「世の中を変える旅人たちのハブになりたい」Huber.代表・紀陸武史の想い

提供 : 株式会社Huber.
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紀陸武史 × 清水直哉 スペシャル対談

外国人旅行者向けのガイドマッチングサービス
として注目を集めている「Huber.」
事業を行う背景や、新ブランド
「TRAVELERS Hub」に込めた想いを
創業者・紀陸武史さんに伺うため、
Huber.本社のある鎌倉を
TABIPPO代表・清水直哉が訪ねました。
 

紀陸武史
1977年、東京都生まれ。株式会社Huber. 代表取締役CEO。「世界中の人たちを友だちに」という理念を掲げ、パーソナライズされた旅行体験をしたい訪日外国人旅行者と、国際交流をしたい日本人をガイドとしてマッチングするプラットフォームサービス「Travelers Hub Huber」を2017年10月から全国展開。
清水 直哉|TABIPPO 代表取締役
21歳で世界一周のひとり旅を経験。帰国後、旅路で出会った仲間とTABIPPOを創設。26歳で独立。株式会社TABIPPOでは「旅で世界を、もっと素敵に」を理念として、事業を多角展開。「旅するように働き、生きる」を組織の指針として、管理がないフラットでオープンな経営を目指す。

英語でコミュニケーションできる環境を日本に作りたかった

清水:僕らが知り合ってから、もう2年くらい経ちますかね?

 

紀陸:ええ。「法政グローバルデイ」でゲストとして呼ばれて、一緒に登壇したのが出会いでしたよね。

 

※法政大学の学生たちが主体となって開催するイベント。国際協力団体やビジネス分野の実務者をパネリストとして招き、国際協力・国際交流・グローバルビジネスへの理解を高めることを目的としている。

 

清水:そうでした。確か、300人くらいの学生たちが聴きに来てくれましたね。「旅はいいぞ」と、おっさんたちが語る会に(笑)。

 

紀陸:ははは、あれは楽しかった。

 

 

清水:紀陸さんとはそれ以来、ときどき飲みに行くようになりました。新橋の居酒屋で、旅と世界平和について語り合ったり。

 

紀陸:僕ら世界平和について語りがちだよね(笑)。

 

清水:それで今回も、サービスの細かい話というよりは、旅の事業に携わる背景にある想いとか、もっと大きな枠組みでお話を伺えたらなと思っていまして。

 

紀陸:ぜひぜひ、話しましょう。

 

清水:ありがとうございます。そもそも、Huber.が生まれたきっかけって何だったんですか?

 

紀陸:原体験はいくつかあるんですけど、最初は19歳くらいの時ですね。ありがちな話ですけど、沢木耕太郎の『深夜特急』を読んで興奮しちゃって。

 

清水:わかります。

 

紀陸:そのとき、「誰にも頼れない海外の環境にポンって体を置いてみたら、自分は不安になっちゃうのか、逆にテンションが上がるのか、どっちなんだろう?」という疑問が沸き起こって、試してみたくなったんです。

 

清水:おもしろい(笑)

 

 

紀陸:それで、沢木耕太郎風に格安チケットの往復券だけ買って、一ヶ月間くらいタイに行くことにしたんですよ。

 

清水:そしたら?

 

紀陸:現地の空港に降り立った瞬間、興奮しかしませんでした。英語は全然話せないけど、身振り手振りで一生懸命やっていれば通じたし。「この長距離バス乗ったらどこ行っちゃうんだろう。大丈夫か?」なんて思いながら、冒険みたいな感じを味わえて、本当に楽しかった。文通をずっと続けるような友達もたくさんできました。

 

清水:何か忘れられない出来事ってありましたか?

