ライター
三浦 えり フォトグラファー

雑誌、webメディアを中心にフォトグラファーとして東京で活動中。ポートレートと季節を掛け合わせた写真を個人の作品として制作したり、社会課題、特に女性の生き方について写真で向き合うことに挑戦しています。趣味は美術館めぐりと将棋鑑賞。 ▼Eri Miura Portfolio site https://erimiura.com/

フォトグラファーの三浦えりです。高松、瀬戸内海のアートが集まる島々を訪れたのが私にとっての初めての香川でした。

香川の自然や芸術に触れ、たくさんの刺激とインスピレーションをもらって、忘れられない旅になったと同時に、「ほかにももっとたくさん香川の魅力を知りたい」と思うようにもなりました。

そんななか、2021年の秋頃からTABIPPOメンバーが続々と香川・琴平を訪れ、新しいことにチャレンジしている人たちと出会い、彼らを通してものづくりを体験している姿をSNSなどの発信で見ていました。

江戸時代からの歴史ある町・琴平で「いま何が起こっているんだろう?」と興味は湧くばかり。

どうやら「好きがコトひらく町」と掲げ、好きを追い求めている個性豊かな人たちが琴平に集まっているんだそう。

「香川の新しい魅力を知ることができるのでは?」と思い、TABIPPO主催の琴平2泊3日のモニターツアーに参加してきました。「好き」を追い求めて入る人たちとの出会いやその体験から、観るだけではないとても色濃い旅となりました!

香川県・琴平町は香川県の西に位置し、人口8000人ほどの小さい町です。江戸時代から「こんぴらさん」の愛称で親しまれている金刀比羅宮があり、観光の町として栄えた琴平。

しかし、全国的に観光業を苦しませている新型コロナウイルスの影響で、こちらのエリアについても観光客が減少しているそう。そこで、新しい琴平の魅力をさらに発信していこう!と掲げたのが「好きがコトひらく町」というキャッチコピーでした。

「好き」を追い求めて琴平で活動している人たちが、旅人たちに「好き」を広げ、町が盛り上がっていく。そんな人と人との輪が広がっていく瞬間をこの旅では目にすることができそうです。

【1日目】「好き」を通して生まれるコミュニケーション

今回のモニターツアーは関東、東京の他にも大阪や愛媛などさまざまな出身地のメンバーが集まりました。

バスタ新宿から琴平を結ぶ夜行バス「コトバス」で琴平に向かいます。約12時間の長旅ですが、旅費を節約したい、移動を楽に済ませたい人には便利な移動手段かもしれません。


2泊3日のツアーのハブになるコトバスが運営する観光案内所「Kotori」で今回のツアーメンバーが全員集合しました。

ほぼ全員が初対面。「好きを追い求めている人たちが集まる琴平ってどんな町なんだろう?」とみなさん興味津々。

住んでいる場所が違うのはもちろん、みなさん面白い活動をして、目標に向かって頑張っている人たちばかり。個性豊かな人たちと一緒に過ごす3日間は自分の知らない旅の楽しみ方や価値観を知れそうな予感です。


今回のモニターツアーのために「KONPIRA MAP」をつくっていただきました。

観光用のマップには珍しく、お店の人たちのお顔がドンっと描かれています。琴平のみなさんの似顔絵を見ながら、どんな出会いがあるんだろうとワクワクしてきました。

■詳細情報
・名称:KOTOHIRA TRIP BASE -Kotori-
・住所:香川県仲多度郡琴平町725
・地図:
・アクセス:JR琴平駅から徒歩8分
・電話番号:0877-75-2657
・公式サイトURL:https://kotori.kotobus.com/jpn/index.html

「スパイスマニア」から教わるオリジナルガラムマサラ作り


「Kotori」でモニターツアーのオリエンテーションが終わった後はみんなでガラムマサラ作りを体験。

こんぴらさん入口近くにあるカフェ「栞や」で働く吉田智也さんにスパイスの特徴や相性などを教えてもらいながらスパイスを作っていきます。



スパイスを作っている間も同じテーブルで「どんな食べ物が好き?」「こういう香りが好き!」など、スパイス作りを通してみんなの「好き」を共有しながら人柄を知っていくのが新鮮で面白い時間でした。

自ら「スパイス狂」と名乗る智也さんにアドバイスをもらい、私たちのグループはいままでお店では食べたことのないようなウッディーで深みのあるスパイスが完成しました。




ランチでいただく「栞や」のカレーにオリジナルのスパイスをかけていただきます。他のグループのスパイスとも食べ比べもしましたが、どれも同じものは一つもなく個性豊か。

ちょっとしたさじ加減でも味が変わるスパイス作りに奥深さを感じたのと、その魅力に取り憑かれた智也さんのスパイス愛を感じた時間でした。

■詳細情報
・名称:栞と本とカレーのお店 栞や
・住所:香川県仲多度郡琴平町1063-2
・地図:
・アクセス:JR琴平駅から徒歩15分
・営業日:不定休
・営業時間:11:00 〜 17:00
・電話番号:070-2358-7907
・公式サイトURL:https://shioriya.net/

