【秘訣5】自然の力でリフレッシュ
photo by Yu Villegasドイツ人は、暇さえあれば森へ出かけます。
一日平均なんと200万人(天気のいい日は400万とも)が森へ散歩に出かけると言われていて、森歩きはもはや国民的スポーツです。
キキおばあちゃんも例にもれず、森が大好き。
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森を歩き、走り、深呼吸をすると、森に包み込まれるような感覚がすると言います。
そして太陽の光を浴びた木々の神秘的な美しさに、心が洗われるとも。鳥、うさぎ、リスなどの野生動物を見るのも、癒やしの時間なんだとか。
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ここ数年、ドイツでよく聞く新語があります。
それは「Waldbaden(=森林浴)」。もともと1982年に日本で提唱された言葉がドイツ語に直訳され、最近また注目を集めているんだそう。
森林浴の効果は、リフレッシュ、免疫力アップ、疲労感の緩和など、挙げたらキリがないほどたくさんあることが医学的にわかっているそう。
休日に森林浴目的のリフレッシュ旅に出てみるのもよさそうですね。
【秘訣6】困っている人を支える=他者とのつながりを感じる
photo by Yu Villegasキキおばあちゃんは、ボランティア活動にも熱心です。
活動の一例を紹介すると、シリア・アフガニスタン難民へのドイツ語レッスン、コロナ禍には看護師の経験を生かしたワクチン接種のボランティア、フードバンク活動も。
photo by Yu Villegasそして、現在彼女のライフワークとなっているのは、「Mittagstisch(直訳でお昼ご飯のテーブル)」という、一人暮らしの高齢者なら誰でも参加できるランチ会の主催。
キキおばあちゃんは「高齢者が孤独にならないように、集まる場所をつくるのが当初の目的。はじめは数人だったのが、今は何十人も集まるイベントになったのよ」とにこやかに話します。「自分も新しい人との出会いが毎回あって楽しいんだ」と言っているのが印象的でした。
キキおばあちゃんは困っている人を支えるだけでなく、同時にウェルビーイングでとても大事な「他者との深いつながり」も自然と実践しているのです。
あっぱれ!
【秘訣7】家族が生きがい。だけど一人でも人生を楽しめる強さを
photo by Yu Villegas「キキおばあちゃんにとっての、人生の生きがいは何?」を尋ねると、必ず「家族」という答えが返ってきます。
旦那様は10年以上前に他界してしまいましたが「たくさんの美しくてかけがえのない思い出が今もいたるところに息づいているから、大丈夫」と力強く語ります。
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今も住んでいる家は、亡き旦那様が土台から壁、細部にいたるまで一からつくったもの。彼女が大好きなガーデニングも、農家出身の旦那様が教えてくれたものだそう。
そんな思い出を大切に、今も日々を生き生きと過ごしている姿は本当に素敵。現在はたくさんの孫に恵まれ、日々彼らの成長を見守るのが楽しいと言います。
photo by Yu Villegasこの記事を執筆するにあたり、お話ししている中で「とても満たされている、幸せ」と何度も口にしていたキキおばあちゃん。
家族を何よりも大切に思う彼女ですが、「娘たちが遠くに住んでいた間でも、趣味や生きがいが他にもあるから一人でも満たされて幸せだったのよ」「何歳になっても自立していたい。誰かに頼らずとも人生を謳歌できるのが大事」という言葉がとても印象に残っています。
photo by Yu Villegas冒頭でお話した「ウェルビーイングでいることは、たくさんの要素で構成される」とは、まさにこのことですよね。
できるだけ長い年月をウェルビーイングでいれば、人生のバケットリストをたくさん叶えることができます。
人生最後の瞬間に「いい人生だったな」と思えるように、自分にとっての生きがいや健康な生活習慣を、今から見つけてみてはいかがでしょうか。
そしてその一つひとつを実践していくことが、ウェルビーイングにつながっていくんだと、キキおばあちゃんから伝わってきます。
自分流のウェルビーイングの秘訣を見つけよう
世界的に注目されている“ウェルビーイング”ですが、国によっても人によってもその解釈や方法はさまざま。「これをすればウェルビーイングな人でいられる!」という正解はありません。
ぜひ自分流のウェルビーイングの秘訣を探して、健康で幸せな人生の土台作りを今からはじめてみませんか。