筆者注目のイチオシ作品
アデルフィ劇場内
バック・トゥ・ザ・フューチャー
舞台は1985年のアメリカ。高校生のマーティ・マクフライが科学者ドクと出会い、タイムマシン「デロリアン」で1955年にタイムスリップするところから物語が始まります。
マーティが若き日の両親の出会いを妨げてしまったことで、自分の存在が消えてしまう危機に直面します。両親の恋を無事に成功させ、未来に戻れるのか。コミカルな演出を交えながら、ハラハラドキドキの展開が待ち受けています。
筆者自身、原作となる映画を観たことがなく事前知識もなかったため、正直あまり期待していませんでした。しかし観劇後は、まるでテーマパークのアトラクションを体験したかのような満足感。映画を知らない人でも十分に楽しめる、驚きの演出が随所に散りばめられています。
特に印象的だったのは、豪華な舞台セットの数々。現代技術を駆使した舞台装飾、ステージと映像の融合、舞台上で行われる実験演出、劇場全体を用いた照明効果など、長年愛され続けている理由が納得できる作品でした。
観劇後は、周囲の観客からも「すごかった」「度肝を抜かれた」といった感想が聞こえ、誰もがその迫力に圧倒されていました。
演出全体を楽しみたい方には、より全体を見渡せる2階席がおすすめ。とくにラストシーンで、あっと驚く演出がありますよ!
・名称:Adelphi Theatre(アデルフィ劇場)
・住所:409-412 Strand, London WC2R 0NS
・地図:
・アクセス:チャリング・クロス駅から徒歩3分
・所要時間:2時間40分(20分休憩含む)
・公式サイトURL:Back to the Future The Musical | West End, London
SIX
ウエストエンド発のミュージカル『SIX(シックス)』は、2019年に初演を迎えて以来、その人気の高さから2025年4月には映画化も果たした注目作。
6回もの結婚をした、16世紀のイングランド王ヘンリー8世。その波瀾万丈な女性関係を元にしたフィクションで、元妻となる6人が現代に甦り、ガールズバンドを結成して自らの人生を歌い上げます。イギリスの史実をポップにアレンジした物語で、ロンドンを訪れる際に観たい作品のひとつです。
公演時間が80分と観やすく、舞台の大半はキャストによるパワフルでキャッチーな楽曲。ミュージカルというよりコンサートのような臨場感で、女性の強さや儚さを表現した演出や歌詞に、心打たれること間違いなし。観劇後は自然とエネルギーをもらえる舞台です。
『SIX』が上演されているヴォードヴィル・シアターは、前述の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が上演されているアデルフィ劇場のすぐ真横にあります。
2025年11月には、日本キャストが逆輸入する形で当劇場でロンドン公演を行うなど、今後も期待が高い作品となっています。
・名称:Vaudeville Theatre(ヴォードヴィル・シアター)
・住所:404 Strand, London WC2R 0NH
・地図:
・アクセス:チャリング・クロス駅より徒歩4分
・所要時間:1時間20分(休憩なし)
・公式サイトURL:Six The Musical | Official Site
旅の思い出に、ロンドンの舞台を楽しもう
最後に、観劇の際に知っておきたいポイントをご紹介します。
ロンドンの劇場の多くは、大きな荷物や外部の飲食物の持ち込みは禁止されており、入場時には荷物検査があります。一方で、劇場内のバーカウンターで購入したスナックやドリンクは、客席にも持ち込み可能な場合が多いです。幕間の休憩時には、季節問わずアイスクリームが販売されるのもロンドンの劇場ならではの光景。
また作品の関連グッズも入場後のロビーで販売していることが多く、ここでしか手に入らない限定アイテムもあるため、お土産探しにも最適です。
多くの劇場はロンドン中心地に集まっているため、観光とあわせて気軽に立ち寄れるのも魅力のひとつ。ロンドンを訪れる際は、ぜひミュージカルや舞台を旅のスケジュールに組み込んでみてください。忘れられない体験になるはずです!
All photos by Mari Ito