ライター
西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

カナダ留学は、ウクライナ留学を見据えてだったの?

井上:そうです。しかも私のホームステイ先に、偶然、ウクライナ人の留学生がやってきました。その方にロシア語を教えてもらって、一緒にYouTubeを見たりしましたね。

前田:学校では英語を、ステイ先ではロシア語を勉強してたんだ!それはすごい。それにしても、どうしてウクライナを選んだの?

井上:大学でロシア語の授業を履修していたんです。最初の授業は他にもたくさん受講者がいたのに、キリル文字にビビったのか、2週目以降は私しかいなくなっちゃって(笑)。「君が辞めたら授業がなくなっちゃうから頼むね」という、先生からの無言のプレッシャーをひしひしと感じつつ、1年間マンツーマンで勉強しました。とてもいい先生で、私の興味関心に合わせて宇宙にからめた例文などを使いつつ、手厚くレクチャーしてくれました。

留学先としてはロシアも考えたんですが、ロシアの交換留学は期間が半年しかなかった。ウクライナは1年間留学できるということで、ウクライナを選んだんです。

 

勉強漬けだったウクライナ留学


写真提供/井上さん

前田:2回も留学するなんて、すごい大学生活だね。忙しかったでしょ。

井上:ウクライナに留学した当時、学部生だったんですけど、ウクライナの大学院に留学することになったんです。授業は英語とウクライナ語。ロースクールですから、内容はかなり進んでいます。勉強以外記憶がないくらい、ずっと勉強していましたね。

前田:トロント留学の大変さを1とすると、ウクライナ留学はどれくらい?

井上:70くらい!眠る時間さえ全然取れなかったんです。

ウクライナでは、大学の授業は14時までしかありません。14時以降は自習時間。授業時間+自習時間がセットになっていて、みっちり自習しないと授業についていけないように設計されています。

夜の12時くらいに「明日はこの資料を取り上げるので、目を通しておいてください」と先生から連絡があったことも。ウクライナ人であれば1時間もあれば十分かもしれませんが、ネイティブでない私はきつかったですね……。

前田:それはきついね。どうやって克服したの?

井上:頑張るしかないですね。14時まで大学の授業を受けた後は、ロシア語とウクライナ語の授業を受けに行っていました。他の留学生と一緒に法律の専門用語を勉強したりも。


写真提供/井上さん

前田:こはるちゃん、なんだか、厳しいほう、厳しいほうへと進んでるね……!そんなウクライナ留学では、何が一番印象に残ってる?

井上:授業ですね。国際法や宇宙法について、とことん議論ができてうれしかったんです。

学部ではなくロースクールなので、出席している人はみんな法律を仕事にする!と決意している方達です。EU職員の方の出張授業があったとき、みんな手を挙げて、「自分たちにできることはなんですか?」と質問するんです。そんな人たちの姿を見て、自分も何かやりたいと考えさせられました。

 

宇宙ビジネスを書けるライターになりたい

前田:今後の展望を聞かせてもらえますか?

井上:今はコンサルティング会社でアナリストとして働いていて、しばらくは今の会社で経験を積みたいと思っています。

学生時代に出会った、さまざまな形で宇宙を舞台に働く大人に共通していた、論理的にものごとを捉えられる力をまずは身につけることが大切だと思ったからです。ですから、考える力をつけ、きちんとした自分の意見を持てるよう、まずは今の仕事を頑張るつもりです。

その後は、宇宙ビジネスの盛り上がりを自分の言葉で伝えられるライターを目指したいです。宇宙のことについて書ける人はたくさんいますが、宇宙ビジネスに精通している人はまだまだ多くないので。

前田:こはるちゃんの今後がますます楽しみです。ありがとうございました!

photo:前田塁
text:西嶋結

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西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

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