ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

こんにちは!トラベルライターの土庄です。

桜の季節が終わると山は緑をまとい、初夏の訪れも感じられるように。

春から初夏にかけて山や森へ向かえば、淡く色づいた木々が生命力をたぎらせて輝く姿に癒されることができます。

今回は梅雨を迎えるまでの期間に見られる、初夏ならではの緑の絶景をまとめてご紹介!

山から渓谷、そして展望台まで、清々しい季節を楽しむハイキングの旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

【静岡】生命力輝く原生林の中を歩く「天城山」

photo by Yuhei Tonosho
初夏の始まりを迎える5月に足を運びたい山が、伊豆半島最高峰の「天城山(あまぎさん、標高1,406m)」です。天城高原ゴルフコースの隣にある天城山縦走登山口から約4時間半で一周することができます。

その登山の醍醐味は、生命力が溢れるような美しい新緑。さながら絵画の中に足を踏み入れたような淡い緑に癒される景色が続いていきます。所々差し込む木漏れ日も気持ちが良いです。

photo by Yuhei Tonosho
そんな天城山ですが、5月になると固有種のアマギシャクナゲという花が見られることでも知られています。新緑の間から顔を覗かせるピンク色の花が可愛らしいです。

山頂からは伊豆半島の海の景色も一望!天気が良ければ、新緑の尾根の先に富士山も望むことができ、一周が絶景の連続ですよ。

■詳細情報
・名称:天城山
・住所:静岡県賀茂郡東伊豆町大川
・地図:
・登山口までのアクセス:伊東市街から天城山縦走登山口まで車で約35分
・標準タイム:山頂まで往復4時間半
※詳細は関連サイトをご参照ください
・Yamap公式サイトURL:https://yamap.com/mountains/179

【熊本】阿蘇の自然が作り上げた景勝地「菊池渓谷」

photo by Yuhei Tonosho
阿蘇外輪山の北西部にあり、広大な自然休養林をはぐくむ「菊池渓谷」。阿蘇の外輪山から湧き出した伏流水が、大小さまざまな滝や瀬を作り出し、変化に富んだ風景を見せてくれます。

初夏の季節は、豪壮な滝と原生林の共演が見事です。こんこんと落ちる水流はエメラルドブルーに輝き、見事な新緑に包まれます。マイナスイオンを吸い込むと、何だか体のリズムが整えてもらえるよう。

photo by Yuhei Tonosho
ハイキングコースは最奥にある広河原まで往復2km/約1時間20分と手頃な内容です。道中、滝に近寄ったり、淵や流れのそばを歩けるのもポイント!

広河原に辿り着くと、川が絨毯のように緩やかに流れ、周囲の緑が映り込む生命力あふれる絶景が待っています。まさに阿蘇の自然がつくる天然の芸術作品ですね。

■詳細情報
・名称:菊池渓谷
・住所:熊本県菊池市原5026
・地図:
・アクセス:菊池市街から車で約20分
・営業時間:4月1日〜11月30日 8:30〜17:00
・定休日:上記以外、冬季休業
・電話番号:0968-25-7223(菊池市役所観光振興課)
・料金:高校生以上300円(維持管理協力金)
・所要時間:往復約2時間
・公式サイトURL:https://kikuchikeikoku.com/

【北海道】新緑が映り込む水鏡の絶景「鳥沼公園」

photo by itowa Photograph
ラベンダーや花畑で有名な北海道・富良野ですが、メイン所から少しだけ足をのばすだけで、美しい緑の絶景に出会うことができます。その場所とは、十勝岳連峰の裾野に位置している「鳥沼公園」です。

原生林の先に現れる、緑が映り込む沼の水鏡が広がります。特に初夏の季節は宝石のように輝き、思わず息を呑む美しさ。

photo by itowa Photograph
青空との壮大なコントラストに感動したり、刻々と変化する水面の刹那の美しさに魅せられたり、新緑の葉の間から差し込む暖かな日の光に包まれたりと、初夏の鳥沼公園は癒し要素が満載です。

ウェディングフォトとしても人気のスポットなので、新郎新婦さんに出会えることも。

その際はぜひ「おめでとうございます」と声をかけてみましょう!幸せな気持ちをおすそ分けしてもらえますよ。

■詳細情報
・名称:鳥沼公園
・住所:北海道富良野市東鳥沼1-527
・地図:
・アクセス:富良野市街から車で約6分
・料金:無料
・所要時間:30分〜1時間
・公式サイトURL:https://www.furanotourism.com/jp/spot/spot_D.php?id=405

【愛知】名古屋にあった原生の自然「猪高緑地」

photo by Yuhei Tonosho
ひたすらに都会が広がっているイメージの名古屋ですが、じつは美しい里山も点在しています。その代表的な場所が、ジブリパークのある長久手市との境界に位置する「猪高(いだか)緑地」です。

