ライター
樋口 佑樹 ディレクター

『周りを幸せにする誰かのやりたいを実現する』という個人理念を掲げて、クリエイティブとコーチングをテーマに活動中。2022年には現在は、原チャリで日本を縦断しながら、地域を盛り上げる人たちに出会う「ひぐの出会い旅」を敢行中。をて、オーラがある人の源泉を探る旅を計画中。 旅中のトラブルなど、鉄板のエピソードトークがあることに憧れ続けて早7年。好きなものは珈琲と旅とフィルムカメラ。

鹿児島市内から原付を走らせて約1時間。特攻隊の平和会館があることで有名な知覧のその先に頴娃はあります。

旅の道中、ふと思った「地方の暮らしも見てみたい」……そんなときに友人から紹介してもらった頴娃(えい)。(鹿児島の地名の読み方って難しい……)

今回は、ひょんなご縁から初めて訪れた頴娃で、訪れた方が楽しめる場所をつくっている蔵元さんインタビューをさせていただきました。

蔵元 恵佑(くらもと けいすけ)
鹿児島市出身。広島大学経済学部卒業後、ニトリに総合職入社。2017年に鹿児島県南九州市の過疎地域のまちづくり組織であるNPO法人頴娃(えい)おこそ会の観光コーディネーター職に、地域おこし協力隊として転職。現在は株式会社オコソコを設立し、「ふたつや、」「潮や、」などの店舗を経営。英語は話せるが、頴娃語は話せないので勉強中。

頴娃でお世話になったのが、ゲストハウス「ふたつや、」や、だしとお茶の店 「潮や、」などを運営している株式会社オコソコの代表である蔵元恵佑さんです。

地域おこし協力隊を経て、今なお頴娃を舞台に活動する蔵元さんにご自身のキャリアや頴娃の魅力を伺いました。

30,000人が働く大企業を辞めて、約10,000人が暮らす町へ

もともと勤めていた大企業でのキャリアを辞めて、この頴娃に移り住んだのは何がきっかけだったんですか?

ひぐ

蔵元さん

僕のキャリアをお話しすると、大学を卒業してからはニトリで働いていました。もともと地元が鹿児島だったこともあってか、鹿児島に転勤で引っ越してきました。そのころから、会社の中で色々と思うところがあったんです。

それはどんなことを?

ひぐ

蔵元さん

仕事に対する責任の取り方についてです。どうしても大企業にいると、自分の仕事が会社に与える影響はどうしても相対的に小さくなっています。
そのとき、地域おこし協力隊で一緒に活動することになる友人の紹介で、頴娃で活動する大人たちに出会いました。
それがタツノオトシゴハウス(※1)をつくった加藤さんたちだったんですね。
(※1.日本で唯一のタツノオトシゴ観光養殖場。たくさんのタツノオトシゴに出会える。入場無料。)

ひぐ


タツノオトシゴハウスによって頴娃に観光客も次第に増えた

蔵元さん

はい、大企業に勤めていた僕には彼らが”逃げない人”だと感じて、とてもカッコよく映りました。何事にも真っ向勝負なんですよ。
だって、タツノオトシゴハウスもそんなところでビジネスするの?って場所にあるじゃないですか。
ほんとにそうですね。頴娃に来るにも、鹿児島中央駅からは電車で2時間半。駅からタツノオトシゴハウスまで行くにも、歩いて15分ほどかかりますもんね。

ひぐ


近くには伊能忠敬に「天下絶景の土地」と言わしめた番所公園があります

蔵元さん

当時、年間2万人しか来ない場所を、今では年間8万人も訪れるところにしていったんです。そうした一面もありながら、地域での草刈りなど地道なこともやっていました。
自分もそんな大人でありたかったし、もっと真っ向勝負で物事をつくっていく人たちと関わりたいと思った時に、頴娃に移り住むことを決めました。


今もなお、現場に立っている蔵元さん

チャンスが突然来た時に、アクセルを踏めるかどうか

でも、安定したキャリアを捨てて、よく移住を決めましたね……!

ひぐ

蔵元さん

そうですね、本当は40歳くらいで鹿児島に戻ってこようと思ってたんです。ある程度、生活のためのお金を貯めた上で、違うところに転職しようと。
そんな最中、30歳手前でそのタイミングが来たんです。人生にチャンスは突然やってくるものですよね。でも、自分が予期せぬタイミングであることが多くて。そのときも「まだ早い」とは思っていました。
まだ早いとは思いながらも、頴娃に移住することを決めたんですね。

ひぐ

蔵元さん

そうです。そんな不意に訪れたチャンスに対してアクセルを踏めるかどうか、「まだ早い」を受け入れられるかどうかが大事なのだと思います。
それを受け入れたから、今の自分があるし、色んなお客さんとの出会いもあります。


蔵元さんと「ふたつや、」の常連さん

リスクはリスクじゃない

そのときにアクセルを踏むって簡単じゃない気がするのですが、どうしたらチャンスに飛び込めますか?

