TABIPPO社員
恩田 倫孝 TABIPPO / コミュニティマネジャー

日々酒で踊り続ける、砂漠と氷河を愛する吟遊詩人。旅を通じて「楽しさ」を考えて、多くの人の『楽しさの自給率』を上げることを目論む。食いつくキーワードは、ウェルビーイング、コミュニティ、教育。訪問国数は50。地元は新潟。慶応大学理工学部出身。趣味はホットサンドメーカーでサーモンを焼くこと。

雲海、を見ているとなんでもできるように感じるのは気のせいだろうか?そして、山頂から見るご来光はさらに全能感を与えてくれる。

真っ白な雲が山頂の周りをふわふわと流れていく。

ああ、今なら雲にも乗れる…

なんて、乗れはしないのだけれども。

最近、#10年を振り返る というタイムラインで僕のTwitterが埋まっている。ちょっとした武勇伝のようなことから、暗黒歴史まで様々流れてくる。けらけら笑いながらTwitterを追っていたのだが、僕も便乗して投稿した。

王道の内容からやや避けて「この10年ではまった本」で投稿したのだが、まったく受けなかったので投稿を消したいけれど、意地でここにもはっておく。(この記事を読んだ人はお情けのいいねをくれると泣いて喜びます)

#10年を振り返る の中で目に止まったのは、織田信長のbotのTweet。人生の最後に色んなこと起こりすぎ…。 たしかに、この戦国時代ってそりゃ色んなこと起こるわ…

なんだかんだやっぱり自分自身のことが好きで、誰かに話してみたくて、どこかで少し波乱万丈な人生を望んでいる。ドラマのような人生を。

でも、中々日常の波に飲まれてしまって、毎日を小さく生きてしまう。そんな僕らに大切なことは、立ち止まってちゃんと自分の人生を考えられるくらいの余裕を持つことなのかもしれない。

9月下旬にフェスを主催した。これがてんやわんやしていて、師走を随分と前にしてひいひい言いながら過ごしていたので、自分をチューニングするために石川の加賀にきた。

「旅は日常をリセットする」なんて誰かが言っていたけれども、美味しいごはんを食べて、自然があって、絶景があればだいたい人は幸せだ。そんな場所にいれば、自然と前向きになれて、いい思考がめぐるようになって、また明日からも頑張ろうと思える。そんなものだ。

さて、この記事は僕が旅した加賀について触れていきながらも、「幸せな人生ってなんだろう?」ということをつらつら書いていく。途中で脱線することもあるけれども、その時はこの筆者はどうしようもないやつだな、なんてことを思いながら読んで貰えると嬉しい。

ドラマ好きのみなさん。加賀百万石の世界へようこそ。

ライター:恩田倫孝

1987年生まれ/新潟出身/慶応大卒業後、商社入社。社会人開始と同時に、シェアハウスを始める。2013年8月に世界一周へと出発。アメリカの砂漠での奇才フェス「バーニングマン」を旅のスタートに、900kmにも及ぶスペイン巡礼、ブラジルサルバドールで5週間太鼓の練習をして、カーニバルへ参加。アフリカ大陸では、大陸をバスを使って縦断するオーバーランドツアーに参加。全10回の連載を「ordinary」にて執筆。

Twitter:@michinorionda
ブログ:michinorionda

 

加賀百万石の世界を知る

「加賀百万石」という言葉は、たぶん中学校の歴史の授業でやんわりと聞いたことがある…という人が多いのではないだろうか。他に加賀と言えば、自動販売機で売っている赤と黒の加賀ほうじ茶が頭に浮かぶし、加賀梅酒を時々居酒屋で見るくらいなものだ。

そもそも百万石の意味も、土地の広さ?それってどんだけ大きいんだっけ?くらいな理解だった。

ちなみに石高は、土地の収益高であり、江戸当時の日本全体石高は2,300万石ほど。その内の100万石ってすごい。幕府を除いたら1位なんだそう。

先日、旅好きなメンバーが集まる社内で、

・自然がある
・美味しいご飯ある
・文化がある
・そして、最高な酒

がある所ってどこかな?

なんて会話をしていた。日本はすごいことに大体どの場所でも、この要素を満たしてしまう…。すごいぜ日本…なんて感じながらまだ未踏のエリアを探した。

それが「加賀」だった。加賀の栄華をめぐる旅なんて最高じゃないか…

最近強めに自然を求める僕は、加賀の中でも南部のエリアをオススメされた。そしてわくわくしながら、加賀へと向かった。

こちらのエリア
***

北陸の魚は美味しい。そして、ごはん屋さんのいたる所で蟹をオススメされた。蟹。蟹。蟹。

「蟹と日本酒」

酒好きでこの組み合わせを否定する人がどこにいようか?

