ライター
西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

――女性におすすめするなら?

女性には、グラストンベリーみたいにキャンプが必須のフェスよりも、まずは都市型のフェスをおすすめしています。街中で開催されていて、日帰りでも気軽に参加できるフェスですね。

ロラパルーザ in アメリカ・シカゴ

 

都市型のフェスは一種の社交場になっていて、地元のおしゃれさんたちがやってくるんです。だからフェスに行けば、その街で流行っている音楽はもちろん、ファッションのトレンドもわかるはず。

 
――海外フェスに行ったことがある「フェス玄人」におすすめはありますか?

ハンガリーのシゲトフェス。これは書籍を制作中、急遽盛り込むことに決めたくらい去年参加して気に入ったフェスです。場所はブダペスト。ドナウ川に浮かぶ小さな島を1週間貸し切って行われます。泊まってもいいし、都心の宿に帰ってもいい。


Sziget Festival
photo by rockstarphotographers

 
毎日夕方に30分ほど、テーマが決められたパーティーが開催されます。フラッグパーティーやバルーンパーティー、みんなで歌ったり写真を撮ったりするイベントですね。

あとおもしろいのが、隠しステージがあること。本当かどうかは確認できなかったんですが、現地でできた友達に聞いたのは、「トイレのドアを開けると隠しステージがある」っていうやつ。僕はひたすらトイレを開けていたけど、全部本物のトイレだったな。不思議の国のアリスみたいでおもしろい仕掛けだなと。

しかも、ハンガリーは温泉が有名!フェスの期間中は、トラム乗り放題、フェス行きのバス乗り放題、さらにスパにも行ける「シティ・パス」というチケットが販売されます。スパでは「スパーティー」っていうイケイケな感じの夜のパーティーが開催されていて、温泉につかりながらビールを飲んで、ダンスミュージックを楽しめます。

本当なら温泉は夜には閉まるけど、フェス期間中はオープンしてるんです。3時くらいまで爆音が鳴り響いてますよ。普段はお昼におばあちゃんがまったりしてるような温泉なのに、夜になるとフェス会場から元気な若者が集結してきます。

 
――海外フェスならではの注意点はありますか?

チケットは前もって、オフィシャルサイトから買っておくこと。転売サイトで購入することもできますが、オフィシャルに比べると不安要素もあるし、金額も高くなっている場合はほとんどなので。せっかく海外に行っているんだから、時間を無駄にしないよう、信頼できるところで確実にチケットを買いましょう。

どうしても観たいアーティストがいるなら、時間にかなり余裕を持って行動することも重要。日本のフェスに比べると、シャトルバスの本数が少なかったり、大混雑したりすることもあるので。もしくは、ちょっとくらい見逃してもいいくらいの余裕を持っておくこと。思い通りにいかないことも楽しむことが、海外フェスを楽しく過ごすポイントです。

 
――英語が苦手でも楽しめますか?

 
もちろん話せるに越したことはありませんが、話せなくても心配ありません。でも、個人的にはその国でよく使うフレーズを覚えておくことがマナーだと思うし、その方がいろいろと楽だったりもします。

最低限挨拶だけでもいいし、「これください」「これいいね」「最高!」「どのパフォーマンスが一番良かった?」「どれがおすすめ?」くらい片言でもいいので言えるようにしておけば、あとはアーティスト名という共通言語を使ってコミュニケーションが取れるはず。

 
――盗難やセクハラが不安です。どんなことに気を付ければいいですか?

観光地にいるときに気を付けることとほとんど同じですね。多額の現金を持ち歩かない、置き引きに注意する、深夜に1人で出歩かない、人混みではリュックは前に抱えるなど。羽目を外すのはいいけど、最低限の注意はしておきましょう。

セクハラを防ぐには、ステージ最前列とか、あまりに激しそうな場所は避けるのがいいと思います。複数人で行動するのもいいかもしれません。何かあったら躊躇せず「Help!」と叫んでください。何か困ったらすぐに周りの人に声をかけたり、インフォメーションに訴えるのもいいです。

 
――その国独特のノリについていけなかったら?

無理する必要はないです。フェスは別に誰といようが自由なので、合わない人からは離れればいい。逆に仲良くなりたい場合は、「日本からやって来ていること」を武器にしましょう。わざわざこのフェスのためにその国に来たといえば驚かれることが多いし、好きなアーティストの話をしたりすると一気に距離も縮まるはずです。

あと僕はよく、フェスで仲良くなった人に出身地を聞いて、「パリならあのフェスが有名だよね、行ったことある?」とよく聞きます。「行ったことないんだよね」と言われたら、僕が持っている情報を教えてあげて仲良くなる。みなさんも『僕の本』を持って行けば、きっと話が盛り上げるはず(笑)!

 
――音楽好きが旅するなら、どの街がおすすめですか?

ベタだけど、アメリカだとロサンゼルス。本の中でも紹介したんですが、「Amoeba Music」(アメーバミュージック)っていう、大量のCDやレコードが売られているレコードショップとグラミー博物館は鉄板コースです。

あとやっぱりロンドンもいい。良質なレコード屋さんがたくさんあるので、ショップ巡りを楽しんでほしい。有名なのは街の中心地のソーホーというエリアにある「Phonica Records」(フォニカ・レコード)や「Sister Ray Records」(シスター・レイ・レコード)かな。近くにはOasisのアルバム「Morning Glory」のジャケットをなった場所や、そのジャケットに写っているレコード屋さん、他にもビートルズにまつわるスポットも多くあるので、ぜひ足を運んでみて欲しいですね。


写真提供:津田さん

 

――津田さん、ありがとうございました!海外フェスについてもっと知りたい方は、津田さんの新刊『THE WORLD FESTIVAL GUIDE 海外の音楽フェス完全ガイド』をチェックしてみてください。

 

書籍刊行記念トークイベントのご案内

『THE WORLD FESTIVAL GUIDE 海外の音楽フェス完全ガイド』の刊行を記念して、津田さんと編集担当の伊澤慶一さんのトークイベントが開催されます。当日は、本書の制作秘話や最新のフェス情報などをたっぷりお話しされる予定。ぜひぜひご参加ください!

■イベント概要
・日程:5月23日(木)19:30~21:00(19:15開場)
・場所:代官山蔦屋書店1号館2階イベントスペース
・定員:先着60名
・参加条件:書籍『THE WORLD FESTIVAL GUIDE』+イベント参加券のセット(3,000円/税込)もしくは イベント参加券(2,000円/税込) を購入された方
・申込方法:代官山蔦屋書店の店頭(代官山蔦屋書店3号1階レジカウンター)もしくはオンラインストアからお申し込み可能です。

 

text:西嶋結
photo:長沼茂希

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西嶋 結 ライター・編集者

出版社出身のライター・編集者。本の仕事をしています。これまで訪れた国は70か国ほどで、自分を驚かせてくれる街や国が好みです。有給休暇をフル活用して弾丸旅に繰り出すべく、筋トレに励んでいます。

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