編集部
西嶋 結 TABIPPO編集部 / ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。2012年に半年間の旅行を経験し、今までに訪れた国は60か国ほど。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

海外に出られなくなった今、旅好きならきっと、国内のホテルに目を向けているはず。

今回は、ホテルのプロともいえる3人に集まっていただき、3人が「教えたくないくらいお気に入り」というホテルについて語ってもらいました!

お話を聞いたのは、インスタグラムで「ホテルみるぞー」アカウントを運営するみるぞーさん、同じく「やさしいホテル(やさほ)」アカウントのやさホさん、そしてTABIPPOの多葉田愛さん。座談会の会場は、谷根千にあるホステル「HOTEL GRAPHY NEZU」です。

◆ゲスト紹介◆

ホテルみるぞー
本業ホテルマン。
泊まった人の「心と時間が豊かになるホテル」が好き。ホテル側の目線とゲスト側の目線の両方で、ホテルの魅力を伝えている。SNS などで発信している、実際に宿泊した体験をもとにしたレポートが多くの人の支持を集める。
現在は石川県金沢市「LINNAS Kanazawa」にて立ち上げから運営に携わる。
インスタグラム:@hotel_miruzo
やさしいホテル(やさホ)
人にやさしく、地域にやさしく、地球にやさしい。そんなホテルや宿を訪ねてまわり、「やさしいホテル」として発信している。大きくなくても、有名でなくても、検索にひっかからなくても、たくさん全国に存在する「やさしいホテル」に、出会える場所をつくることが最終目的地。
インスタグラム:@yasashii_hotel
多葉田愛
1994年生まれ千葉県出身。在学中に4度の留学を経験し、海外文化に興味を持つ。まちづくり会社にて、広報と旅行事業の立ち上げを担当し、フリーランス、オーストラリアでのワーキングホリデーを経て、2020年1月よりTABIPPOのマーケティングを担当。

ホテルラバー3人のお仕事は?


photo by Shigeki Naganuma
みるぞーさんとやさホさんは顔出しされていないので、今回の記事の写真はロゴでお楽しみください!

ホテルにめちゃくちゃ詳しいおふたりですが、お仕事でもホテルに携わっているんですか?
新卒で入社した不動産デベロッパーで、ホテルの開発や運営に携わっていました。その後、さまざまな形でホスピタリティビジネスに関わりながら、2年間社会人を休んでアメリカ留学。現在はコンサルティングの仕事をしています。「やさしいホテル」アカウントを始めたきっかけは、みるぞーさんと出会ったこと。それまでは趣味としてホテル巡りをしたり、写真を撮りだめていたりしていたんですが、せっかくなら自分もみるぞーさんのように発信したいと思って始めました。

やさホ


photo by Shigeki Naganuma

みるぞー

私は旅館でホテルマンとして働いています。自分自身がサービスを提供したり、勉強のためにいろいろなホテルを泊まり歩いたりする中で、「ホテルってお部屋じゃなくて体験を売ってるんだ」と気づいたことがきっかけで、ホテルでの体験を発信するようになりました。

おふたりとも、お仕事でホテルや旅館に携わった経験があるんですね。私も同じで、新卒でホテルの企画や運営を手掛ける会社に入社しました。仕事を通じて「ホテルって、ゲストハウスからラグジュアリーホテルまでいろんな魅力があって、こんなに楽しいんだ」という気づきがあって。自社のホテルを巡るだけじゃなく、だんだんホテルステイが趣味のようになっていったんです。その後、オーストラリア・メルボルンでのワーホリを経験し、今はTABIPPOでセールスとして働いています。


photo by Shigeki Naganuma

本当は教えたくない!3人の「偏愛」ホテル

私はデザインホテルとフレンドリーなホテルが大好き。現地のことを何も調べずに行っちゃうタイプだから、おせっかいなくらい親切なゲストハウスのスタッフさんにおすすめを教えてもらう旅が好きです。おふたりはこれ!っていう「偏愛」はありますか?

