日本最北端の有人島、礼文島にある「桃岩荘」ってご存知ですか?
「礼文島に面白い宿があるよ」旅仲間から情報を手に入れた私は、どんな宿なのか気になり、礼文島に向かうことにしました。そこで私が見たものとは。
数々の宿に泊まってきましたが、「桃岩荘」を超えるほどの宿は今までありませんでした。
旅人に聞いた面白い宿
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小笠原諸島のユースホステルでヘルパーをしていた時に、お客さんがよく話題にしていた宿泊施設がありました。その宿は礼文島にあり、小笠原のユースホステルの常連客にはとても有名な宿でした。
※ヘルパーとは、給料が出ない代わりに、宿とご飯を3食提供してくれるボランティアヘルパーのことです。
よく話題に出てくるので詳細を聞いてみると、「礼文島の桃岩荘ユースホステル」という宿の話をしていました。桃岩荘独自のミーティングがあったり、踊りがあったり、船で出航する際にお見送りをしてくれたりと、普通の宿とは少し変わった宿だという情報を手に入れました。
面白そうだなと思った私は、友達と一緒に桃岩荘に行く計画を立てました。
日本最北端の有人島に行ってみた
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まず礼文島に行くために北海道を北上し、稚内へと向かいました。新千歳空港から車を走らせ、約10時間ほどで稚内の港へ着きました。北海道広すぎます。
そして稚内から礼文島へのフェリーに乗り込みます。ちなみに稚内から利尻島、ロシア行きのフェリーも出ています。
稚内から礼文島までは約2時間ほどで到着。礼文島は稚内の西方60kmの日本海上に位置する島で、200種類以上の花が咲いていることから、「花の浮島」とも呼ばれています。
中島みゆきの「銀の龍の背に乗って」のPVや、映画「北のカナリアたち」の舞台にもなっている場所です。
歓迎モード全開
photo by RORO
港に着いてすぐに、桃岩荘と書いてある旗を見付けました。
「おかえりなさい」来たばかりの私たちに、まるで地元に帰ってきたかのように、優しい笑顔で温かく迎えてくれたのが印象的でした。
桃岩荘名物の「ブルーサンダー号エース」に乗り込み宿に向かいます。「発車オーライ」と言わないと、いつまで経っても出発してくれません。
ハイテンションのヘルパーさんに苦笑いしながら、宿へと出発しました。
途中、トンネルを通過する時に「知性・教養・羞恥心」この3つを捨てなければいけません。これは桃岩荘ルールの一つ。
歌って踊るミーティング
海が目の前にある宿に到着します。玄関を開けると、賑やかな演奏が始まり「おかえりなさい」と元気よく出迎えてくれます。一瞬驚きますが、ここは笑顔で「ただいま」と言ってあげましょう。
宿の中は、真ん中に囲炉裏があり、田舎の家に遊びに来たような懐かしい雰囲気が漂っています。
そして夜になると桃岩荘名物のミーティングが始まります。ミーティングだから、宿の説明をしたり観光名所を案内してくれるのかと思いきや、その予想は大幅に違っていました。
ヘルパーさんたちが女装をしたり、コスプレをしたり、演劇をしたりと、ミーティングとはとても思えない内容でした。毎日演劇の内容が変わり、お客さんもコスプレさせられる、参加型のミーティングです。
途中からお客さんも一緒に歌ったり、踊ったり、一つ一つがとても賑やかです。ちゃんと礼文島の観光案内もしてくれます。最後に、五つの赤い風船の「遠い世界に」をみんなで熱唱し、ミーティングは終了です。
初めは勢いがすごくて圧倒されていましたが、ヘルパーが真剣に歌っている姿に感動したのを覚えています。こんな賑やかなミーティングを体験したのは初めてでした。