 

紀陸:あるタイのご夫婦に、「何でお前はそんなに英語が喋れないんだ。何年勉強したんだ?」って聞かれたんです。「6年です」って答えたら、「信じられない。6年も勉強してそれしか喋れないなんて」と言われてしまって(笑)

 

そういうもんなのかって、初めて知るわけですよ。確かに、1泊100円くらいの宿に泊まって、そこで中華系の男の子が働いていたんですけど、その子、3カ国語を話せていました。

 

清水:海外に出ると、そういう若者いっぱいいますよね。僕も旅をする中で同じような経験をして「なんでなんだろう?」と当時は不思議に思いました。

 

 

紀陸:そうですよね。なんでこんなに英語が話せるんだろう、と考えたときに、やっぱり環境の違いが大きいのかなと感じました。日本人は何年も英語を勉強するけど、外国人と直接話したり、実際に英語を使ったりする場面が少ない。だからその時、英語でコミュニケーションを取れる環境を日本に作れたらいいなと思ったんです。

 

清水:なるほど。まさにHuber.がそれを実現していますもんね。

 

紀陸:あとは、東日本大震災での経験と、Airbnbとの出会い。この2つが大きかったです。

 

紀陸:震災時、インターネットやSNSの力で、善意が連鎖していくのを現地で目の当たりにしました。困っている人たちがたくさんいて、課題もたくさんあった。そういうのが、人の善意の連鎖によって次々と解決されていくわけです。この国、捨てたもんじゃないなと思いましたよ。インターネットを使えば、ああいう「善意の連鎖」をビジネスでも再現できるんじゃないかなと感じました。

 

でも実際にやろうとすると、お金を稼ぐことと、人が仲良くなる善意の連鎖って、なかなか両立が難しいんですよ。そんな時に、Airbnbと出会いました。

 

 

清水:いつ頃ですか?

 

紀陸:日本でも流行りだした、2012年くらいですかね。ぼくはAirbnbの「キャッシュレス・キャッシュファースト」という理念にとにかく感動したわけですよ。素晴らしい体験をしても、最後に「支払い」がくると、すごい野暮ったくなってしまう。超もてなしてもらって、仲良くなって、「絶対また会おうぜ!」「本当にありがとうな!じゃあ、お会計3万円ね」って言われたら、なんか(笑)

 

清水:確かに(笑)

 

紀陸:Airbnbでは、ホストとゲストが会う時点で支払いは終わっているから、そこから先のおもてなしは、+αでしかないんです。だから別れ際もストレスがかからない。ホストとゲストは仲良くなって繋がっていくんです。「キャッシュレス・キャッシュファースト」ってすごい発明なんだなと思いました。

 

清水:その体験がHuber.で生かされているんですね。

 

価値観の違いを楽しめる人こそ真の「グローバル人材」

 

紀陸:しみなお(清水直哉)さんも、自身の旅の経験を事業につなげているわけだけど、「どうして旅の魅力を広めているんですか?」って聞かれたら、なんて答えますか?

 

清水:21歳で世界一周した時に、純粋に「旅の経験は本当に良いものだな」と思ったから、身近にいる人たちに伝えていきたかった。最初はそんなシンプルな理由からスタートしました。

 

紀陸:始めた当時は、社会貢献とか、そういう意識はあまりなかったですか?

 

清水:いや、そんなこともなかったですね。世界中の人がもっと旅をする世の中になったら、社会はより良くなっていくはずだって、当時から強く思っていました。

日本人ってパスポートの取得率も低いし、当時は今ほど外国人観光客も多くなかったから、旅行とか、海外の人たちとコミュニケーションする機会を増やしていけたら、日本はもっと良い国になるのにっていうことをずっと思い描いていて、今も変わらずそこに向かって事業を続けています。

 

紀陸:旅は、現地の人とメッチャ仲良くなりますからね。

 

清水:うん。仲良くなったら、国境もないじゃないですか。

 

紀陸:本当にそう。旅に行くと、たくさんの人たちの価値観に出会って、自分にとっての白黒が、相手にとっての白黒じゃないと気付く。でも、価値観が合わないからといって、仲が悪くなるわけじゃない。価値観の違いをお互いに認め合って、その違いすら楽しんで、仲良くなれる。それは本質的なことだし、全世界で共通のことだと思いました。

 

清水:メッチャわかるな〜(笑)

 

 

紀陸:僕は、多様性を受け入れられて、価値観の違いを楽しめる人こそが真の「グローバルな人材」だと思っているんです。

 

清水:うんうん!

