どうしようと途方にくれていたら、なんと、英語を話せる人がたまたま近くを通りかかって通訳してくれたんです!その人のおかげでトントンと話が進み、私と妹は空港で無事に再会できました。
今思い出しても、妹がいなくなった時はかなりヒヤッとしましたね。トルコにはいい人がいっぱいいて本当に良かったです。
旅から帰ってきて、二人の変化
そうして二ヶ月の姉妹世界一周を終えて、お互いに変われたところはあったと思います。妹は前と比べて、自分から積極的に行動することが増えましたね。
親も帰国後の妹を見て、そう感じているみたいです。旅行中にエジプトでラクダに乗った時、7歳くらいの男の子が裸足で砂の中を歩いてラクダを引いてくれたんです。
そういうことを自分の目で見ると、自分が勉強とか自由にできる恵まれた立場だってことが分かるじゃないですか。
もちろん私も言い聞かせるんですけど、彼女自身が感じたことって多くあったと思うんですよね。そういう面では、内面での気付きはあったのかなって思います。
私はというと、モノに対する執着心がなくなりました(笑)旅に出る前は、あれもこれも無いと不安!とか言って、外出する時は荷物がいっぱいになっちゃうタイプでした。
おまけにこだわりもすごい強くて、シャンプーや洗顔も自分が気に入ったこの商品しか使わない、みたいな感じで。ブラジャーでさえね、いらないんですよ、邪魔な荷物みたいな感じでね(笑)
旅をしてみたら、これがないと生きていけないみたいなものってそんなに無いのかなって思ったし、無くてもどうにかなるなって気づいたんです。それからは変なこだわりも無くなったし、生活に対する考え方が変わりました。自分にとってはいい変化になったと思ってます。
二ヶ月で世界一周は長い?短い?
二ヶ月で世界一周なんて、時間が足りなくて物足りないんじゃないかって思う人もいると思うけど、私たち姉妹は満足でした。
そもそも私が同じことをずっとやるのが苦手で、旅をし続けることが難しいタイプだと思うんですよね(笑)妹にとっても過酷な修業期間だったことを考えると、ちょうどいい長さだったと思います。
ただ一つだけ心残りだったといえば、その土地の人と何かをするには時間が少なすぎたこと。これもトルコにいる時だったんだけど、ネイル屋さんをやりたいって思いました。
旅行してる時って大きなものは買えないけど、何か思い出に残るものがやっぱり欲しいと思うのね。そんな時に、自分の身につけられるサービスだったらいいんじゃないかなって思って。
だからネイルサロンをやろうって話をランプ屋さんとして、場所を貸してもらえるようにまで話は進めてました。
でもそれを旅人に提供ができるまでの形にするには時間が足りなくて、実現はしませんでした。旅行としては満足だったけど、価値を創りだす取り組みをするにはもう少し時間が欲しかったなと思いました。
これからしたいことも見えてきた
私は、場所を問わずに働ける環境を整えていきたいと思っていて、自分も将来そうしようと思っているんです。
もともとは女性が働きやすい会社を作ろうと思ってたけど、会社じゃなくてもいいんだってことに途中で気がつきました。インターネットを使って仕事をすれば、育児中の母親も働けるし、それこそ旅をしながらでも働けますよね。
そういう環境や仕組みをつくっていきたいと思います。そして、早く結婚して、子供が欲しい(笑)いつか、自分の子供と一緒に世界一周したいですね。
唯さんにとっての旅とは
自分の感性を豊かにするものって、自分が良く知らないものだったり、怖いと思うものだったりするよね。そういうところに行ってみると、今まで感じられなかったことが感じ取れたりするし、そういうのって今後の人生ですごく重要だなって思います。
しかも自然って常に変わっていくし、そのうち無くなってしまうじゃない?私は今しか見れないものを見るっていうことにすごく価値を感じるし、そういうことができるから旅っていいなと思います。
私の中で、旅をするっていうのは自分の頭の中が広がっていくイメージかな。自分の中の世界が広がっていくというか、今まで見えなかったものが見えてきますよね。
何のフィルターを通すこともなく自分の目で世界を見ることができる、それが旅の魅力なんじゃないかなと思います。