香川県の伝統工芸「丸亀うちわ作り」を体験


スパイスカレーを食べて体が温まってきたところで、琴平の町に足を運びます。

向かった先は「染匠 吉野屋」。香川県の伝統工芸の「讃岐のり染」という手法で、四国こんぴら歌舞伎大芝居の幟(のぼり)をはじめ、暖簾や半纏などを制作している創業100年以上を誇る染物屋さんです。

こちらで「讃岐のり染トートバック作り」と「丸亀うちわ作り」のグループにわかれてワークショップを体験しました。


「染匠 吉野屋」の4代目 大野篤彦さん。「温故知新」をモットーに、讃岐のり染や讃岐正藍染を活かした、新しいものづくりにチャレンジしていらっしゃるそう。

この後に会う琴平の人たちに話を聞くと、みなさんが大野さんの名前を挙げていて、琴平の町に愛される中心人物的な存在なようです。


私は「丸亀うちわ作り」に挑戦しました。江戸時代初期から続く「丸亀うちわ」はこんぴら参りのお土産としても歴史がある伝統工芸品です。

1本の竹から作られるうちわの形はとても趣があります。夏になったら浴衣と一緒に持ち歩きたいなぁと思い、私は吉野屋さんで染められた讃岐正藍染の生地を選んでうちわに貼りました。



旅のメンバーはそれぞれ自分の「好き」なうちわの柄を選び個性豊かなうちわが並びます。

まだ出会って数時間しか経っていないのに、体験を通してみんなの「好き」を知ることで笑いの絶えない会話が広がり、気心の知れた仲間のような雰囲気になってきました。「好き」パワーおそるべし。

■詳細情報
・名称:染匠 吉野屋
・住所:香川県仲多度郡琴平町旭町286
・地図:
・アクセス:JR琴平駅から徒歩3分
・営業日:水曜日
・営業時間:9:00 〜 17:00
・電話番号:0877-75-2628
・公式サイトURL:http://kotohirayoshinoya.jp/


今回の宿泊先はJR琴平駅から徒歩3分ほどのゲストハウス「ZouZu」です。

1階のフリースペースは広々として居心地がよく、フリータイムにはソファに座ってギターを弾いたり、カラオケを楽しんだり、朝は早起き組がヨガをしたりと、それぞれがマイペースにゆるやかに過ごしました。

■詳細情報
・名称:つながるカフェ&ゲストハウス ZouZu
・住所:香川県仲多度郡琴平町榎井791-20
・地図:
・アクセス:JR琴平駅から徒歩3分
・営業時間:チェックイン16:00 (最終チェックイン:22:30)、チェックアウト10:00
・電話番号:080-3928-1069
・公式サイトURL:https://www.facebook.com/%E3%81%A4%E3%81%AA%E3%81%8C%E3%82%8B%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%B2%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9ZouZu%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%B2%E3%82%89-1878822352148567/

【2日目】琴平で「好き」を広げる個性豊かな人たちとの出会い


香川を訪れたら、マストで食べなければいけないグルメ「うどん」!今回は中野うどん学校に入学し、自分たちでうどん作りの体験をしました。


はじめてのうどんづくりで緊張感もありつつ、うどん粉をこねていると…急にノリノリな音楽が教室に流れ始め、タンバリンを渡されます。

最初は戸惑いつつも、先生もノリノリで応援してくれるので、私たちもそれに合わせて踊りながらうどん粉をこねたり足踏みします。


このノリノリな豹柄の先生、「訪れたうどんやさんでうどんの切り方を見比べたりするくらいうどんオタクなの。あとは豹柄が大好き!」と豪語。

YouTubeの発信もされるくらいうどんとおしゃべりが大好きで、うどん学校の先生になられたんだそう。



そして、無事にうどんが完成!全員が中野うどん学校を卒業することができました。

なんと卒業証書にはうどんを伸ばすための麺棒も付いてきました。これで卒業生としてお家でもうどんを作ることができます。


うどん作りの後は自分たちで作ったうどんを実食。麺の太さはご愛嬌でしたが、いつも食べているうどんと弾力の違いにみんながびっくり。あっという間にたいらげてしまいました。

■詳細情報
・名称:中野うどん学校
・住所:香川県仲多度郡琴平町796
・地図:
・アクセス:JR琴平駅から徒歩10分
・営業時間:8:30~18:00
・電話番号:0877-75-0001
・公式サイトURL:https://www.nakanoya.net/
ライター
三浦 えり フォトグラファー

雑誌、webメディアを中心にフォトグラファーとして東京で活動中。ポートレートと季節を掛け合わせた写真を個人の作品として制作したり、社会課題、特に女性の生き方について写真で向き合うことに挑戦しています。趣味は美術館めぐりと将棋鑑賞。 ▼Eri Miura Portfolio site https://erimiura.com/

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