ひぐ

蔵元さん

アクセルが踏めないのは、リスクがあるからだと思います。でも、「リスクがあるから」で諦めるのではなく、具体的に何がリスクなのかを考えることが大切です。
僕も借金をしていますが、返済に向けて無理のないプランを立てることもできますし、調べれば保険などもあるので、中身を紐解けば行動に移せることはたくさんあります。
リスクを分解してみると、行動に踏み出しやすくなると。

ひぐ

蔵元さん

そう。それに、やりたいことをやって失敗しても、それが血の通う言葉になるし、その人らしさが生まれていくと思います。だから、僕たちは挑戦することを大切にしていて、これは新しい経営理念にも入っています。
どんな理念ですか?

ひぐ

蔵元さん

「挑戦する人と共に、楽しい居場所をつくる」というのが新しい経営理念です。


古民家を再生したオフィスが「ふたつや、」のすぐ隣にあります

蔵元さん

僕たちの挑戦が誰かの楽しみに繋がることを目指して、掲げました。この理念を実現するためにも、分からなくてもやってみることを大事にしています。前職はニトリだったので、宿泊業も飲食業も分からないことだらけ。宿泊業許可も初めて取ったわけですが、それでも突き進んで今があります。


「潮や、」でお客さんと交流する蔵元さん

頴娃に関わる人たちが魅力をつくっていく


「ふたつや、」から歩いて3分でライオン岩と開聞岳が見える景色に

これからの頴娃をどのような町にしていきたいと思っていますか?

ひぐ

蔵元さん

頴娃をどうしていこうという話はまだできる立場じゃないと思っています。まずは自分の会社をしっかり運営できるようになることが、今集中すべきことです。
そのためにも楽しい場所にしない限りは人に来てはもらえないので、まずは楽しい場をつくっていこうとしています。
この滞在も、とても楽しい時間でした。蔵元さんがこれから頴娃に来る方に知ってほしい頴娃の魅力はなんですか?

ひぐ

蔵元さん

人の魅力は大きいですよね。今も地域おこし協力隊として来ているメンバーが、公園の活性化に向けたプロジェクトをやっていたり、茶畑の復興をしていたりと、おもしろい人たちがたくさんいます。


頴娃に住む人たちも交えて動画鑑賞会

蔵元さん

それに加えて、この頴娃にはここでしか見ることができない景色が広がっています。茶畑の景色は、これからつくろうとしても、きっとできないだろうと思っています。だから、そんな景色も見てほしいです。


大野岳から見える茶畑の風景

蔵元さん

でも、その景色が残っているのも、プライドを持って働いている人たちがいるからこそ。
移住者にも寛容な町なので、観光で来ることはもちろんですが、生活の拠点としても何かに挑戦したい人にとってはオススメしたい場所です。

頴娃の魅力はこれからも築かれていく

ゲストハウスに飲食店、さらには行政にも少しずつ関わりが増えている活動的な蔵元さん。活動のモチベーションについて、「一緒に活動しているカッコいい大人たちや仲間がいるから」と答えた姿が印象的でした。

チャレンジに寛容的な町だからこそ、頴娃にはアクティブな方々が集まっています。

蔵元さんだけでなく、また別の日に茶畑を案内してくださった窪さんも移住組。お茶を広めるべく、知覧茶のECサイト「KOIGOI」も運営されています。

これからの取り組みが楽しみな頴娃町。日本縦断後にもっと大きなうねりが生まれていることを楽しみに、また訪れたいと思います!

All photos by Yuki Higuchi

【6/27追記】
蔵元さんにご興味を持った学生さんに朗報です!
蔵元さんが代表を務める株式会社オコソコにて、この夏「暮らしと仕事を体験する滞在型インターンシップ」を開催します。


飲食店や宿泊施設の運営体験、生産者さんの取材、空き家改修のワークショップ体験、弊社が取り組んでいる企画業の手伝い、行政や民間事業者さまの視察対応の手伝いなど、地域づくりのリアルを体験できる貴重な機会。

応募期間は2022/7/10(日)までなので、この機会をお見逃しなく!
\応募はコチラ/

ライター
樋口 佑樹 ディレクター

『周りを幸せにする誰かのやりたいを実現する』という個人理念を掲げて、クリエイティブとコーチングをテーマに活動中。2022年には現在は、原チャリで日本を縦断しながら、地域を盛り上げる人たちに出会う「ひぐの出会い旅」を敢行中。をて、オーラがある人の源泉を探る旅を計画中。 旅中のトラブルなど、鉄板のエピソードトークがあることに憧れ続けて早7年。好きなものは珈琲と旅とフィルムカメラ。

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