編集部

広告代理店の企画、出版社の書籍編集を経て2016年に企画・編集・ライターとして独立。ワタリドリ製作所の屋号で、書籍の執筆・編集、複数の企業のメディア運用に関わる。 東京都観光まちづくりアドバイザーとして、国や県庁のインバウンド事業の仕事をしていたときにTABIPPOに出会い、2023年春からジョイン。 大学生の頃から、世界各地を一人旅しては、陸路で国境越えをすることに情熱を捧げていた。街歩きとおいしい物と温泉が好き。 著書:『世界の絶景1000』(英和出版社)共著、『石の辞典』(雷鳥社)

数多くのリゾートホテルが建ち並び、ショッピングやグルメの町として人気のマカオ。東京からだと片道5時間半ほどと、国内旅行をするぐらいの気軽さで訪れることができます。

TABIPPOでも、マカオのフォトジェニックなスポットや、五感を刺激する芸術品のような料理を通してマカオの魅力をお伝えしました。

今回は、ガイドブックにはあまり載っていないディープなスポットを巡ります。
宿泊先の「グランド・リスボア・パレス・マカオ」から無料のシャトルバスで「グランド・リスボア・マカオ」という別のホテルに移動。そこから歩いて10分ほどで行ける東望洋新街(トンウォンヨンシンガイ)と聖ラザロ地区を紹介します。

東望洋新街ってどんな場所?


▲レトロな外観の民家が並ぶ。家々の窓枠が個性的
photo by photo AC

東望洋新街(Rua Nova à Guia)は、マカオ半島北東部に位置する丘のふもとの小さな通りです。昔ながらのマカオの暮らしが垣間見えるローカルなエリアで、ポルトガル文化の影響を受けたパステルカラーのレトロな家や、地元民が利用する庶民的な店が建ち並びます。

東望洋新街ではあえて計画を立てずに、ふらっと歩くのがおすすめです。石畳の道をのんびり歩きながら、気になる看板や路地裏を自由気ままに進んでみてください。異国を探検する気分を存分に味わうことができます。

おすすめのコース①:東望洋灯台&ギア教会へのショートトレッキング


▲高台に佇む東望洋灯台とギア教会 photo by photo AC

マカオ半島で最も標高が高い緑豊かな東望洋山には、マカオ最古の「東望洋灯台」や「ギア教会」があります。観光客が少ない地元民が使うような階段を使えば、人混みを避けながら登ることができ、よりローカルな雰囲気を満喫できます。東望洋山からの眺望はマカオ半島を一望できるほど。朝や夕方など、空気の澄んだ時間帯に行くのがおすすめです。

おすすめのコース②:レトロな町並みに潜むフォトスポットを巡る


▲古い町並みと蓮の花がモチーフの近未来的な外観のホテルとのコントラストが映える 
photo by 澳門指南

東望洋新街を散策していると小道の間から臨むことができるのが、煌びやかな外観の「グランド・リスボア・マカオ」。夜になると美しくライトアップされて、ひときわ存在感を放ちます。

ナショナル・グラフィックの表紙にもなった、下町風情の建物の隙間から近未来的なホテルが顔を出す新旧の対照的な景観は圧巻です。路地裏から撮影する旅行者がたくさんいました。

おすすめのコース③:小さな食堂やカフェでローカルフードを食べ歩き


▲エッグタルトはマカオで絶対食べておきたいスイーツ 
photo by photo AC

地元の人が集まるローカルな食堂や、路地裏にひっそりと佇む地元の若者が営むカフェが点在しています。ポルトガルと中国の融合料理であるマカニーズ料理を提供するレストランなどもあり、派手さはないもののどこも味は本格派なので、町中を散策がてらぜひ食べ歩きをしてみてください。