唯一無二性かな。「そこにしかないものがあるから行く」というのが好きなんです。私は愛さんとは逆で、いろいろ調べたいタイプ。というのも、ホテルはテーマパークだと思ってるんですよね。遊園地に行くときは、「どの乗り物に乗ろうかな」「ここで写真を撮ろう」って思うでしょう。同じようにホテルを選ぶのが楽しいんです。

みるぞー


photo by Shigeki Naganuma

「ホテルはテーマパーク」って名言ですね。テーマパーク力が高いホテルってどこでした?
「松本本箱」かな。コンセプトがしっかりしていて、食事は地元食材にこだわり、器も選び抜かれている。本棚が広がる景色も含めて、ワクワクさせてくれるテーマパークでした。

みるぞー


photo by ホテルみるぞー

■詳細情報
・名称:松本本箱
・住所:長野県松本市浅間温泉3-13-1
・地図:
・アクセス:松本駅からタクシーで約20分
・電話番号:0570-001-810
・公式サイトURL:https://matsumotojujo.com/journal/

やさホ

僕は変遷してきていますね。最初は、日常をとにかく忘れたくて、リゾートホテルが好きだった。そこからデザインホテルを選ぶようになって、今は「やさしいホテル」偏愛。
……やさしい?

やさホ

うん、意味わからないと思うんですけど……(笑)。来る人にも、迎える人にも、周りの人にもやさしい。モノを大切に使ったり、自然ともつながっていたり、関わるもの全てにやさしい。そんなやさしい、ていねいな暮らしが見えるホテルが好きなんです。こじんまりしていて、ご夫婦で運営しているような。食器も、そのご夫婦がただ好きな物を揃えた、みたいな感じにぐっとくる。経営されている方の暮らしにお邪魔したような気持ちになれるホテルが好きです。


photo by Shigeki Naganuma

特に好みだったホテルを挙げるなら?

やさホ

鎌倉の「hotel aiaoi」。ご夫婦で運営されている、鎌倉での暮らしを体験できるホテルです。鎌倉で暮らしたらこういう食器を使って、こういうリズムで暮らして……と想像できるのがいいんですよね。


photo by やさホ

■詳細情報
・名称:hotel aiaoi
・住所:神奈川県 鎌倉市 長谷2-16-15 サイトウビル3F
・地図:
・アクセス:江ノ島電鉄 長谷駅から徒歩3分
・電話番号:0467-22-6789
・公式サイトURL:http://aiaoi.net/
好きな感じ。超行きたい!

やさホ

他には、みるぞーさんから紹介してもらった、佐賀・有田の「TIMERの宿」もよかったな。アメリカや地元有田でシェフをされていたご夫婦が運営されているんですが、朝から晩までへとへとになるまで働く日々に疑問を抱き、「暮らしの中に仕事がある暮らしってどんなものだろう」と考えてオープンしたそうです。1日1組限定で、野菜のフルコースをいただけるんですよね。

電気もガスも使わないオフグリッドな環境なので、蝋燭の光の明るさに気づいたり、薪で炊くお風呂の贅沢さを味わったり。


photo by やさホ

■詳細情報
・名称:TIMERの宿
・住所:佐賀県西松浦郡有田町下内野字中通丙 2440-4
・地図:
・アクセス:蔵宿駅から徒歩10分
・電話番号:080-2697-2288
・公式サイトURL:https://timer-no-yado.weebly.com/
私は、予約が取れなくなったら困るから本当は教えたくないけど……長野の湖のほとりにある「KASUKE 3rd」がおすすめです。ご夫婦で運営されていて、奥さまが作ってくださる季節のおいしいフルコースを、ご主人がサーブしてくださるんです。「KASUKE 3rd」に泊まると、ご夫婦がいっしょに過ごしている時間がそのままあらわれていてる感じがして、自分が普通に生きていたら出会えないような人生観をあじわえる。自分の生き方や暮らし方を見つめ直したり、新たな発見をもらえたりするホテルです。

みるぞー


photo by ホテルみるぞー

■詳細情報
・名称:KASUKE 3rd
・住所:長野県大町市平木崎湖10908
・地図:
・アクセス:JR中央線 松本経由 大糸線稲尾駅下車徒歩5分/長野自動車道安曇野IC下車R148にて30分
・電話番号:0261-85-0752
・公式サイトURL:https://www.kasuke3rd.com/

