writer

1996年、神奈川県生まれ。高校2年の夏にブラジルを訪れたことをきっかけに、海外行きを決意。その後サッカープレーヤーとしてイタリアとスペインに渡り2シーズン半プレー。現在は、通訳業や言語学習教師、取材・執筆活動を行う。大好きな国はイタリア。

イタリアといえば、「食べる、歌う、愛する」この3つを指標に人生を生き、この3つのクオリティを高く生きることには一切妥協がない国として知られていると思います。僕は2016年1月から2017年6月までの1年半、プロサッカー選手を目指してイタリアのUmbria州に位置するペルージャという、古い田舎街で過ごしました。

その1年半で強く感じたのは、イタリア人は「人生は豊かであるべき」という考えを根本に持っていることでした。その豊かさとは、高級でラグジュアリーな豊かさではなく、例えば地元の美味しいものを食べること、家族や自分の大好きな人との時間を過ごしてすこと。

日々何かと追われがちな僕たち日本人が意識すると、今よりも豊かな日常を過ごせるかもしれない。そんな視点から、イタリアで見つけた人生を豊かにするためのヒントを4つご紹介します。

1.みんなで会話しながら、地元のものを食べる


イタリアには、食事をささっと早く済ませる(ファストフード)という概念は存在しません。もちろんマクドナルドやバーガーキングなどのファストフード店は存在するし、利用する若者もいます。しかし、あくまでおやつとして、空腹をしのぐためにに利用する人が多いイメージです。

イタリア人は食べること(特に夕食では)に関しては、「早くて、安い」なんてもってのほかだと考えています。彼らは、「食事とは人生を彩る一つの儀式のようなもの」だと考えているのです。


イタリアの食の醍醐味は、「みんなで会話しながら、ゆっくり食べる(スローフード)」に集約されています。特に夕食は、焦らずにテーブルで(パソコンやテレビの前でなく)家族や友人、そして恋人とゆっくり食べるのがイタリアスタイルです。

それぞれの1日を振り返り、できごとや考えたことを食卓を囲む皆と共有します。その中で、信頼関係や友情が形作られていくのです。食材も多彩なのが食の国イタリアの凄いところ。それぞれの街に特産物や有名料理があり、地元の食べ物を地元のワインと一緒に楽しみます。

大好きな人と地元の美味しい料理をゆっくり食べる。皆さんもやってみてはいかがでしょうか。

2.自分の人生で主役を演じる


イタリア人は「自分の人生」という映画の中で主役を演じているように映りました。一種の美意識のようなもので、常にかっこいい自分であるということです。

出かける時は自分のお気に入りのシャツにジャケットを着てカッコよくきめて、常に自分を大切に扱う姿はとても印象的でした。

あるピザ屋さんでのこと。50代くらいのおじさんが、20代4人組の女性グループの席に近づき、「やあ!調子はどうだい?一人で食べるピッツァより、君たちと食べるピッツァのほうが美味しいから僕もまぜてもらえない?」 という感じで声をかけをかけたんです。

そしてあっさりと和に入り、冗談を言ってその場の皆を楽しませながら食事をしていました。このおじさんは「自分の人生では、君は主役なんだよ。自分の映画を自分で面白くしなさい。」 と僕に語りかけているようでした。


イタリア人が主役を演じているのはプライベートだけではありません。仕事中でもそうです。ゴミ収集のおじさんがサングラスをかけて音楽を聴きながら仕事をしていたり、バスの運転手がサングラスをかけ、ピザ片手に音楽かけながら運転してたりということもあります。

俺イケてるだろ?って雰囲気を醸し出しているのです。お店では「ありがとうございました!」の代わりがウインクだったことも。

みんなが気持ちよく「自分の人生の主役」を演じているように僕の目には映ったんです。日本でここまではできなくても、自分がかっこいいと心から思えるものを身につけたり、どこに行く時でもオシャレに気をつかったり。自分の人生という物語で主役になりきる。

このような些細な心構えが、日々の豊かさを作っていくような気がします。

3.雑談が人生を豊かにする


イタリア人はとにかくおしゃべりが大好きです。朝のカフェ、道端、電車、バス、レストラン、家……。どこでも隙あらば彼らの愉快なおしゃべりが始まります。よくそんなに話題が見つかるなと感心してしまうほどです。

話の内容自体はとてもシンプルで、お互いの調子を聞くことからはじまり、飼っている犬の話、仕事の話、恋人の話、サッカーでお互いが応援しているチームの話など、あげればキリがありません。


彼らは、楽しむためにおしゃべりをしているんです。効率とか意味はあまり考えません。だって、人生は楽しいほうがいいに決まっているから。彼らは大きな声で、たくさん笑いながら会話のための会話をするんです。そこに目的や意図はありません。

どの世代も楽しそうに会話を楽しんでいました。皆さんも、会話のための会話をしてみるのもいいんじゃないでしょうか?目的や意図を考えないおしゃべりは心を軽やかにしてくれます。

4.自分と家族、その周りを一番大事にする


イタリア人はまず自分と家族、次に友人、恋人を大切にします。そんなイタリア人は自分の大切な人を何よりも大切にしています。そして、自分に近しい人に最大限の愛を送るのが僕の知るイタリア人です。

家族や友人とキスの挨拶を交わし、ハグをする。愛を大切にすることで豊かになると彼らは考えています。

友達と一緒にいる時も、「マンマに電話するから待ってて!チャオ マンマ!今帰るね!愛してるよ」 と電話したり、彼女へのボイスメッセージで「チャオ アモーレ!今日君に会えるのがたまらなく嬉しいよ!愛してる キスを送るよ!」といった感じです。

イタリア人は常にこのような感じで、愛を言葉や行動で示します。自分の感情、気持ちは必ず正直に相手に伝える。とても素敵な文化ですね。たまには、自分にとって大切な人に、自分の気持ちをダイレクトに伝え直してみてはいかがでしょうか?きっと幸せな気持ちになると思います。

日常にあふれている幸せのヒント

ちょっと意識してみれば僕たちでもできることばかりです。これが僕がイタリアで見つけた幸せのカケラ。僕たちが幸せに生きるためのヒントが、イタリアにあるのかもしれません。今、この瞬間から豊かになるのはそんなに難しいことではなさそうです。

All photos by Nobuaki Sato

writer

1996年、神奈川県生まれ。高校2年の夏にブラジルを訪れたことをきっかけに、海外行きを決意。その後サッカープレーヤーとしてイタリアとスペインに渡り2シーズン半プレー。現在は、通訳業や言語学習教師、取材・執筆活動を行う。大好きな国はイタリア。

RELATED

関連記事

RANKING

人気記事ランキング