 

紀陸:そういう人たちが増えれば、究極的には国境もなくなりますよね。

 

清水:まさにそれです! 先日TABIPPOが発表した、21世紀型のグローバル人材育成プログラム「POOLO」も、そこに繋がってきます。

 

 

紀陸:どういう想いで「POOLO」を考案したんですか?

 

清水:今の世の中って、働き方も価値観も、色んなものが多様化していますよね。「こうじゃなきゃいけない」「こうあるべき」みたいなことってどんどんなくなってきたなって思うんです。

 

紀陸:そうですね。

 

清水:世界はどんどんオープンになっていて、人と人がカジュアルにつながるようになってきました。グローバル化してるわけですよね。そういう時代において、旅の経験を生かして、自分らしく働いて活躍する人材を育てていけたらいいな、という想いで「POOLO」を立ち上げました。

世の中は「グローバル人材になろう」とか言うんですけど、そこで言われている「グローバル人材」の定義とか解釈みたいなのが、すごい押し付けだなと感じるんです。

 

紀陸:押し付け?

 

清水:よく言われる「グローバル人材」って、英語はできて当たり前で、海外でMBA取るとか、外資系の会社で働くとか、そんなイメージじゃないですか。

 

紀陸:はいはい。日本国内で働いてたらグローバル人材じゃない、みたいなね。

 

 

清水:そう。これって全然本質的じゃないと思っていて。僕は、鎌倉で仕事している紀陸さん、めちゃくちゃグローバル人材じゃんって思うわけですよ。

必ずしも英語が話せなくても、旅の経験を生かして地方創生で活躍していたり、世界や社会を良くしたいという意識を持って起業したり、そういう人たちこそ僕らは「グローバル人材」だと思っています。

 

紀陸:おっしゃる通り。

 

清水:そこで、外部から講師を呼んで、そういう人材を育成する一年間の学びのプログラムを提供するのが「POOLO」です。

 

紀陸:素晴らしい取り組みですね。

 

人の短所の裏側には、「宝物」が眠っている

清水:あと、紀陸さんの「ギフトの話」が僕すごい好きなんです。一緒に飲むと、よく話してくれるじゃないですか。

 

紀陸:ああ、あの話ですね。

僕は、この世に生まれてきた人は皆、持っている「ギフト」は等量であるはずだと思うんですよね。「ギフト=個性(才能)」と言い換えられるかもしれない。

人それぞれ、色んな個性があって、ある場所で働いてたら、もう箸にも棒にも掛かりませんみたいな人が、Huber.に転職して、とある仕事をしたら、メッチャ活躍するということがあるわけですよ。これが面白くてしょうがなくて。

 

清水:うんうん。

 

紀陸:その人がエンパワーメントされて、活躍できたからもっと頑張ろうってなって、その次その次ってなっていくじゃないですか。それが最高に楽しいんです。短所だと思っていたものの反対側に、才能というギフトが生まれると思っていて。

例えば僕は、超おっちょこちょいなんですよ。

 

清水:そうなんですか?(笑)

 

 

紀陸:例えば会社のカードキーを忘れてしまい中に入れなかったり(笑)、そういう小さなおっちょこちょいが人生において非常に多くて。でもそれを乗り越えるために「鍵がなくても家に入るためにはどうすれば良いんだろう?」って考えるようになりました。

それによって僕は「ハックする」というユニークスキルを身に付けられました。管理会社に連絡すると開けてもらえるとか、裏側から侵入口を探してみるとか、色々やり方を覚えていくわけですよね。