建築&アート好きにはたまらない聖ラザロ地区


▲美しい壁面に心華やぐ。町全体がまるでアート空間のよう 
photo by Grand Lisboa Palace Resort Macau

東望洋新街から歩いて数分の場所にあるのが、中世の町並みを残す聖ラザロ地区。ここ一帯はカトリック教徒が暮らすエリアで、ハンセン病患者用の病院に付属する礼拝堂として16世紀末に建てられた、マカオ最古の聖ラザロ教会があります。教会内部は木製の天井やアーチ型の窓など、温もりを感じるデザイン。

道ごとに動物の模様が描かれた美しい石畳が続き、東洋と西洋が融合したポルトガル風の洋館が建ち並びます。周辺には鮮やかなミントグリーンの外観と幻想的なステンドグラスが目をひく「聖ミカエル教会」や、マリア像や天使の彫刻が並ぶ墓地などがあって異国情緒たっぷり。

周辺にはアートグループが集まり、アートギャラリーや地元アーティストのショップなどが点在するクリエイティブで文化的なエリアとしても注目されています。

地元アーティストのアート作品が飾られたモダンチャイニーズな内装のホテルに宿泊


▲館内には地元アーティストの作品が飾られている 
photo by Grand Lisboa Palace Resort Macau

町歩きを存分に楽しんだ後は宿泊先の「グランド・リスボア・パレス・マカオ」へ。フォーブス・トラベルガイドで5つ星を獲得したホテルだけあって、館内には高級スパ、ショッピングモールが軒を連ねます。

中国文化をヨーロッパの様式で表現するシノワズリからインスピレーションを得たという、東洋と西洋が融合されたエキゾチックな内装のホテルは、非日常を存分に味わえる上質な空間。


▲客室内にも地元アーティストの作品が飾られ、部屋ごとに異なる雰囲気
photo by Grand Lisboa Palace Resort Macau

ユニークなデザインの客室には、マカオの伝統的な模様やモチーフを取り入れた家具が配され、絵になる佇まいです。


▲ホテル内にある不思議の国のアリスをモチーフにした期間限定の庭園
photo by Grand Lisboa Palace Resort Macau

デラックスルームの部屋の窓からは、コロアネ島とタイパ島をつなぐコタイもしく庭園を見渡すことができます。

▲トランプのオブジェやハートモチーフの木があって、アリスに出てくるハートの女王の庭園のよう
photo by Grand Lisboa Palace Resort Macau

ホテルの顔ともいえるヨーロピアンスタイルの屋外ガーデン「ジャルディン セクレート」は、1,000㎡ 以上の広さを誇り、バロック様式で華やかにデザインされた迷路のような生垣のグラスメイズ、エレガントなパビリオンやコロネードが見どころ。

2025年6月までの期間限定で、香港バレエ団とのコラボレーションで実現したというレジデントショーシリーズ「ジ・アドベンチャーズ・オブ アリス@グランド・リスボア・パレス・リゾート・マカオ」が開催中。ホテル内のイーストエントランス、ノースエントランス、パフォーマンスゾーンで指定された日にのみ上演されているので、予定が合えばぜひ訪れてみてください。

上演にあわせて、庭園がルイス・キャロルの物語の世界から飛び出したようなデザインに様変わりしています。


▲ヨーロピアンガーデンが広がる屋外プール
photo by Grand Lisboa Palace Resort Macau

ホテル内には24時間利用できるジムが併設。室内と屋内にプールがあり、8時~20時まで泳ぐことができます。


▲マカオ風・バロック調デザインの屋内プール
photo by Grand Lisboa Palace Resort Macau

非日常的な空間が魅力の美しいレストラン

リゾート内では、ポルトガル料理・中国料理・西洋料理といった流行の最先端をいく料理が楽しめるレストラン、受賞歴のあるシェフが率いるレストランなど、美食の地マカオをホテル内で体感することができます。

