編集部

広告代理店の企画、出版社の書籍編集を経て2016年に企画・編集・ライターとして独立。ワタリドリ製作所の屋号で、書籍の執筆・編集、複数の企業のメディア運用に関わる。 東京都観光まちづくりアドバイザーとして、国や県庁のインバウンド事業の仕事をしていたときにTABIPPOに出会い、2023年春からジョイン。 大学生の頃から、世界各地を一人旅しては、陸路での国境越えをすることに情熱を捧げていた。現在は自然豊かな多摩エリアで、エネルギーの塊みたいな小学生男児2人の育児に奮闘中。街歩きとおいしい物と温泉が好き。 著書:『世界の絶景1000』(英和出版社)共著、『石の辞典』(雷鳥社)

世界最大級といわれている阿蘇カルデラは、四季折々の美しい景色が見られる絶景スポット。日本の草原の72%がなんと阿蘇にあるといわれています。1000年以上続く壮大な草原の景色を存分に楽しむためのプランをご紹介します。

天界にいる気分を味わえる大観峰から眺める雲海


▲早朝7時頃の大観峰からの雲海

阿蘇に来たらぜひ訪れていただきたいのが大観峰。カルデラの縁にあたる阿蘇北外輪山の最高峰である標高約900mの高台に位置するため、360度の大パノラマで阿蘇を一望できる絶景スポットになります。

九重連山や阿蘇五岳を目の前に、阿蘇全体を覆いつくさんばかりの幻想的な雲海は圧巻です。ここから阿蘇五岳を眺めると、お釈迦様の寝姿に見えることから「涅槃像」とも呼ばれているそう。


▲朝日が上がってくる時間帯も刻々と雲の色が変化して幻想的でした

雲海が現れるのは、晴れていて風のない、空気中の湿度が高い日。当日の朝、気温が一気に下がることで放射冷却現象が起こり、日の出から朝9時ぐらいまでの間だけ見ることができる景色だといいます。気温差が激しい秋は60%ぐらいの確率で見れるというから狙い目。

こうした美しい草原は、人の手が加わらないと維持できない景観とのこと。なぜならば、野焼きをしないと草原はススキが伸びて枯れ葉が溜まり、新しい芽が生えにくくなるからです。そのまま放っておくと、シイやカシの木が生えて、やがて森林への変わっていってしまいます。

自動車や機械が普及する牛が田畑を耕していた60年ほど前の時代は、飼料として草原が利用されていました。草原全体の70%を占める機械が入れないほどの急な斜面の放牧地には、あか牛が草を食んだ牛道ができています。牛が草を食べることで4畳半の草原が守られるといいます。

草原を守るための活動「野焼き」について学ぶ


▲野焼きは完全防備で行います

こうした阿蘇の草原を守るために、安全対策や草原についての研修を受けたボランティアの方々と一緒に「野焼き」を行っています。野焼きと聞くと環境破壊にならないの? と心配になるかもしれませんが、表面の草のみを短時間で焼くので土の中の種子までは焼かれず、春には新しい草花が次々と芽吹くそう。


▲阿蘇草原保全活動センターのブース内には、阿蘇の自然や野焼きに関するさまざまな展示があります

あか牛の焼き立てジューシーなハンバーガーで腹ごしらえ


▲乗馬クラブ「夢☆大地グリーンバレー」内にあるカフェ「Littles」

お待ちかねの乗馬の前はおいしいランチをいただきます。乗馬クラブの敷地内にある2023年3月にオープンしたばかりのカフェ「Littles」。ここでは乗馬体験の申込受付も行っています。

▲アンティーク家具や馬モチーフの作家もののアート作品が並びます

「天に昇った馬たちがペガサスになって大切な人に想いを届ける」というコンセプトで作られたカフェは、センスのいいアンティーク家具が並び、とても居心地のいい空間です。気に入ったものは購入することもできます。


▲ランチメニューは全部で4品


▲「阿蘇LITTLESハンバーガーサンド」1,500円(税込)

悩んだ末にあか牛のハンバーガーサンドをオーダーしました。サクッと香ばしいバンズには、肉汁がじわっと溢れる肉厚なあか牛のハンバーグと阿蘇産のキャベツやトマトがたっぷり。ピクルスには地元で採れた蕨を使っているという地産地消にこだわった大満足の一品です。

