ライター
Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

メキシコ人の夫と2人の娘と世界中を引っ越し&旅行三昧の日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数30ヵ国。現在は10年ぶりにドイツ滞在中。

⑥ハチに優しい

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ドイツの夏の風物詩、と言って思い浮かべるのはビール……ではなく、ハチ。ながーい冬が終わり、ようやく太陽のもと、外のテラス席で食事やビールを楽しみたい私たち。

しかし、そこにもれなくついてくるのが、大量のハチ!ドイツでよく見かけるこのWaspe(スズメバチ)。甘いもの、肉などのたんぱく質、ビールなどなんにでも寄ってきて、攻撃的。慣れない私は食事どころじゃなく逃げまわっていますが、ふとまわりを見渡すと、ドイツ人のお客さんは誰も動じていません。

しかもこのWespe、理由もなくケガをさせたり、殺したりすると最高で5万ユーロ(日本円で約650万円!)の罰金が課せられるというから、下手に追い払うこともできません。

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なぜこんなにもハチが国を挙げて保護されているか?それも実はサステイナブルにつながるんです。

そもそもハチは、自然の生態系でとても重要な役割を果たしていて、ハチがこの世からいなくなると大変なことになるんだとか。

例として、一つのハチの巣グループあたり、毎日3000匹のハエ、蚊、クモ、毛虫などを食べ、病気を運ぶ害虫を殺してくれているそう。ハチがいなくなると、世界中が害虫だらけになり、食物の発育にも大きな影響が出たり、人間や動物にも感染する病気がまん延したりと、想像するだけでおそろしいことに。また、花粉を運び、花や食用作物の受粉を助けてくれるなどといった貢献もしてくれているのです。

しかし、近年世界中からハチの数が激減しているんだとか。この危機に対し、ドイツのメルケル首相も「生物の多様性について考え、ハチのためになることをしよう」と声明を出し、国家ぐるみでハチを守っています。

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街中には、ハチの休憩所なるものも。ハチを保護することが、生活に根付いています。私たちの生活に恩恵を与えてくれるハチを守ることが、サステイナブルな世の中作りに大事なことを、ドイツ人たちはいち早く理解し行動しているようです。

⑦家庭ごみが極端に少ない

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ドイツに暮らしてみてびっくりしたことは多くありますが、「家庭ごみが少ない」というのもその一つ。ドイツでは、家庭ごみの回収は有料制で、毎月家賃と合わせてごみの回収料が引き落とされます。

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一軒家の場合、各家庭に専用の容器があり、容器に収まるようにごみの回収日に外に出しておきます。

しかし、その容器、ポリ袋2つ分のごみを入れたらもう満タン!しかも回収は月に2回だけ!下の子のおむつゴミだけで容器半分は埋まってしまう我が家は、毎回容器のふたが閉まらず苦戦しています。

このようなごみの回収事情から、ドイツ人はできるだけごみを作らないように生活するのが得意なようです。

ゴミのキーワードとしてよく聞く、3R。3Rとは、そもそもの量を減らすリデュース(Reduce)、繰り返し使うリユース(Reuse)、そして資源として再利用するリサイクル(Recycle)のことを言い、環境への負荷が一番低いのが、リデュース。

リサイクルも大事ですが、まずはごみを作らないように心がけて生活したいものです。

⑧ほとんどの家にエアコンがない

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ドイツの家には、基本的にエアコンがありません。家庭でのエアコン普及率はなんと5%以下だそう!

夏の期間が短いドイツでも、近年は猛暑に見舞われる年も多いので、エアコンなしで乗り切るのは大変です。

一般的にドイツ人がやっているのは、朝晩の涼しいときに窓を開けて家の中の気温を下げること。そして日が出てきたら、家じゅうのシャッター、窓、カーテンを閉め、太陽光と熱を遮断するという、地道な努力。

そしてどうしようもないときは、扇風機の前で、アイスを食べて動かないんだそうです(私の友人だけかもしれませんが)。

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電気を使うことでCO2排出量が増え、地球温暖化につながることは周知の事実。ほかの国に比べて、エアコンからのCO2排出量が少ないことは間違いないドイツ。

