マレーシア
編集部
伊藤 美咲 ライター・編集者

1996年東京生まれ。ステキな人やモノを広めるフリーライターです。美容師アシスタント、大手メーカーのカスタマーサポートを経てライターになりました。フリーランスとして活動を始めてからは、東京を拠点に活動しつつ、国内や海外を飛び回るように。普段は多国籍なシェアハウスで暮らしています。旅行と美容と邦ロックが大好き。

日本から飛行機で片道約7時間、日本の約90%の国土面積をもつマレーシアは、これまで特集で紹介してきた国家の多様性・イスラム建築の美しさ・ワーケーションの可能性のほか、知られざる大自然の魅力にもあふれています。

マレーシアといえば、クアラルンプールの都会のイメージを持っている人も多いはず。けれど、じつはマレーシアの国土は60%がジャングル・大自然なんです。

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Photo By マレーシア政府観光局

マレーシアのネイチャーエリアの旅は、大自然に触れるだけでなく、先住民族の文化や暮らしを体感するツアーや、絶滅危惧種のオランウータンやウミガメ保護活動のボランティア参加、はたまたジャングルに設営された野外ステージで開催される、世界の民族音楽の祭典「レインフォレスト・ワールド・ミュージック・フェスティバル」や各地で開催されるジャズフェスティバルへの参加など、学びと発見に満ちています。

この記事では、そんなマレーシアのネイチャーエリアの魅力をたっぷりとご紹介します!

マレーシア最大面積を誇る「サラワク州」の多様な魅力

Photo By Sarawak Tourism Board

マレーシア最大の州・サラワク州は、なんと日本の国土の約3分の1の面積を誇ります。州都の「クチン」は、かつて東南アジア初の白人王(ホワイト・ラジャ)が誕生した町。

このクチンが興味深い街なんです。クチンとは、マレー語で「猫」のこと。

名前の由来は諸説ありますが、かつてサラワク川沿いに「マタ・クチン=猫の目」(別名ロンガン)という果物の木が自生していたため、と言われています。

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Photo By Sarawak Tourism Board

現在のクチンでは、街のシンボルとして猫がすっかり定着。市庁舎内には世界中から集められた数千点の猫グッズが展示された「猫博物館」があったり、猫の銅像に猫祭り、猫の仮装パレードで盛り上がる日も。

もちろん、クチンの街中では、たくさんの猫がのんびりと暮らしています。ネイチャー観光の拠点となる街が、猫に多く出会える街なんて、素敵ですよね。

世界遺産の「グヌン・ムル国立公園」を歩き、感じる


Photo By Shutterstock

サワラク州の「グヌン・ムル国立公園」は、ボルネオ最後の秘境とも呼ばれる、標高2377mのムル山を囲む、日本の屋久島ほどの大きさの国立公園です。

また、マレーシア初のユネスコ世界自然遺産に登録された場所でもあります。グヌン・ムル国立公園では、それぞれ特徴の異なる4つの洞窟を巡りましょう。

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たとえば、「クリアウォーター・ケイブ」は、洞窟の中を歩くと、ものすごい水流音で圧倒され、まるで映画の舞台のよう。現在判明している水脈の長さは220キロメートル超ですが、その全貌は今も解明されていないのだとか。

また、世界最大級の規模を誇る「ディア・ケイブ」は、ジャンボジェット機が40機も格納可能なほど広大なエリアにあります。

洞窟までの道のりでは、木道を歩きながら植物や昆虫を観察したり、ロングボートで川をさかのぼったりと、道中もたっぷりと自然の魅力を堪能することが可能。


Photo By Shutterstock
「一度訪れたら、またすぐに行きたくなる熱帯雨林」と呼ぶ人もいるほどの国立公園、一度は歩いてみたいものですよね。

マレーシア先住民の暮らしに触れるツアーに参加する

マレーシアの多民族国家を形成する重要なポイントとして、マレーシアの自然とともに今も暮らす、多くの先住民族が挙げられます。

とくに、サラワク州では先住民族が人口の過半数を占めており(!)、さまざまな先住民族の村を実際に訪問し、生活の様子や文化を知ることができます。

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Photo By Sarawak Tourism Board
かつては最強の首刈り族として恐れられた、イバン族の名前を聞いたことはあるでしょうか?

イバン族では、その昔、敵対する村の人間を討ち、その頭部を持ち帰ることが勇者の証とみなされていました。

とくに、結婚前の男性は「ブラジャイ」と呼ばれる旅に出て、首を持ち帰ることで一人前になり、花嫁を迎えることができたそう。現在ではその風習はすでになくなっていますが、イバン族のロングハウスを訪れると、当時の頭蓋骨が今も吊るされていることでしょう。


Photo By マレーシア政府観光局

また、サラワク州の総人口の約8.7%を占めるビダユ族は、約100家族がロングハウスに共同で暮らし、そばを流れる川で洗濯や水浴びする昔ながらの伝統的な生活を送っています。

どの先住民族に会うとしても、公共の交通機関での移動は難しく、また彼らの暮らしに敬意を示し、訪問の際のルールを理解・守るためにも、ガイド同行のツアーに参加することをオススメします。

・先住民族と触れ合うロングハウスのツアー例はこちら

野外ステージで催される、民族音楽の祭典を体験する

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Photo By マレーシア政府観光局

ジャングルに設営された野外ステージで3日間に渡って開催される、世界の民族音楽の祭典「レインフォレスト・ワールド・ミュージック・フェスティバル」も、サワラク州を舞台とする特筆すべきイベントです。