夕日に染まる九重連山を一望しながら大草原で癒しの乗馬体験

ゆったりとランチを楽しんだ後は、いよいよ乗馬体験。20年ぶりの乗馬体験だったのですが、発進や停止の合図の仕方をビデオで事前に学べるので初心者でも安心です。


▲馬の背中から阿蘇の景色を一望できます
photo by 夢☆大地グリーンバレー

私の乗った馬はちょっとお腹がすいていたのか、道中で草木をもぐもぐ食べながらも進むとてもマイペースなタイプの子(笑)。みんなに置いて行かれちゃう~なんて慌てつつも、背筋をピンと伸ばして足のかかとと手綱で合図をしながら隊列を崩さないように草原を進みます。

日常の目線より高い位置から眺める見渡す限りの草原は、言葉を失うほどの美しさ。身も心も開放的になり、心にスッと風が通るような感覚です。この原風景をずっと後世に残してほしいと思いました。


▲全員が一列になって草原をゆっくりと散歩
photo by 夢☆大地グリーンバレー

夕暮れ時で刻々と空の色が変わります。まるでモンゴルの草原を旅しているような気分。訪れた10月半ばはススキに覆われた草原が黄金色に輝いていて幻想的な眺めでした。


▲途中で鹿にも出会えました
photo by 夢☆大地グリーンバレー

運がいいと秋は鹿、猪、日本アナグマ、狐、野うさぎなどを見ることができるそうです。少し急な斜面を上ったり、平らな場所は駆け足で進んだりと、平地では味わえない乗馬体験ができるのも魅力です。


▲夕暮れ時も絵になる光景
photo by 夢☆大地グリーンバレー

満天の星空の下、大草原の中でバーベキュー


▲夢☆大地グリーンバレーのど真ん中でバーベキュー

夕食は阿蘇の食材を使ったバーベキューです。


▲真っ暗な草原の中に現れた大自然の中のレストラン


▲炭火で豪快に焼き上げた「あか牛のステーキ」

目玉はなんといってもあか牛のステーキ。炭火で豪快に焼き上げてくれるので、表面は香ばしくて中はしっとりジューシー。凸凹した山の斜面を自由に動き回って育った牛なので、脂がしつこくなくて筋肉がしっかりしているといいます。塩だけでいただいても十分なほどで、ブランド牛にも劣らない上質な味わいでした。


▲味がギュッと濃い地場野菜の焼き物をたっぷりいただきました


▲塩茹でしただけだという落花生が信じられないぐらいおいしかったです


▲ほくほくの里芋も塩だけでシンプルに。ビールのアテにぴったり


▲トマトとモッツラレラチーズのサラダ。あか牛のチーズが濃厚!


▲阿蘇の地ビールもいただきました。至福の時間


▲木村豆腐店の厚揚げと阿蘇の原木栽培のしいたけ

厚揚げの豆腐は、阿蘇山で採れた大豆と阿蘇の湧水を使って作っているといいます。何もつけなくてもいいほど、大豆の味がしっかり。くせのないホクホクで香り豊かな肉厚のしいたけもたっぷり味わいました。


▲ライトを消して星空観賞

たっぷり料理を楽しんだ後は、すべてのライトを消して真っ暗な中でふかふかの寝袋にくるまって星空観賞。都内では見たことがないほどの満天の星空と美しい虫の音……。ここで一晩過ごしてもいいかもと思うほど、ロマンチックな時間でした。

2024年の春に向けて、阿蘇を存分に楽しむツアーを準備中だといいます。阿蘇の草原で存分に癒される旅をしてみませんか。

■詳細情報
・名称:夢☆大地グリーンバレー
・住所:熊本県阿蘇市湯浦1674−18
・地図:
・電話番号:090-1773-3366
・担当:梅木
・公式サイトURL:https://www.gv-aso.com/horse-riding

Photos by Chiharu Yahagi

編集部

広告代理店の企画、出版社の書籍編集を経て2016年に企画・編集・ライターとして独立。ワタリドリ製作所の屋号で、書籍の執筆・編集、複数の企業のメディア運用に関わる。 東京都観光まちづくりアドバイザーとして、国や県庁のインバウンド事業の仕事をしていたときにTABIPPOに出会い、2023年春からジョイン。 大学生の頃から、世界各地を一人旅しては、陸路での国境越えをすることに情熱を捧げていた。現在は自然豊かな多摩エリアで、エネルギーの塊みたいな小学生男児2人の育児に奮闘中。街歩きとおいしい物と温泉が好き。 著書:『世界の絶景1000』(英和出版社)共著、『石の辞典』(雷鳥社)

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