 

清水:なるほど。

 

紀陸:切羽詰まった状況に出くわすことも多いから、肝は据わってくるし、その瞬間の判断力っていうのも強くなる。で、バランスが取れるんですよ。おっちょこちょいな性格はあるけど、それでも社会で生きていくために、それを補う能力や特殊なスキルが身について、バランスが取れる。

だから、「あいつはダメだ」と言われている人でも、そのダメな理由の裏側にはものすごい宝物が眠っているんです。そこにちゃんと光を当てて、事業に活かせるような形にコーディネートしたり、デザインをしていくことっていうのが、経営者としてものすごく楽しいんです。

 

清水:すごいわかります。やっぱりいい話だな〜。

 

紀陸:Huber.のツアーガイドは、僕はすごく素敵な仕事だなと思っていて、その仕事を通してたくさんの人から、「あなたのこのプランはすごく素敵」「他のツアーでは絶対体験できない」なんて言われたら、そのガイドさんは勇気づけられるじゃないですか。自分自身が胸を張って一歩踏み出していけるようになる。

 

 

Huber.を通してそのお手伝いができたら、みんな日本にいながらにして、世界へ飛び出していくことができるんじゃないかなってすごく思うんです。

 

清水:最高の考え方です。

 

新ブランドを生み出し、ロゴをも刷新した理由

 

清水:そういえば、Huber.のブランド名やロゴが刷新するそうですね。

 

紀陸:そうなんですよ。まさに今日(インタビュー当日の4月3日)からです!

 

清水:タイムリーですね!どういった背景で?

 

紀陸:これまで株式会社Huber.として、国際交流をしたい日本人と外国人旅行者を繋ぐガイドマッチングサービス「TRAVELERSHub Huber」の事業と、ガイド&コンシェルジュ機能を持つ交流型の観光案内所「WANDER COMPASS(ワンダーコンパス)」でのサービス連携という二つの事業を展開してきました。

これらの事業をシームレスに繋ぎ、より外国人旅行者のニーズを満たすため、今回「TRAVELERS Hub」という統一ブランドを新たに生み出しました。それに伴い、オンラインのガイドマッチングサービスの名称とロゴもこのように一新したというわけです。

 

清水;おお〜、素敵なデザインですね!

 

紀陸:僕はHuber.という社名に、「ハブになる人たち」という想いを込めました。サービスがたくさんの人たちを繋ぐだけでなく、登録するガイドさんも、Huber.で働くメンバーたちも、皆が人や地域を繋ぐ「ハブになる人たち」であってほしい。そう思っています。

 

清水:なるほど。

 

紀陸:そのニュアンスを、もっとロゴとしてわかりやすくできないかなと思っていたなかで、デザイナーのメンバーが一生懸命考えてくれたんですよ。Hの文字は、人が握手していて、スーツケースをガラガラ引いている様子を表しています。

 

清水:柔らかなフォントも良いですね。

 

紀陸:僕は本当に、旅人(トラベラー)たちが世の中を変えていくと思うんですよ。たくさんの価値観に触れて、真の意味でグローバルなトラベラーたちが、世の中を変えていく。そういう人たちが好んで立ち寄ってくれる場所を、オンラインとオフライン両方で、僕らが作っていきたい。その想いを鮮やかに示してくれた素敵なロゴだなと思っています。

 

清水:いや〜、ワクワクしてきました!これからさらに楽しみですね。今日は本当にありがとうございました!

 

 

撮影/池田昂樹
取材・文/中村洋太

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WRITER

中村洋太
ライター
旅行情報誌の編集とツアーコンダクターを経て、プロライターとして独立。これまでに自転車で西ヨーロッパ一周、アメリカ西海岸縦断、台湾一周を達成したほか、東海道五十三次600km徒歩の旅も。

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