こんにちは♪旅人ライターの石川千夏です。
前回は”和歌山県 那智勝浦のサステイナブルツアー”のレポートでしたが、今回はツアー中に出会った、個性溢れる地域の人々にフォーカスを当てていきましょう。
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那智勝浦町の取り組みとは?
和歌山県・那智勝浦町は、サステイナブルツーリズムの考え方を大切にしており、地域の自然環境を守りつつも地域経済を活性化させる。それによって文化を語り継ぐ地域住民の暮らしも守っていく、そんな持続可能を目指した素敵な町。
それでは、今回のツアーで巡ったさまざまなスポットと出会った方々をご紹介していきます!
ホステル&カフェバー「WhyKumano」
まずは紀伊勝浦駅前にあるホステル&カフェバー「Why Kumano」のオーナー。そして今回のツアーのガイドもつとめて頂いた、”ごろさん”の愛称で親しまれている、後呂孝哉(うしろ たかや)さん。
WhyKumanoオーナーの後呂孝哉さん
和歌山県新宮市生まれのごろさんは、大学、就職で約10年のあいだ関東で過ごしましたが、「地元、熊野の魅力を世界に広めたい」という思いからUターン。現在NHK和歌山の旅人リポーターとして活躍中です。
自身が旅をしていた時のことを振り返り、”思い出すのは観光地よりも人との出会い!人はその旅先の思い出の方が記憶に残る”と感じ、出会いや交流があるゲストハウスを作ったと言います。
またごろさんは他にも、飲食店や宿泊施設を経営しており、ビストロ『Wine Kumano』ではクラフトビールと自然派ワイン、各国の料理を提供しています。
・名称:WhyKumano
・住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町
・アクセス:JR紀伊勝浦駅から徒歩15秒
・営業時間:17:00-22:00
・電話番号:0735-30-0921
・料金:ドミトリー¥3000~
・公式サイトURL:https://www.whykumano.com/
マグロ×ワーケーション!?「マグロビルヂング」
現在3軒目のお宿「マグロビルヂング」を準備中で、ワーケーション向きの部屋や、窓からマグロの競りが見られる、マグロビュールームができる予定なのだとか。
この地域では、町全体を1つの宿と見立て、町中の飲食店がダイニング、温泉が大浴場とし、”町宿”をテーマに街ぐるみで宿泊客をもてなすことで、空き家問題の解決や経済の活性化を目指しているそうです。
続いては町内の色川地区についてご紹介。
那智勝浦町の中心部から山道を25kmほど奥へと登ったところにある、約319人(2023年1月時点)が暮らしている小さな集落です。住民の半数以上が移住者といいます。
色川には、野菜農家さんだけでなく、平飼いの養鶏農家さん、野生のシカやイノシシを捕まえてジビエ肉として加工する猟師さんなどさまざまな生産者さんがいて、自給自足の生活をしている方が多いのだそう。
週末限定オープン「体験レストランAima」
2022年春より週末限定でオープンしている「体験レストランAima」では、食の生産現場に実際に訪れ、自分達の手で収穫や体験をすることができます。
今回は菜の花を収穫しに、農業を営む安田裕志(やすだ ひろし)さんの畑に訪問しました。
安田さんは28歳でこの世界に飛び込み、他の作物同様、菜の花も化学合成農薬や化学肥料に頼らずに、冬から春にかけて育てているそうです。
菜の花農業を営む、安田裕志さん
出荷を終えた後の畑は黄色の花でいっぱいになります。そこでは、近所の子供たちが遊んだり、綺麗な花畑の写真をとっていい?と声をかけられたりして、最後は近所の友人が飼っている牛が食べてくれる……というなんとも無駄のない仕組み。
Aimaのオーナーである原久美子(はら くみこ)さんは、これまで自然や里山とは縁遠い生活を送っていたそうですが、2018年に色川と出会い、自然に寄り添う暮らしに惹かれ移住を決めたと話します。
Aimaオーナーの原久美子さん・旦那さんの原 裕さん
猟師を生業とする原 裕(はら ひろし)さんは、鉄砲は使わずに罠を使って野生動物を捕獲します。実際にジビエの解体・精肉体験ができるのも魅力ですね。
レストランを経営する上で久美子さんが心配していたことは、色川だけで野菜がそろうのか?ということ。
しかし実際はむしろこういう野菜がほしかった……ということが多いようで、色とりどりの採れたて野菜のコールラビや、パクチーのお花、赤玉ねぎ、紅芯大根、あやめ雪かぶ等、耳にしたことのない野菜がたくさん手に入って助かっているのだそう。
近くの農家さんから買っているので、車やバイクでの移動も控えられて、環境に良い暮らしをしているようです。
・名称:体験レストランAima
・住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大野37
・地図:
・料金:1人¥10000(体験+食事)
・公式サイトURL:https://aima2022.wixsite.com/website
まぐろの競りツアーを運営する「一般社団法人 那智勝浦観光機構(NACKT)」
続いてのご紹介は、普段では入ることのできない、まぐろの競りツアーの際にご協力を頂いた「一般社団法人 那智勝浦観光機構(NACKT)」
“観光で稼いで潤う町”を目指して、2020年4月に設立され裏で那智勝浦を支えています。
観光サイトの運営や、行政と連携し町全体をマネジメントしたり、SNSでも那智勝浦の観光スポット、グルメ、お宿、お得情報などを地元からリアルタイムで発信しています。
寺×サウナで”ととのい”を体験できる「大泰寺」
最後は究極の”ととのい体験”をした、開創1200年であり、歴史的に貴重な仏像や樹齢400年の巨木がそびえる「大泰寺」の住職をされている西山 十海(にしやま とうみ)さんをご紹介。
大泰寺の住職をされている西山十海さん
田舎のお寺の未来を創る活動や、檀家の空き家を活用した民泊等による、地域活性化を目指しているそうです。
今年から始めたテントサウナは人気が高く、遠方より人も来てくれているそうで、今後もテントサウナを中心に地域を盛り上げていただけるようです。
・名称:大泰寺
・住所:和歌山県東牟婁郡那智勝浦町大字下和田775
・地図:
・営業時間:9:30-11:30/13:30-15:30
・テントサウナ料金: 2時間1人3000円
・公式インスタグラムURL:https://www.instagram.com/daitaiji_shukubo/?igshid=YmMyMTA2M2Y%3D
那智勝浦限定!「マグロの無人販売所」
生まぐろ水揚げ日本一の那智勝浦町には、ここにしかない「マグロの無人販売所」が設置されています。
地元の方々は、ここでマグロを買いピクニックをする”マグピク”を楽しんだり、足湯に入って語り合ったりしているそうです。
ごろさん手作りのワイクマップは、地元の方々が運営する飲食店等を細かく地図にしてくれています。
人の温もりを感じられる町、那智勝浦
“まぐろといえば那智勝浦”というほど、まぐろで有名な町。
しかし、この旅を通して知ったのは、地域の方々が支え合って生きている”温かさ”がある町だということ。
皆さんも是非、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
All photos by 石川千夏