おすすめのレストラン①:GLPロビーラウンジ


▲庭園をテーマにした店内にはクリスタルツリーが煌めく
photo by GLP Lobby Lounge

GLPロビーラウンジ」は、庭園をテーマにしたエレガントな雰囲気のレストランです。マカオ料理の他、アジア料理、西洋料理のアラカルトメニューが豊富。


▲「アリスズ スウィート ディライツ」2025年6月30日まで提供中
photo by GLP Lobby Lounge

おすすめは、「不思議の国のアリス」をテーマにしたアフタヌーンティー。時計のデザインが施されたドリンクや、エディブルフラワーがあしらわれた鮮やかなカクテル、真っ赤なキノコが乗ったケーキなど、思わず写真におさめたくなる可愛らしい料理ばかりです。

おすすめのレストラン②:メーザ バイ ジョゼ・アビリス


▲天井にはLEDアニメーションによるカササギの優雅な飛行を表現。東洋と西洋の融合を演出
photo by Mesa by José Avillez

メーザ バイ ジョゼ・アビリス」は、コンテンポラリーなポルトガル料理を味わえるマカオ屈指の人気店。ブラック、ホワイト、ゴールドを基調とする内装は、伝説的なデザイナーであるカール・ラガーフェルドによるもの。中国の図像と巧みに組み合わせてシックにまとめられおり、幸福を象徴するカササギがモチーフになっています。

リスボンにある自身のレストランでミシュラン2つ星を獲得したシェフによる、ポルトガル料理の伝統と最新の調理技術を融合した革新的なメニューは一度食べたら忘れられない味です。


▲オレンジソースをかけていただく子豚を使った代表的な料理「Crispy Suckling Pig with Pork Trotters Coriander and Orange Cream」
photo by Mesa by José Avillez


▲子豚の形をしたキュートなデザート「One of the Three Little Pigs」
photo by Mesa by José Avillez

おすすめのレストラン③:The 8(ザ・エイト)


▲真っ赤な空間が幻想的 
photo by The 8

リゾートから無料シャトルバスで行く「グランド・リスボア・マカオ」内にあるのが、伝統的な広東料理が味わえる「The 8(ザ・エイト)」。中国で縁起物とされている数字の8と健康と活力の象徴である金魚をモチーフにした真っ赤なインテリアが印象的です。最高級の食材を使った料理の数々はどれも絶品。


▲ランチメニューは40種類を超える点心から選べる
photo by The 8

金魚の形の蒸した点心の中には、蟹やフカヒレが入っています。他にもアワビやロブスター、マツタケ、黒トリュフなどの高級食材を使った点心もあり、見た目の可愛らしさも含めてどれを食べようか迷ってしまうほど。
他にも焼いたり揚げたり炒めたりした点心もあるので、ぜひ食べ比べしてみてください。

マカオの路地裏を散策する冒険の旅をしてみよう


▲スマホを持って町中のお気に入りの景色を切り取ろう!
photo by shutterstock

伝統と革新がほどよいバランスで同居するマカオの文化は、町並みや料理を通して体感することができます。
マカオの喧騒からは少し離れた場所にありながら、マカオらしさを色濃く残す東望洋新街や聖ラザロ地区は、町歩きが好きな人にとってはじっくり散策したくなるローカルスポット。表通りの華やかさとは異なる、マカオでのリアルな暮らしに触れることができるので、個人旅行ならではの自由な時間をぜひ味わってみてくださいね。

編集部

広告代理店の企画、出版社の書籍編集を経て2016年に企画・編集・ライターとして独立。ワタリドリ製作所の屋号で、書籍の執筆・編集、複数の企業のメディア運用に関わる。 東京都観光まちづくりアドバイザーとして、国や県庁のインバウンド事業の仕事をしていたときにTABIPPOに出会い、2023年春からジョイン。 大学生の頃から、世界各地を一人旅しては、陸路で国境越えをすることに情熱を捧げていた。街歩きとおいしい物と温泉が好き。 著書:『世界の絶景1000』(英和出版社)共著、『石の辞典』(雷鳥社)

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