ノール=パ・ドゥ・カレの鉱山地帯
北西ヨーロッパの鉱脈の中でも最大規模で、全長は120キロメートルにも及び、全てが地下に埋まっているという点では唯一無二の鉱脈です。
この鉱山の開拓は3世紀にもわたって行われ、それと共に地域の景観も豊かになり都市化していきました。農村的特長を持った農業景観も失われることなく、伝統文化を今に伝えています。
サン-サヴァン・シュール・ガルタンプの修道院教会
11世紀末、ガルタンプ川沿いに建てられたロマネスク様式の美しい聖堂には、12世紀初頭に描かれたフレスコ画が今も色鮮やかに残っています。
壁や天井のフレスコ画は旧約聖書の36場面が描かれており、地下礼拝堂の天井には殉教者聖サヴァンの生涯が描かれています。ロマネスク絵画の傑作が集まった奇跡の聖堂として世界遺産に登録されました。
ル・アーヴル、オーギュスト・ペレによる再建都市
画家モネが青年期を過ごした土地としても知られるこの都市は、第二次世界大戦中にノルマンディ上陸作戦によって破壊されました。
戦後、およそ20年の歳月をかけて行われた復興事業の中心人物となったのがペレです。この復興計画は世界中の都市の復興計画に大きな影響を与え、この復興の歴史が認められて世界遺産に登録されました。
レユニオン島の尖峰群、圏谷群および絶壁群
1507年にポルトガル人によって発見されて以来、500年ほどしか歴史を持たない島ですが、この島には大変豊かな自然が広がっています。
「ピトン・デ・ネージュ」、「ピトン・ドゥ・ラ・フルネーズ」という二つの火山と、「マファト圏谷」、「シラオス圏谷」、「サラジー圏谷」の三つの圏谷が、2010年より世界自然遺産に登録されています。
アルケ-スナンの王立製塩所
18世紀、肉や魚の保存のために食用の需要が高まっていました。この王立製塩所は、クロード・ニコラ・ルドゥによって建設されたもので、それまでの旧式の製塩所に取って代わるものでした。
クロードはこの製塩所を中心に理想の工業都市を造ろうと計画していましたが、中断で終わってしまいます。しかし、この計画性が評価され、世界文化遺産に登録されました。
ミディ運河
全長240キロにも及ぶミディ運河は、トゥールーズからセート湖までを結んでおり、19世紀に鉄道が登場するまでは物流の発展に大きな役割を果たしていました。
徴税使であり技術者でもあったピエール・ポール・リケによって発案されたこの運河は、実用性だけでなくその景観にも気を配られ、今もその美しい姿を保っています。
ベルギーとフランスの鐘楼群(フランス側)
中世の時代に交易の中継地として栄えたベルギーとフランス北部では、12世紀以降それぞれの都市が自由権を獲得し、13世紀に入るとその自由を象徴する建築物として広場や大聖堂、市庁舎などに鐘楼が建築されました。
これらの点在する鐘楼はベルギーに32、フランスに23あり、それら全てが2005年よりまとめて共同世界遺産登録されています。
アルデシュ県、ショーヴェ=ポン・ダルク洞窟で知られるポン・ダルクの装飾洞窟
ここで見られるショーヴェ洞窟壁画は現存する人類最古の絵画と言われており、ライオンや牛、馬などの13種類の動物が描かれています。
その中でも、ハイエナ、ヒョウ、ふくろうなどは氷河期から残る洞窟壁画ではほぼ見られない動物で、大変珍しいとされています。絵画の技法も注目を集めており、2014年に世界遺産に登録されました。
ヴェズレーの教会と丘
フランスで最も美しい村とも言われているヴェズレー。丘の斜面には可愛らしい家々が並び、最も高い場所にサント・マドレーヌ聖堂が建っています。
聖堂の玄関廊の扉に施されている使徒に使命を与えるキリストの装飾はロマネスク美術を代表するものの一つで、その他の装飾を含めた文化的な価値が評価され、1979年より世界遺産に登録されています。
ポルト湾:ピアナのカランケ、ジロラッタ湾、スカンドラ保護区
地中海に浮かぶフランス領の島、コルシカ島の西部に広がるポルト湾。
スカンドーラ自然保護区に見られる赤い花崗岩の断崖や奇岩群、ジロラータ湾の風光明媚なリアス式海岸、そしてピアナのカランケと呼ばれるポルト湾南側に広がる岩だらけの複雑な入り江など、素晴らしい自然景観を誇っています。ピアナはフランスで最も美しい村々の一つにも選ばれています。