私は、熱海の商店街にある「guest house MARUYA」が好き。熱海って、一度廃れちゃったけど、今また盛り上がってますよね。「guest house MARUYA」は、そんな熱海のまちづくりのハブになっているゲストハウスです。ユニークなのは、宿の中で宿泊が完結するんじゃなくて、街全体がホテルのようになっているところ。朝食は、宿の目の前にある干物屋さんで干物を買って、ホテルで焼いて食べることができます。スタッフさんもフレンドリーで、地元の人と宿泊者が混ざり合って、街とつながっている感じが素敵。


photo by guest house MARUYA

■詳細情報
・名称:guest house MARUYA
・住所:静岡県熱海市銀座町7-8 1F
・地図:
・アクセス:熱海駅から徒歩約15分
・電話番号:0557-82-0389
・公式サイトURL:https://guesthouse-maruya.jp/
都内なら、神田にある「山の上ホテル」が好きです。実はこの建物、戦時中はGHQに接収されていた歴史があるんです。ドアノブが高いところにあって「なぜだろう?」と思ったら、アメリカ人が使っていたからなんですよね。その後には、定宿にしていた三島由紀夫が「ねがわくは、ここが有名になりすぎたり、はやりすぎたりしませんやうに」と語ったと言われていたり。こういうストーリーがいっぱい詰まってるところがたまらない。

やさホ


photo by やさホ

■詳細情報
・名称:山の上ホテル
・住所:東京都千代田区神田駿河台1-1
・地図:
・アクセス:お茶ノ水駅から徒歩4分/新御茶ノ水駅から徒歩5分/神保町駅から徒歩6分
・電話番号:03-3293-2311
・公式サイトURL:https://www.yamanoue-hotel.co.jp/

三者三様!3人のベストホテル

おふたりのベストホテルを3つ、聞いてみたいです!

みるぞー

記憶に残ったサービスをしてくれたホテルを挙げるなら、「bar hotel箱根香山」と「瀬戸内リトリート青凪」、そしてアマン系列の「アマネム」です。
アマネムは、noteも書いていましたよね! あえてその中でひとつを選ぶなら?

みるぞー

バーでのサービスが印象に残っている、箱根香山かな。というのも、そのバーで、バーホテルのシグニチャーカクテル(※注:そのバーの代表的なカクテル)から湘南の名前がついているカクテル、東京、上海と、お酒で世界旅行をしてみたんですよ。
■詳細情報
・名称:bar hotel箱根香山
・住所:神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷507-4
・地図:
・アクセス:小田原駅から箱根登山バスまたは伊豆箱根バスで「蓬莱園(ほうらいえん)」バス停まで約40分、蓬莱園バス停から徒歩で約5分。
・電話番号:0460-82-0111
・公式サイトURL:https://www.barhotel.com/
すごい……!

みるぞー

最後にオリジナルでお願いしたのは、私が初めての海外旅行で行ったカンボジアをイメージしたカクテル。バーテンダーさんにカンボジアへの旅についてお話ししたところ、あのエスニックな感じや色合い、記憶を再現したカクテルを作ってくださって、サーブも完璧で、たった一杯で世界旅行に連れて行ってくれた感じがして、リクエストに応えてくれたバーテンダーさんたちのサービス精神とスキルに感激しました。おかげでとても思い出に残る滞在になりました。

 

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「たった一杯で世界旅行に連れて行ってくれる」って、これまた名言!

やさホ

愛さんのベスト3は?
地域性という観点で選ぶなら、「ONOMICHI U2」と宮古島の「HOTEL LOCUS」、そして北九州の「Hostel and Dining “Tanga Table”」です。「ONOMICHI U2」は、土地柄、サイクリストの方に優しい工夫がたくさんなされているホテル。内装はスタイリッシュで、デザイン性と地域性を兼ね備えているところが好みでした。

「HOTEL LOCUS」は、ホテルのサービススタッフだけど漁師でもある、みたいなスタッフさんが多くて最高に楽しい!スタッフさんが釣ったばかりの魚をいただきながら、“島愛”を聞かせてもらいました。

「Hostel and Dining “Tanga Table”」は、雑誌『ソトコト』で見てチェックしていた宿。「ソトコトを見て来ました」と言ったらすごく喜んでくれて、スタッフさんと飲みに行くことに(笑)。たった2泊だったけど、スタッフさんとも宿泊者さんともたくさん交流できました。


photo by Hostel and Dining “Tanga Table”