酒を飲みながらも、「石川ってそんなに蟹が有名だっけ?」と思い調べてみると、消費量は鳥取についで2位のようだ。知らなかった…

滞在3日で何度も蟹を堪能した。


そして、那谷寺を訪れ庭園を楽しむ。

「和文化の華咲くこまつ」と言われるだけあって、どこもきれいだ。ただ、あいにくの雨だったので、写真が白っぽいのだけれども、心地いい空間だった。


そして、明治から大正にかけて世界から評価された九谷焼きを楽しむ。正直、焼き物はそんなに詳しくないけれども、こうやって若い世代の人でも興味が持てるようなモダンな設計になっているからとっつきやすい。

九谷焼創作工房のセラボクタニ

様々な九谷焼きが見れる九谷焼資料館
そして、2日間の雨のあとに向かった先は、生雲とよばれる円行山頂にある宿坊だった。晴れていると、日本三霊山の1つ霊峰白山が見えるとのことだ。(他は富士山と立山)


山の中の道はせまい。那谷寺から30分ほど車で登っていった先に宿坊があった。

1つだけ、ぽつんと。

美味しく夜ご飯を頂いたあとは、22時には消灯だったので、早めに床の中に入る。日の出を期待し、虫の音に包まれながら夢の中へすとんと落ちた。

朝。5時。

まだ外は薄暗い。

布団からむくりと起き上がり、宿坊を出る。歩くと床のきしむ音が静寂をうつ。

半分寝ぼけている僕の目の前に広がっていたのは、雲海だった。朝の山頂は冷たく、虫が静かに鳴いていた。

たぶん、外国から来た人は一言こう言うだろう。

「Amazing」

僕は雲海が流れていく様子をずっと眺めていた。

そして、しばらくしてご来光を迎えた。

加賀とウェルビーイング


「この宿坊はなにもありませんが、ゆったりとした時間をお楽しみください」

生雲の山頂は本当に素晴らしかった。

早くに起きて、宿坊の周りを散歩する。そして、部屋に戻って読書をする。そして、また雲海を眺める。

冒険家が冒険の魅力として語る「圧倒的自然との対峙感」を垣間みたような気がする。そして、世界に存在しているのが今自分だけだという心地いい孤独感。

この刹那的な絶頂な気分を味わいながら、頭を少し働かせ「幸せ」について考える。久しぶりに感じる自分の時間を楽しみながらゆっくりと目を閉じた。

最近こんな記事を読んだ。

生活をサボるな。とインド人に叱られて二年経ってから分かったこと|はし かよこ|note

自然と経済のめぐりに感謝し「誰のために何を生産して、どんな消費をして、誰に支えてもらっているのか」ちゃんと自覚しておきたい。

「ご飯を作る、服を洗う、住まいを綺麗に保つ。すべて君が君の責任においてやることだよ。一つ一つマインドフルであること。それが大事なことなんだ。」

忙しい日々を送っていると、すぐにこの「生活」をおろそかにしてしまう。そして、すぐに自分の中の優先順位を忘れる。これは大切。これはいらないと整理することが必要なのだ。

そうじゃないと大切なことに時間をさくことさえも忘れてしまって、日々が過ぎていく。そして、いつの間にか忘れたことにも気づかずにどこかわからない場所へとふらふら歩いていってしまう。

旅をしている間は自分の時間を大切に、自分らしい生活を取り戻すことができる。そして、なによりこうして考えることができること自体に幸せを感じる。

さて、もう少し続けていく。

幸せについて学習院大学の斎藤先生は3つの視点から考えている。

・身近な幸せ
・持続的な幸せ
・永続的な幸せ

ずっと続く幸せを探して – JOIN THE DOTS

最近はSDGsもそうだけれども、「持続可能」という長期的な軸で語られることが多い。幸福も、持続可能な「ウェルビーイング」へと移行しているように。

ちなみに、ウェルビーイングはこんな定義らしい。

個人の権利が保証されて、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること。(国連解釈)

持続的幸福感のある穏やかな心の状態。(心理学)

 

さて、このウェルビーイング/持続的な幸せの状態になるための手段としてこんなことが書いてある。

【自分の特徴的強み×最適な挑戦課題】

この組み合わせの発見が必要であると。

ふむ、最適な挑戦課題ってなんだろう…?

これは自分の幸せの対象を考えることになると思う。たぶん、幸せは個人だけで達成することはできなくて、他者が必要になる。なので、「他者のためにできることをどれだけ自分で納得できながらやるのか?」ということに落ち着くのではないだろうか。

最適な挑戦課題が見つからない人は、幸せについて考える時間がもっと必要かもしれない。つまり、幸せにしたい他者を理解することが必要で、旅はその1つの解決手段となりえる。

 

日本で生まれた人は、日本人である宿命を負う。神道についても、仏教についてもあまり習っていないミレニアル世代は、日本に対するアイデンティティは上の世代よりもやや希薄かもしれない。

ただ、こんなにも素敵な文化があり、自然があり、美味しいご飯がある日本。もっと日本のことを知りたいと思えたし、日本を通じて自分らしく生きていきたいと思えた加賀の滞在だった。僕にとってはこうやって旅をして、記事にして伝えることがいい挑戦課題で、ウェルビーイングにつながっているらしい。

国内を旅しながら理解を深め、この素晴らしい場所をもっといい所にしようと感じる時期はいつだって遅くはないだろう。

自分の人生を決めるのは、言うまでもなく自分の判断であり、自分の行動である。

自分の幸せは自分でつくる。

そして、10年後にまた自分の”波乱万丈な”人生を振り返るのが良さそうだ。

この雲海を眺めながら。

TABIPPO社員
恩田 倫孝 TABIPPO / コミュニティマネジャー

日々酒で踊り続ける、砂漠と氷河を愛する吟遊詩人。旅を通じて「楽しさ」を考えて、多くの人の『楽しさの自給率』を上げることを目論む。食いつくキーワードは、ウェルビーイング、コミュニティ、教育。訪問国数は50。地元は新潟。慶応大学理工学部出身。趣味はホットサンドメーカーでサーモンを焼くこと。

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