21歳だった私が初めての一人旅に出て、大学を辞めることになるまで

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「赤土」「草が生い茂る村」「走りまわる子どもたち」。

そんなカンボジアのイメージをいっぺんに覆すような場所。どこにいても海が見える。

1杯 50円ほどで飲めてしまうアンコールビール。300 円で食べ放題のBBQ。600円で泊まれるきれいなホテル。海で風にあたりながら寝られるベッド。

トゥクトゥクがそこら中に待機しているから、道も路線も覚えなくていい。2,000 円あれば豪華な船で離島に行ける。

どうやら、ここは大人の楽園のようだ。

 

プッツーンと糸が切れた私は

朝、海でのんびりしようかと思うと、誰もいないはずの海に人影が見える。

目を凝らすと、朝からワインで乾杯する二人の白人の姿があった。こんな光景、日本では見たことがない。じっとその光景を眺めていると、

「Good morning!」。彼らが手を振ってくれた。

「Come on!」。

そう聞こえたので、私は 階段をかけおりた。

「どこから来たんですか?」
「仕事は?」
「ここで何をしてるんですか?」。

小学生の社会見学のように質問を投げかける。

「僕たちはスペインのマドリードから来たんだ。お金を貯めて、仕事は辞めて、今はタイのプーケットに永住しているよ」。

そう答えてくれた。ただ、それだけの答えだった。なのに、 プッツーンと糸が切れたような、そんな感覚がした。

(遊んでいられるのは今だけで、大人になったら毎日働くんだろうな)
(死ぬのも日本なんだろうな)。

そんな未来を公式のように暗記して生きてきた私の肩の力が、すぅーっと抜けた。生きる選択肢が、ぶわっと広がりをみせた。

「Thank you so much! 」。

そう言って、私はホテルに戻った。

 

どうでもいい記憶と、大切な記憶

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photo by shutterstock

首都プノンペンまで戻った私。

(日本に帰りたくない)
(置い てきた彼氏も放ってしまいたい)
(帰りの航空券だって、もう捨ててしまっていい)。

 

私はカンボジアの虜になった。

世界遺産のアンコールワットにも行ったし、地球の歩き方に書いてある有名な寺院にも行ったけど、そんなことはどうでもいい記憶だ。

帰国直前、日本人の女の子と田舎の村まで出かけた。

エンジンをガタガタいわせながら進むトゥクトゥク。

太陽がまぶしくて、カンボジアを象徴する赤土がさらに赤く見える。車輪に 蹴られた赤土をふくみながら、なま温かい風が吹いて、私たちの髪の毛はまた、いつものようにギシギシになっていく。

 

さよならしなければならない風景を目に焼きつけながら、こんな話を切り出してみた。

「通り過ぎていく人に、手を振ってみない? 振り返してくれるかな?」。

想像していたよりはるかに多くの人が手を振り返してくれた。 必死で走って追いかけてくる子どもたち。

洗濯しながら、笑顔で手を振り返してくれるお母さん。ノコギリを持ちながら も、空いている方の手を振ってくれるお父さん。

(この国、どんだけ温かいんだ)。

大事なのは、この国で出逢ってきた人たちとの時間だった。

 

始まる前に、理由を説明できた旅なんて、ひとつもない

小学生の頃、「おともだち 100 人つくろうね」と先生からよく言われていたけれど、1日で 10 人、2日で 30 人。

11 日間で 100人以上の人たちなんて、余裕で出逢った。それぞれ違う価値観に触れて、私が教えられてきた「正解」は完璧に崩れていった。

周りの目や価値観に縛られている自分が、しょうもなく なった。

世間から1ミリでもはみ出すことを恐れていた私が、一歩踏み出した広い世界。それは誰にでも手に入るものだった。

 

(もっと早く気づけばよかったな)。

自分が勝手に大きな壁をつくっていただけで、世界はいつでもそこにある。ほんの小さな勇気を出す人たちを、変わらずに、待っていてくれた。

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photo by shutterstock

一人旅をする。

一人だからこそ、気ままに空を見上げ、風に耳を傾ける。好きな時に歩き、偶然に人と出逢う。

一人だからこそ、投げかけられた一つひとつの言葉の意味を考える余白がある。心が、変わっていく。

 

日本にいて、バイトに時間を売り、忙しさに毒されたままでは気づかなかったことだ。

この国とこの旅が、私の中のとがった角を何度も切り落としてくれた。

これまでたくさん旅をしてきたけれど、始まる前に説明できた旅なんて、ひとつもない。多くの意味はあとからついてくる。

「危ないから」
「若いから」
「女の子だから」。

怖がっていたら、 冒険なんてできない。大事なのは、選んだ道そのものじゃなくて、その道をどう生きるかだ。

小さな好奇心だけで、泣きそうになりながら旅に出た昔の私が、今も私の一歩を応援している。

 

「何を一番、頑張りましたか?」

実は、帰国した後すぐに大学を辞めた。旅に出て生まれたゲストハウスをつくるという夢を叶えるために。

旅に出て、ぼんやりと生きてしまう時間のもったいなさを知った。

夢への道が大学とは違う道なら、やりたいことと関係ないなら、学歴のために、世間のために、生きる必要なんてない。

たとえば私が就活をしたとして。

「何を一番頑張りましたか?」と聞かれて頭によぎるのは、「とにかく中村舞らしく生きることに夢中でした」という答えだと思う。

 

勉強をしてバイトをして、旅をした。

 

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TABIPPO.NET編集部
若者が旅する文化を創る!
全員が世界一周を経験したメンバーが学⽣時代に作った組織がTABIPPOです。設立して5年半、2014年4⽉に株式会社になりました。とにかく旅が好きで、たくさんの人に旅を広めたいと思っ…

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