■詳細情報
・名称:ONOMICHI U2
・住所:広島県尾道市西御所町5-11
・地図:
・アクセス:JR尾道駅より 徒歩5分
・電話番号:0848-21-0550
・公式サイトURL:https://onomichi-u2.com/
■詳細情報
・名称:HOTEL LOCUS
・住所:沖縄県宮古島平良下里 338-40
・地図:
・アクセス:宮古島空港より車で約10分
・電話番号:0980-79-0240
・公式サイトURL:https://okinawa-uds.co.jp/hotels/hotellocus/
■詳細情報
・名称:Hostel and Dining “Tanga Table”
・住所:福岡県北九州市小倉北区馬借1丁目5-25 ホラヤビル4F
・地図:
・アクセス:JR小倉駅から徒歩8分
・電話番号:093-967-6284
・公式サイトURL:https://tangatable.jp/

やさホ

僕のベスト3「やさホ」は、先ほどお話しした「hotel aiaoi」と「TIMERの宿」、そして「TOKYO LITTLE HOUSE」です。「TOKYO LITTLE HOUSE」は、赤坂の繁華街の中にある、両脇をビルに挟まれた一軒家。まわりの建物が建て替えられて、街並みが変わっていく中、ずっと変わらずそこにあるんですよね。

ご家族で運営されているんですが、旦那さんがおばあちゃんの代からその一軒家に住んでいたらしくて。周りの町並みが変わる中、ずっと残ってきたその家をなんとか残したいけど、そのまま住むことはできない。そこで自分たちの手でリノベーションして2階を宿にし、1階は旦那さんの妹さんがカフェを経営しています。


photo by やさホ

■詳細情報
・名称:TOKYO LITTLE HOUSE
・住所:東京都港区赤坂3-6-12
・地図:
・アクセス:赤坂見附駅より徒歩5分/赤坂駅より徒歩3分/溜池山王駅より徒歩5分
・公式サイトURL:http://littlehouse.tokyo/
うーん、行きたいホテルが増えていくばかりで、命がいくらあっても足りない……。

みるぞー


photo by Shigeki Naganuma

この座談会のあと、すぐにたくさんブッキングしちゃいそうです!おふたりとも、素敵なホテルをたくさん教えてくださってありがとうございました。

谷根千の街に溶け込めるホテル「HOTEL GRAPHY NEZU」


photo by Shigeki Naganuma
今回の座談会は、谷根千にあるライフスタイルホテル「HOTEL GRAPHY NEZU」で行いました。

下町情緒たっぷりのエリアに位置するこのホテルは、お部屋に加え、カフェ、バー、スタジオ、キッチン、テラス、ダイニング、ラウンジなどを備えており、旅人だけでなく地域の人たちとも交流することができます!ホテルの人や宿泊者との交流を大切にし、地域に溶け込む旅を楽しむ3人にぴったりのホテルでした。

■詳細情報
・名称:HOTEL GRAPHY NEZU(ホテルグラフィー根津)
・住所:東京都台東区池之端4-5-10
・地図:
・アクセス:千代田線「根津」駅より徒歩3分/南北線「東大前」駅より徒歩14分/JR「上野」駅より徒歩14分
・電話番号:050-3138-2628
・公式サイトURL:https://www.hotel-graphy.com/

ホテルみるぞーさんがホテルマンを務める「LINNAS Kanazawa」もぜひ!

ホテルみるぞーさんは現在、金沢でホテルマンをしています。勤め先である「LINNAS Kanazawa」は21年4月3日にグランドオープンしたばかりだそう。

金沢にお越しの際はぜひお立ち寄りください!

みるぞー

■詳細情報
・名称:LINNAS Kanazawa
・住所:石川県金沢市尾張町1-2-8​(旧エンブレムステイ金沢)
・地図:
・アクセス:近江町市場のバス停からLINNAS Kanazawaは市場を通り抜けて徒歩約5分
・公式サイトURL:https://www.linnashotels.com/kanazawa/
編集部
西嶋 結 TABIPPO編集部 / ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。2012年に半年間の旅行を経験し、今までに訪れた国は60か国ほど。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

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