世界中の旅人が集う場所
ここには国際色豊かな仲間たちもたくさん集まる。特に冬の北海道といえばスキーやスノーボードなどのウィンタースポーツが有名。世界に誇る北の大地のパウダースノーを求めニセコやルスツで冬を越す前に、札幌に立ち寄ってくれる人も多い。今思えば海外に住んでいた頃よりも英語を話していたのではないかと思う夜が何度もあったほど。それもまたこの場所ならではの時間だった。

たくさんの出会いの中には母語の異なる友人も多い。私たちは、お互いの共通言語に寄り添いながら陽が昇るまで将来について語り合った。今でも頻繁に連絡を取り合いビデオ通話をしたり、日本以外の場所で再会を果たした友人も。
お互いのこれからの大きな夢の話や価値観や考え方の違いにも躊躇することなく本音でぶつかり合った。言葉が完璧に通じなくても、伝えたい気持ちがあれば私たちの会話は自然と続いていた。今でも何に変えることのできない大切な時間だった。

何度でもただいまを繰り返すこと
もちろん、出会いが溢れる場所には数えきれない別れもある。いつかその時が来ると分かっていても、どうかその瞬間が来ませんようにと心から願った夜もあった。
それでもたくさんの「いってらっしゃい」と「おかえり」を繰り返し、やがて私も「いってきます」と「ただいま」を口にする側に。
どれだけ時間が空いても、また帰りたいと思える場所があること。それは、旅を続けていく上で、とても心強いことだと感じている。もうあの頃の仲間はいないかもしれないし、働いている人も変わっているかもしれない。
それでも、ここには不思議なあたたかさがある気がする。変わっていくものを受け入れながら、変わらず迎えてくれる空気が確かにここにはある。

遊びに行くたびに今ごろあの人はどうしているだろうかと、ふと思い出すこともある。当時交わした何気ない会話や、笑い声、別れ際に交わした短い言葉が、時間を越えてよみがえってくること。それは決して、過去に縋っているという感覚ではない。
むしろ、過去の出会いが今の自分の中に静かに残り続け、今もなお未来へとつながっていることを確かめるような時間だと思っている。
旅の途中で出会った人たちは、今それぞれの場所でそれぞれの人生を歩いている。それでも、同じ時間と場所を共有したという事実は消えることなく、確かに私たちの中に残っている。思い出すたびに少しだけ世界が広がるような愛おしい感覚がある。
あの出会いがあったからこそ、今の自分がいてこれから出会う誰かへもまた心を開いていける。
日本中を旅しさまざまなゲストハウスに足を運んできたが、これほど安心して「帰ってきた」と思える場所は今のところまだ他に見つけられていない。

1階の扉を開ける直前、今でも「今日はどんな人がいるんだろう」「今日はどんな出会いがあるんだろう」と、そんなことを考えながら少しドキドキする。その期待がある限り、この場所はきっと、私の中で旅の延長であり続ける。そして、旅とは遠くへ行くことだけではなく、人と人のあいだに生まれる時間そのものなのだと、ここに来るたび思い出させてくれる。
・名称:waya guest house&bar
・住所:〒062-0902 北海道札幌市豊平区豊平2条4丁目1-43
・地図:
・アクセス:地下鉄東西線「菊水駅」3番出口から徒歩8分/東豊線「学園前駅」4番出口から徒歩12分
・営業時間:18:00-22:30
・定休日:日.月(宿は定休日なし)
・電話番号:070-6607-0762
・公式サイトURL:https://www.waya-gh.com/