クチンから車で1時間ほどのジャングルの中に佇む「サラワク文化村」に、世界中の民族音楽家が集結し、毎回大きな盛り上がりを見せます。

2019年開催時は、日本からはアイヌ音楽奏者のOKIさんが参加するなど、日本の民族音楽家も参加しています。

日中は、パーカッションや地元のダンスなど、あらゆるワークショップが開催され、日没後はジャングルの夜に民族音楽が響き渡る幻想的な空間が広がります。

2022年は、6月17日~19日に開催予定です。

・「25th RAINFOREST WORLD MUSIC FESTIVAL」の詳細はこちら(英語サイト)

絶滅危惧種のオランウータンに出会う

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Photo By Sarawak Tourism Board

マレー語で「森の人」を表すオランウータン(Orang=人、Hutan=森)。

サラワク州クチンから車で30分ほどのところにある「セメンゴ野生動物センター」では、森で迷子になってしまったり、違法でペットとして飼われていたりしたオランウータンたちを保護し、半野生状態で生活させ、将来的には森に帰すことを目標とする活動が続けられています。

1日2回(朝9時~10時/午後3時~4時)の餌の時間には、森から餌場へオランウータン達が集まってくる姿を、プラットフォームから観察できます。

とはいえ、あくまでも半野生で過ごしているため、餌場にやってこないこともあれば、餌場以外のトレッキングコース付近にひょっこり顔を出すこともあるので、どんな姿が見られるかは運次第!

2021年現在は、世界情勢もあり、一時的に中止していますが、オランウータン保護施設でのボランティア活動への参加が可能なプランもあるので、時期によってはぜひ訪問を検討してみてください。

・セメンゴ野生動物センターの詳細はこちら

大自然に包まれるヒーリングスポット、ランカウイ

Photo By マレーシア政府観光局

マレー半島西海岸のアンダマン海に浮かび、99の島から成り立つランカウイ。

5億5千万年前に形成された貴重な地層が今も残る、ユネスコ認定の世界ジオパークでは、豊かな生態系が育まれ、マングローブ林や優雅に舞うワシ、数々の伝説が今も息づきます。

2020年に上映された映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』など、ロケ地としても数々採用されるほど風光明媚で、淡路島の3分の2ほどの大きさの島に、世界的に名の知れたラグジュアリーリゾートから、カジュアルなリゾートまで多様なステイ先が集まっています。

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Photo By The Datai Langkawi

また、多数のリゾートで、リゾート内のウォーキングツアーや、ネイチャーアクティビティーが開催されており、リゾート専属のネイチャーガイドの質が高いことでも有名。

リゾートステイを楽しみつつ、運がよければ「ダスキーリーフモンキー」や「コツメカワウソ」「ナンヨウショウビン」などの珍しい動物たちに出会えるチャンスも。

日本人ガイドに案内してもらいつつランカウイ島の自然を大満喫できる、カヤックツアーも人気のアクティビティで、ステイ方法がパーソナライズできる魅惑的な島のひとつです。

・日本人ガイドと行く、ランカウイ島のディープな自然探検ツアーの詳細はこちら

クアラルンプール近郊で垣間見る、先住民族の暮らしも

マレー半島・クアラルンプール近郊でも、先住民族の暮らしに触れることもできるので、そちらも合わせてご案内させてください。

場所は、クアラルンプールから車で1時間ほどの場所・ケリーアイランド。そこでは、先住民族であるマーメリ族の生活を見ることができます。

マーメリ族は、木彫りのお面をかぶっており、彼らが土や木、海などの自然をモチーフとして彫る彫刻は、マレーシアが世界に誇る文化です。ボルネオ島まで足を伸ばす日程の余裕がない、という方は、マレー半島で暮らすマーメリ族訪問のプランもよさそうです。

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Photo By マレーシア政府観光局
・マーメリ族の詳細はこちら

まだまだ日本人が知らない、マレーシアの学びと発見に満ちたネイチャー・カルチャーにアクセスしよう


Photo By Shutterstock

広大な敷地に広がる世界自然遺産の国立公園や、野生動物が暮らすジャングル、その周辺で今も暮らし続ける先住民たちとの触れ合いや、森深くで行われる民族音楽の祭典など、話を聞いているだけでワクワクするような大自然や文化がたくさんあるマレーシア。

せっかくマレーシアに行くなら、国土の半分以上を占めるジャングルに端を発す魅力も堪能しないともったいない!

マレーシアの大自然に触れ、新たな学びや刺激を探してみる旅はいかがでしょう?

追記:ランカウイ島への入国が可能になりました

2021年11月15日より、観光目的でのランカウイ島訪問が開始されています。

対象者は、ワクチン接種済であること(18歳以下の場合は親または保護者がワクチン接種済みであること)。ランカウイ島での滞在は、最低3日間(到着後7日間はランカウイ以外へは移動不可)、旅行代理店を通じての手配が必須など、渡航前に確認すべき点がいくつかあるため、旅行計画時はぜひ詳細の確認を!

<特集>多様な価値観がある時代、多様な旅をマレーシアで叶えよう

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伊藤 美咲 ライター・編集者

1996年東京生まれ。ステキな人やモノを広めるフリーライターです。美容師アシスタント、大手メーカーのカスタマーサポートを経てライターになりました。フリーランスとして活動を始めてからは、東京を拠点に活動しつつ、国内や海外を飛び回るように。普段は多国籍なシェアハウスで暮らしています。旅行と美容と邦ロックが大好き。

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