ライター
SHIHO トラベルライター

旅と猫をこよなく愛し、訪問国は70ヶ国以上。猫が多い町では観光せずに猫を追いかけ回しがち。未承認国家や小国、奇祭や廃墟などマニアックな場所を好むため、写真映えする女子旅にやや憧れを抱いている。

南アフリカ国の内陸に位置する小国「レソト王国」は、国全体の標高が高く「天空の国」「アフリカのスイス」などと称されます。あまり聞き慣れない国ですが、標高の高いこの国ならではの緑あふれる美しい自然は、この地に訪れる充分な理由になります。

今回はそんなレソトの雄大な自然が作りだす、正にここでしか見られない異国感満載の少し変わった絶景が見られる「タバ・ボシウ」をご紹介します。

「タバ・ボシウ」とは

photo by SHIHO

タバ・ボシウは、レソト王国の首都マセルから東へ約20kmの場所に位置する、小高い丘です。

レソトの初代国王であるモショエショエ1世は、ここに要塞を構え、約40年にわたって他民族の侵略を防いだと言われています。重要な歴史遺産であり、レソト国民にとっては聖地としても崇められています。

タバ・ボシウとはレソトの言語・ソト語で「夜の山」という意味。昼は小さな丘にすぎないのに、夜になると大きな山になるという伝説が今も残り、敵からの侵入を防ぐ天然の要塞にもなっていたそうです。

歴史的価値のある場所というだけでなく、山頂からの絶景が観光客を集める理由の一つとなっています。

 

ローカル感が楽しめる首都マセルのバスターミナル

photo by SHIHO

タバ・ボシウまではマセルのバスターミナルからミニバスで約1時間。バスは定員が集まり次第出発するため、人が集まらなければ2時間程度待つこともあります。時間には余裕を持って向かいましょう。

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バスターミナル周辺にはソーセージの出店や、レソトの民族衣装ともなっているブランケットのお店も沢山あるので、待ち時間の間に散策するのもいいですね。

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羊などの家畜につける鈴も沢山売られています。

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ブランケットを羽織ったソト族の男性も沢山見られました。

 

絶景を見ながらタバ・ボシウをトレッキング

ビジターセンター photo by SHIHO

バスを降り少し歩くと右手にビジターセンターがあるので、そちらで入山料を支払いましょう。

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ビジターセンターには藁で編まれたレソトの伝統的な円錐形の帽子「バソト・ハット(モコロトロ)」も売られています。

ちなみに「レソト」とはこの地に多く住む「ソト族の住む土地」という意味、ソト族全体を表す場合は「バソト」と言います。

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キーホルダーに出来そうな5cmほどの小さいバソト・ハットは、お土産にもいいかもしれませんね。

 

テーブルマウンテンに囲まれた美しい景色

photo by SHIHO

ビジターセンターの向かいにある茶褐色の小高い丘が、タバ・ボシウ。登り始めは少し未舗装の砂利道が続きます。

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少し登ったところにトレッキングルートを示した案内板もありますが、一本道なので、道に迷うことはありません。

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途中からは少し急な登り坂になりますが、手すりのついたきれいな舗装路になっているので、山登りに慣れていない方でも安心して歩けるでしょう。

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10分程度登ると、テーブルマウンテンに囲まれた集落を見渡せる、大自然のパノラマが広がります。

photo by SHIHO

来た道を振り返っても、遠くに見える山々。国全土の標高が高いレソトならではの絶景です。

 

歴史感じる王族の住居跡と墓地

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30分ほどで山頂に到着。山頂は平地になっていて、モショエショエ1世と王族の住居跡が残されています。

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こちらはモショエショエ1世が住んでいた家。四角い石を重ねて造られただけの簡素な住居跡は、実際中に入ると王族の住居にしては狭いことに驚かされます。

当時は炊事場などが外にあったため、住居というより部屋といったニュアンスの方が近いのかもしれません。

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ところどころにアロエから伸びたような、ひょろりと長い不思議な木が沢山にょきにょきと生えているのも、何だか面白い光景ですよね。

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住居跡から更に進むと、王族の墓地があります。石を長方形に積み上げただけのお墓がずらりと並んでいます。

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その先にあるのがモショエショエ1世のお墓。彼のものだけ立派な墓石が建てられ、柵が設けられていました。

レソトの初代国王・モショエショエ1世は、1822年、当時勢力が強かったサン族を追い出し、ソト族が住む土地としてレソト王国を建国。モショエショエ1世は紙幣のデザインにも描かれたり、レソトの国際空港の名前にもなっています。

遺跡などがあるのはここまでなのですが、この先にある場所こそ、今回一番紹介したい絶景なので、うっかりここでUターンしないようにして下さいね。

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SHIHO トラベルライター

旅と猫をこよなく愛し、訪問国は70ヶ国以上。猫が多い町では観光せずに猫を追いかけ回しがち。未承認国家や小国、奇祭や廃墟などマニアックな場所を好むため、写真映えする女子旅にやや憧れを抱いている。

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