編集部

こんにちは、旅を広める会社である株式会社TABIPPOが運営をしている「旅」の総合WEBメディアです。世界一周のひとり旅を経験した旅好きなメンバーが、世界中を旅する魅力を伝えたいという想いで設立しました。旅人たちが実際に旅した体験をベースに1つずつ記事を配信して、これからの時代の多様な旅を提案します。

この記事では、TABIPPOがつくりあげた3冊目の旅の本、『女子が旅に出る理由』のコンテンツをTABIPPO.netをご覧の皆様にもご紹介したいと考え、本誌に掲載している一人旅体験記を厳選して連載しています。

今回の主人公は、カナダに留学をした岸真央さん(当時21歳)です。

世界には、様々な理由やきっかけによってを一人旅を決意して、自分の心と体で世界を感じてきた女の子たちがいます。

手に入れたのは、どんなに高価なアクセサリーよりも魅力的な自分らしさ。

そんな女の子たちが、初めての一人旅のときに「なぜ旅に出て、どう変わっていったのか」。

すべての女性に読んでほしい、女の子一人旅ストーリーをまとめました。

 

\こちらの記事は、書籍化もされています/

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「You are Japanese, right?」

古い寮の汚い部屋。

壊れそうなエレベーターと鍵のないシャワールーム。服を洗ったら、ぼろぼろになってしまいそうな洗濯機と乾燥機。カナダへ留学して1日目。

(私はこんなところで半年間も過ごしていくのか)。

そう思うと、それまであった ワクワクが消えてしまうかのような不安に襲われました。

空港には大学のスタッフが迎えに来てくれました。車中では、いかにも欧米人という感じの白人で金髪の運転手さんが、 助手席に座っている私にたくさん話しかけてくれます。

彼「You are Japanese, right?」
私「…Yes.」
彼「I know some Japanese words like Konnichiwa and Arigato.」
私 「oh…cool.」

言っていることはなんとなく分かる。でも、自分の口から言葉がまったく出てこない。自分の言いたいことを伝えることができない。

そんなもどかしさを、私は今でも忘れることができません。 寮の前まで送り届けてくれると、「Enjoy!」と言って運転手さんは去ってしまいました。

その後何をして、どこに行けばいいのか、何も伝えられることはありませんでした。

ぽつんと立ち、澄んでいて少し肌寒い9月のカナダの空気を深く吸う。緊張の高まりと共に、私の留学生活が始まりました。

 

夢もないくせに向かった留学

「Which residence?(どこの寮?)」。

寮の名前を答えれば、みんな決まって苦笑い。部屋の扉を開けると、心から納得しました。

ささくれ立った木の机に、いたるところにある蜘蛛の巣。ヒビの入っている鏡に、隙間の空いた扉。ボロボロの部屋を見て私は放心状態。

(ああ、帰りたい)。初日にして思ってしまいました。

 

カナダに来る前、留学に期待していたのは、帰りたくない!と思うような毎日。

いつのまにか英語はネイティブ並みに喋れるようになっていて、ホームパーティーにもいっぱい行って。

それから、帰国後には「留学に行った」という経験と「英語が話せる」というスキルで、就活なんて楽勝な自分。

何も認めてあげられる自分がなかった私は、夢もないくせに、そんなことばかり考えていました。

(7ヵ月後に帰国する時、自分はちゃんと英語が話せるようになっているのかな)
(これからの生活はやっていけるのかな)
(友達はできる?)
(授業にはついていけるかな)。

現実は、次々と浮かんでくる不安に押しつぶされそうになっている。

「帰りたくない」なんて思ったこと、一度もありませんでした。

ネットがなければどうにもならないと思い、同じフロアの人に挨拶をして、つなげ方を教えてもらうことにも一苦労。ほとんど言葉を聞き取れず、結局自分で調べることに。やっとつながった時には、疲労困憊。

ごはんも食べられず、 というかどこで食べればいいのかさえわからず、ただ部屋のべッドで寝ていると朝を迎えていました。

 

「This is the first time I’ve met Japanese in my life!」

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次の日は、EAP(語学コース)のオリエンテーションにも参加。まずは友達をつくることからです。

私「Where are you from?」
友達「Brazil. And you?」
私「Japan.」
友達「Woo! Are you Japanese!? This is the first time I’ve met Japanese in my life!」。

どうやら日本人に会ったのが初めてらしく、話が盛り上がりました。ほっと一息。

EAPの授業は週5日、1日に3時間のクラスが2コマ。少人数のクラスで、みんな留学生のため、お互いに助け合える。

ブラジル人の彼女とはクラスが分かれてしまいましたが、編成されたクラスでもみんなと仲良くなることができました。 そして1月からは、語学コースから通常の学部の授業へ。

 

コマ数はぐっと少なくなりますが、課題の量が 5倍にも10倍にもなり、EAP とは比べものにならないほどハードです。

図書館に閉館(24時)までこもる日々。1週間に400ページくらいの英語の本を読まねばならず、自分の英語力のなさを 痛感して、悔しさに泣くこともありました。

 

日本の大学と カナダの大学の違いって?

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日本の大学とカナダの大学は大きく異なります。カリキュラム、大学の雰囲気、教授、学生。

図書館には閉館までたくさんの人がいます。その代わり、週末になるとクラブに行ったりホームパーティーに行ったりして騒いでいて。そのメリハリに驚かされました。

授業のスタイルも違います。基本的に、教授が一方的に話している、なんて時間はない。教授と学生間のコミュニケーション、学生同士のディスカッションで授業が成り立ちます。

「環境問題に対して自分たちは何をするべきなのか」

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