ライター
岡本 大樹 撮って書くひと

2015年、小笠原諸島で連続ブリーチングを繰り広げるザトウクジラの雄大さに感動。その勢いで旅を仕事にすることを決める。それまでは原付で47都道府県を旅したり、ドイツ留学中にドイツほぼ一周電車旅をしてみたり。仕事では、サイパンの海に潜ってみたり、ベルギーでチョコレート作り体験をしてみたり。現在は人の旅立ちを後押しできるような写真を撮って記事にするべく、奮闘の日々。

「フンデルトヴァッサー」という人物をご存じでしょうか?

フンデルトヴァッサーはオーストリアのウィーンに生まれた芸術家で、彼が手がけた作品はオーストリアやドイツなどの周辺国にとどまらず、なんと日本にも残っています。

作品自体、独創的で見るものを圧倒しますが、それ以上に注目してほしいのは、彼が一貫して主張していた思想です。

photo by Daiki Okamoto
その思想を一言でいえば、「自然との共生」。近年では「エコ」や「SDGs」といったワードが取り上げられることも多くなりましたが、それをいち早く主張していたのです。

今回はそんなフンデルトヴァッサーの思いを、彼が手がけた作品と一緒にご紹介します。

ウィーンのガウディ、フンデルトヴァッサーって?

photo by Daiki Okamoto
フンデルトヴァッサー(Hundertwasser)は、1928年にオーストリアのウィーンに生まれました。画家としてさまざまな絵画を描くだけではなく、多くの建築を手がけた芸術家として知られています。

現在でもウィーンでは「フンデルトヴァッサーハウス」や「クンストハウス・ウィーン」など、フンデルトヴァッサー関連の施設が人気スポットとなっています。

photo by Daiki Okamoto
直線を嫌い曲線を多用することや、カラフルな色使いなど、世界的に有名な建築家であるガウディの作品と相通じる点が見られ、「ウィーンのガウディ」と呼ばれることも。

しかも、単純に見た目が似ているというだけではなく、作品の中に込める思想も近いものがあるのです。

フンデルトヴァッサーは作品を通して、一貫して「自然との共生」や「エコ」というテーマを主張していました。直線を嫌うのは自然界に直線は存在しないからであり、柱に関しても木を模したとされています。

photo by Daiki Okamoto
その一方で、ガウディも自然を建築物のお手本としていたと言われています。最も有名な作品「サグラダ・ファミリア」でも柱を支える部分には亀がいたり、果実のようなモチーフが見られたりします。

フンデルトヴァッサーが持っていた「自然との共生」というテーマは、近年注目される「SDGs」とも部分的に重なっていて、今多くの人に知られるべきものとも言えます。

「SDGsってなんだろう?」という方は、ぜひTABIPPOの特集《マンガ連載》TABIPPOで学ぶ! やさしいSDGsをチェックしてみてくださいね。

はじまりの場所、ウィーンで見られる作品

まずは、フンデルトヴァッサーの故郷であるウィーンから。観光地としても有名なので、ウィーンを訪れたことがある方はご存じかもしれません。

photo by pixta
こちらがフンデルトヴァッサーハウスです。そのカラフルな外壁は遠目から見ても印象的で、住宅街の中にいきなり現れる不思議な建築といった風情です。

興味深いのはこれが博物館や美術館ではなく、その名前通り住宅であるという点。集合住宅として、中では多くの人が生活を送っているのです。

そのため、内部へ入ることは基本的に不可とされていますが、外から眺める分には問題なく、多くの観光客が集まる場所となっています。

photo by Daiki Okamoto
また道を挟んだ向かい側には、お土産物屋さんやカフェが並ぶ施設「フンデルトヴァッサー・ヴィレッジ」があります。こちらはもちろん内部をじっくり楽しめるので、フンデルトヴァッサーハウスと一緒に訪問しましょう。

ただ、どちらも印象的な建築ではあるけど、「自然との関連は?」と思う方もいるかもしれません。注目してほしいのはそのデザインだけではないのです。

photo by pixta
フンデルトヴァッサーハウスを見ていると、3・4階に当たるフロアや屋上から植物が外に突き出ている様子が見て取れます。

これは「自然と共に生きる」を文字通り形にしたものでありながら、植物による断熱や保温の効果を意図したもので、省エネにも繋がる機能的なデザインなのです。

また、フンデルトヴァッサー・ヴィレッジ内もそうですが、天窓などが多く使われていることによって、建物の中でも多くの日光が入ってきており、まるで公園の中を歩いているような気分になります。

■詳細情報
・名称:フンデルトヴァッサーハウス(Hundertwasserhaus)
・住所:Kegelgasse 36-38, 1030 Wien, オーストリア
・地図:
・公式サイトURL:https://www.wien.info/en/sightseeing/sights/hundertwasser-house-vienna

photo by Daiki Okamoto
他にも、ウィーンには「シュピッテラウ焼却場」というスポットも。こちらも見た目から衝撃的なものとなっています。

焼却場といえば、煙突がある工場といった無機質な風貌が思い浮かべられると思いますが、この焼却場はまるでテーマパークのアトラクションのような見た目となっています。

もちろん機能面にも注目すべきポイントがあります。ここではゴミを焼却する際の熱で周辺地域の電気や暖房を供給するという形で、エネルギーの効率的な利用がなされているのです。

■詳細情報
・名称:シュピッテラウ焼却場(Müllverbrennungsanlage Spittelau)
・住所:Spittelauer Lände 45, 1090 Wien, オーストリア
・地図:

photo by pixta
絵画も多く残しているので、フンデルトヴァッサーハウスの近くには「クンストハウス・ウィーン」という美術館もあります。

このように、ウィーンだけでも彼の作品に触れることは可能なのですが、多くの作品が残されているドイツやオーストリア南部の建築もチェックしてみましょう。

■詳細情報
・名称:クンストハウスウィーン(Kunst Haus Wien)
・住所:Untere Weißgerberstraße 13, 1030 Wien, オーストリア
・地図:
・公式サイトURL:https://www.kunsthauswien.com/en/
ライター
岡本 大樹 撮って書くひと

2015年、小笠原諸島で連続ブリーチングを繰り広げるザトウクジラの雄大さに感動。その勢いで旅を仕事にすることを決める。それまでは原付で47都道府県を旅したり、ドイツ留学中にドイツほぼ一周電車旅をしてみたり。仕事では、サイパンの海に潜ってみたり、ベルギーでチョコレート作り体験をしてみたり。現在は人の旅立ちを後押しできるような写真を撮って記事にするべく、奮闘の日々。

RELATED

関連記事

RANKING

人気記事ランキング