しかし、昨今の猛暑具合は、エアコンをつけなければ熱中症になりかねないので、一概にエアコンをつけるなとも言えません。できることとしては、消費電力の少ない製品を選ぶ、使用時には省エネを心がける、フィルターの掃除をこまめにするなどでしょうか。

最近では、窓に植物をはわせるグリーンカーテンなるものも人気を集めています。室温を下げてくれたり、騒音を防いでくれたり、癒やしにもなったりと、メリットがたくさん。我が家でもやってみようかなあと考えているところです。

⑨日曜日は店が閉まっている

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ドイツでは、基本的に日曜日と祝日は、ほとんどのお店が閉まります。

これは、「閉店法」という法律によって、日曜と祝日の営業が禁止されているため。これに違反すると経営者は「6カ月以下の懲役」または「180日分の収入を罰金として科される」というから驚きです。

この法律の背景としては、「労働者に人間らしい生活を送らせるため」「日曜日はキリスト教の安息日であり、その慣習を保護するため」「小売店を販売競争から守るため」ということがあるそう。

ドイツ人の中でも、「日曜日も営業したほうが便利」「経営者の判断に任せるべき」という意見もあるそうですが、「日曜日は家族と過ごしながらゆっくり休む日であるべき」という意見も、いまだ根強くあるようです。

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この閉店法のキャッチコピーは、「日曜のパパとママは僕らのもの(Sonntags gehören Mami und Papi uns!)」。家族と過ごす時間を大切にすることが大事なんだと伝わる、力強いメッセージですね。

ドイツ人にとって、日曜日は静かに穏やかに過ごす日。それは、お店で働く人たちにとっても同じこと。国を挙げて、しっかり休んで、エネルギーチャージができる日を作る。そうすることで、国民の幸福度も上がり、豊かな社会になるということかもしれません。

⑩サステイナブル住宅が多い

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ドイツの家は、長持ちする構造で、長く住み続けられる家が多いです。この「ずっと同じ家に住み続けられる」というのが、サステイナブル住宅。

造りがしっかりしているのはもちろん、風通しが良く、太陽の光をうまく取り入れられたデザインで、快適に暮らしながらも、省エネで環境に優しいのが特徴です。

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ところで、ドイツで運転していると、ソーラーパネルや、風力発電の風車をよく見かけます。それもそのはず、ドイツ国内での、太陽光や風力などの再生エネルギーの発電シェアは46%にも達します。日本の再生エネルギー比率の目標が22~24%ですので、ドイツがいかに進んでいるかがわかります。

さて、話は戻りますが、ドイツでは、個人の住宅でも太陽光パネルを設置している住宅が多くあります。その発電量は、消費電力量を上回ることも多く、家計にも環境にも優しくて一石二鳥として人気を集めているんだとか。

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また、壁・天井一面がガラス張りのサンルームがある家も多く、我が家でも家族全員のお気に入りスポット。日中はとっても明るく、開放感があるので、電気を使うことがなく、「サンルームももしかしてサステイナブルライフに一役かっている!?」なんて思う日々です。

ヒトにも地球にも、みんなにやさしい世界づくりを

「サステイナブル」というのは、現在に生きる自分たちと未来に生きる子どもたち、地球、みんなにとってよりよい世界を持続させるために、何ができるかという考えです。

みんなに優しい世界を作るためには、一人ひとりの選択・行動が鍵となることは間違いありません。ゴミを減らす、エコバッグを使う、公共交通機関を使うなど、できることから始めてみませんか?

もっと伝えたいドイツがある

ファンが多い人気の旅先、ドイツ。2021年6月6日からは、日本から観光目的でのドイツ渡航が認められて、胸が高まるばかり。

有名な観光地へは足を運んだけれど、大好きだからこそもっと深くドイツを知って訪れたくなる。文化、食、建築、自然など、知られざる魅力あふれるドイツを、旅好きライターがお届けする特集がスタートします。あたらしい発見、ユニークな体験がきっとみつかるはず。

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Yu Villegas 元パティシエ&日本語教師

メキシコ人の夫と2人の娘と世界中を引っ越し&旅行三昧の日々。元パティシエ&日本語教師。旅で何よりも楽しみなのは、そこでしか食べられないローカルフードや地元の人々との交流。渡航国数30ヵ国。現在は10年ぶりにドイツ滞在中。

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