井堀上・下池や塚ノ杁(つかのいり)池などの数々の溜池や、勢子坊(せこぼう)の竹林、そしてクスの森など豊かな自然が見られ、春から夏にかけて気持ちの良い一周約1〜2時間ほどのハイキングを楽しめます。

photo by Yuhei Tonosho
とくに、名古屋で2番目の標高「親鸞山(しんらんさん、標高111m)」までの縦走ルートの途中にある展望台からは、美しい原生林の先に、長久手市街のパノラマが広がります。

天気が良ければ、遠く木曽の名峰「御嶽山(おんたけさん、標高3,067m)」まで見えることも。美しい森林浴と爽快な展望も楽しめる、手軽ながら満足度の高いスポットです。

■詳細情報
・名称:猪高緑地
・住所:愛知県名古屋市名東区猪高町
・地図:
・アクセス:地下鉄東山線・本郷駅から徒歩20分弱
・電話番号:052-703-1300(名古屋市名東土木事務所)
・料金:無料
・所要時間:1周1〜2時間
・公式サイトURL:https://www.city.nagoya.jp/ryokuseidoboku/page/0000005077.html

【香川】渓谷の島のいただきに立つ「仙多公峰」

photo by Yuhei Tonosho

瀬戸内海に浮かぶ渓谷の島「小豆島」。島の中央部には日本三大渓谷美のひとつ「寒霞渓(かんかけい)」が発達してることで有名ですが、じつはもうひとつ見事な渓谷を有しているのはご存知でしょうか?

その名も銚子渓(ちょうしけい)です。お猿の国という自然動物園があり、車でもアクセスすることができます。新緑の絶景が待っているのは、そのお猿の国の園内にある「仙多公峰(せんたくぼう)」という展望台です。

photo by Yuhei Tonosho

島の内陸部から瀬戸内海まで360度見渡す大パノラマが広がります。渓谷を覆い尽くす溢れるような緑の山肌と、瀬戸内ブルーの共演が素晴らしいです。

壮大な島の自然を満喫できるため、地元の人の中には「寒霞渓よりこちらの方が好き!」という人もいるのだそう。まさに小豆島で1、2を争う絶景です。

■詳細情報
・名称:仙多公峰/小豆島銚子渓 自然動物園 お猿の国
・住所:香川県小豆郡土庄町見目/肥土山蛙子3387-10
・地図:
・アクセス:土庄港から車で約20分、入園後、徒歩約10分
・営業時間:8:20~17:00(入園は16:30まで)
・定休日:水曜日
・電話番号:0879-62-0768
・料金:大人450円、小人250円
・所要時間:1〜2時間
・公式サイトURL:http://www.osaru-no-kuni.sakura.ne.jp/

【大分】深い秘境の森に癒される「祖母山」

photo by Yuhei Tonosho

大分・宮崎・熊本の3県にまたがり、九州山地の中核をなす「祖母山(そぼさん、標高1,756m)」。山頂は岩々からなる迫力のある山ですが、山腹から山麓にかけてはブナやミズナラからなる美しい自然林が広がり、神秘的な雰囲気をかもし出しています。

主要なルートは、北部の神原登山口からの往復です。前半は湧水が流れる渓谷に癒され、途中からは急登の尾根が続いていきます。しかし見上げれば、新緑のトンネルが見事で、初夏ならではの風が涼やかですよ。

photo by Yuhei Tonosho
常に樹林に覆われているため、少し地味なイメージもある祖母山ですが、山頂には360度の絶景が待っています。隣にたたずむ傾山(かたむきさん、標高1,605m)から阿蘇・くじゅう連山の山並みまで。

そんなパノラマに添えられるのは、九州の山域で初夏に見られることで有名な「ミヤマキリシマ」です。新緑に映えるように艶やかに咲き誇ります。

■詳細情報
・名称:祖母山
・住所:大分県豊後大野市緒方町尾平鉱山
・地図:
・登山口までのアクセス:豊後竹田市街から神原登山口まで車で約35分
・標準タイム:山頂まで往復6時間半
※詳細は関連サイトをご参照ください
・Yamap公式サイトURL:https://yamap.com/mountains/5

新緑の季節にみられる束の間の森の輝き

photo by Yuhei Tonosho
今回は筆者が今まで訪れてきたなかから、初夏の5月〜6月に訪れたい新緑の絶景スポットをご紹介しました。

春の桜や、秋の紅葉、冬の雪景色などに比べれば、少し色彩が単調に思えるかもしれませんが、初夏に出会う緑の美しさは格別。

夏に向けて、木々がいっそう生命力をたぎらせ、陽光によって輝く姿は、なんだか心が揺さぶられるものがあります。ぜひ清々しい最高のシーズンである初夏に、ハイキングの旅を計画してみてはいかがでしょうか。

ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。 山岳雑誌『山と渓谷』へ寄稿、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリなど。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

RELATED

関連記事