートフォンのカメラロールは日本で撮るよりも鮮やかになりがちかと思いますが、フィルムカメラはその鮮やかさをどう写すのだろう?と見てみたくなるのです。

旅先で求めてしまうものシンガポールでの一番のお目当て
場所を変えてヨーロッパの景色にカメラを向けてみると、また違う色の世界が待っています。

アイルランド・ダブリンに滞在したときは、曇り空の下で過ごすことが多かったのですが、曇り空が写真全体を柔らかく包んでくれました。

旅先で求めてしまうものトリニティ・カレッジにて

海に訪れる

海で、海のほかに見たいものがある

わたしは旅先でいつも海に行く予定を立てます。

海に行くといっても、泳いだり潜ったりするのではなく、水に触ってみたり、足を少し入れてみたりで充分です。もっというと、写真が撮れる距離に海があればそれで満足します。

ではなぜそんなに海に惹かれるのでしょう。

それは、頭をからっぽにしてゆっくりとした時の流れを過ごすためです。いつからか、わたしにとってなくてはならない時間となっていました。

旅先で求めてしまうもの広島県尾道にて。ずっと見ていたい海。
海を目の前にして、それぞれ思い思いに過ごす人たちを見ているだけでも、心がいっぱいになります。

先月アイルランドへ行ったときも、何度か海に足を運びました。海辺にはベンチがいくつも並んでいて、海と過ごす時間に手を貸してくれるよう。

ベンチでたそがれたり、日記を書いたりしたわたし。

少し顔を上げると、ウォーキングやランニングをする人、ベビーカーを押してお子さんと散歩する人、いろいろな過ごし方を目にしました。

2年前に訪れたオーストラリアの海辺では、寄り添って夕陽を眺めるふたりを目にした数分後、犬が気持ちよさそうにどこまでも走っていくのを見ました。

犬も海にパワーをもらっているのかな。見ているだけでこちらもふと笑顔が溢れてしまうような光景でした。

旅先で求めてしまうもの

どうしても惹かれるもの

世界には数多くの海があり、特徴もさまざまですが、わたしが特に心躍るのは、海と木々が共存している場所。

今までのわたしの海のイメージは青一色だったのですが、それだけではないのですね。オーストラリアの海に訪れたときに、こんなところもあるのかと感動したのです。

海と空だけでなく、視界に緑も加わっただけなのに、どうしてこんなに嬉しいのかは、まだ自分でもわかっていません。

言葉でそれを表現できる日が来ることを信じて、わたしはこれからも旅を続けます。瞳に青と緑の景色を映すために。

旅先で求めてしまうものみどりの向こうに(オーストラリア)

地ビールを飲む

はじめましての土地に訪れて、はじめましてのビールを飲む。これもわたしにとってなくてはならない旅のスパイスです。

土地の「推しポイント」を味わう

どこへ観光に行っても、地ビールに出会えるチャンスは多いですよね。ビール好きは見過ごす訳にいきません。

その土地の人たちが、土地の「推しポイント」を大切にとじこめて完成するのが地ビールなのではないかと、わたしは考えます。

缶や瓶のデザインも見逃せないし、普段飲むビールよりも香りをよく嗅いでみたり、泡の舌触りに集中してみたり。

じめっとしていたり、カラっとしていたり、その土地特有の気温や湿度の中で流し込むビールの味を、ずっと覚えておきたいと思うのです。

旅先で求めてしまうものシンガポールといえばタイガービール

荷物は軽いに越したことはないけれど

その地で飲むことに加え、地ビールをお土産として持ち帰りたくもなります。荷物はずっしり重たくなるけれど、帰宅後に冷やして飲むときの嬉しさを優先してしまうのです。

自分で飲むに限らず、ビール好きの友人にも楽しんでもらいたくなります。

旅先で求めてしまうもの石川県金沢市で購入したビール

あなたが旅先で求めてしまうのは?

気づけば旅を彩ってくれていた要素。わたしにとってそれは海とフィルムカメラと地ビールでした。

旅を重ねるたびにそれは変わっていくかもしれませんし、変わらずスタンダードのままでいてくれるのかもしれません。

あなたの旅を構成してくれるものは何ですか?

All photos by Natsumi Nakamoto

ライター
奈都美 TABIPPO CARAVAN

北海道出身。東京、大阪、長野に移り住んだことがある遊牧民。 幅の広い道と、緑と水が共存する場所が好き。 旅には必ずフィルムカメラを連れていきます。

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