感じた思いを、路上で歌って旅をした。ナオト・インティライミの旅行記が伝えるメッセージ

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「インティ」が太陽、「ライミ」が祭りを意味するケチュア語を自らの名前にしてしまうほど、旅人としても有名なアーティスト、ナオト・インティライミ。

旅好きの貴方なら一度は読んだこともあるかもしれません。

今回紹介する一冊は、パレスティナでPLO議長、故アラファト氏の前で歌を披露したエピソードでもお馴染み、「世界よ踊れ 歌って蹴って!(幻冬舎、著:ナオト・インティライミ)」です。

 

旅のテーマに表れる、旅人の個性やモノのとらえ方

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photo by photo-ac.com

旅には、その人の個性というか考え方が如実に表れるものです。

本著でも、「SHOOT 1 関西空港〜香港〜タイ」で、著者自身の今回の「旅のテーマ」について触れられています。

木の形をしたそれは、3つの枝(人間的なパワーアップをはかる!、世界の音楽に触れる!、英語をブラッシュアップする!)と2つの根っこ(reality、fantasy)から成り、中央に太い幹(死なない)があるというもので、これは著者、ナオト・インティライミの個性、音楽性、これから繰り広げられる旅を理解するうえでとても分かりやすいと思います。

 

一見すると、こんなに行動的な旅だから「若さ」全開の無鉄砲旅かと思いきや、「死なない」旅を著者が意識していたのは少々以外ではありますが、読み進めていくうちに納得していくことになります。

 

言葉、音楽の力を感じさせるエピソードの数々

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photo by pixabay.com

著者は515日をかけて世界の28カ国をめぐりますが、その土地その土地で、感じた思いを言葉にし、それを歌い、路上ライブなどで音にして旅をします。

その都度、言葉や宗教、文化の違いを乗り越え互いに理解し合っていきます。

旅人でありアーティストでもある著者ならではのエピソードは大変面白く、綴られた言葉(詩)はとても魅力的で共感できるものです。本著が「まるで踊るように」読み進められるのも、言葉や文章のリズムが大きいように思います。

この本一冊まるごとが、著者の散文詩であるかのように、そのVibesをビンビン放っています。

 

本著といえば、ナオト・インティライミといえばこのエピソード

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photo by pixabay.com

さまざまなエピソードが紹介されている本著ですが、なかでもパレスチナでPLO議長の故アラファト氏を前に「上を向いて歩こう」を歌ったエピソードは有名です。

タイのカオサンで買ったフリージャーナリストの偽IDですんなり入れたというのは、少々眉唾ですが、今も解決の糸口さえ見えないイスラエルとパレスチナの紛争の当事者の一人と対面し歌を歌った事実。

 

世界のいろいろな国で見たこと経験したことが、音楽を夢見て世界をめぐる若者にとって「平和」や「愛」を深く考えるきっかけを与えてくれたということは間違いないでしょう。

そうした経験にもとづく言葉、音だからこそ国や言葉、宗教を超えて伝わるのだと思います。

 

著者の旅から十数年後のシリアの現状に想う

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photo by pixabay.com

本著の「SHOOT 4」では、シリアからレバノン、ヨルダンの旅のエピソードが収められています。

「シリアは歌舞伎町の1000倍安全な国」というエピソードから始まる旅の風景は、フレンドリーな人々、キレイな景色が文章から伝わってくる魅力的な土地。

 

それが、十数年後の今はどうでしょう。

中東のエピソードで登場する場所・地名は今、現在進行形でIS(自称イスラム国)の支配を受けたり、破壊されたりしています。著者を泊めてくれたアハメッド家のみんなは?パルミラ遺跡は?……。

かつての紛争の地を訪れるという旅本は多くありますが、かつて訪れた場所が紛争の地になってしまうというのも、とても辛く悲しいことだと思います。

 

言葉、音楽、踊り……第4の共通言語はサッカー!

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photo by pixabay.com

アジア・中東・欧州・南米をめぐった28カ国の珍遊日記というのもあるかもしれませんが、本著には旅先でサッカーボールを蹴る様子が数多く登場します。

それもそのはず、著者は柏レイソルのジュニアユースに所属していたこともある、本気でプロを目指していた筋金入りのサッカー小僧。本著でもエジプトでふとしたことからプロサッカー選手のオファーを受けたりと、その実力は相当なものなのでしょう。

 

サッカーを通じて世界の人々と繋がる。撮影禁止の博物館で日本代表に似てるという理由でこっそり撮影させてもらったり……。

旅先でのサッカーエピソードは、サッカーW杯の話題やその先に続くサッカーの本場ブラジルをピークにさらにヒートアップしていきます。

 

まとめ

何年かぶりに改めて読み直してみた本著ですが、描かれる旅のエピソードはとてもいきいきしていて、「あぁ、自分も行ってみたい」と旅への思いを掻き立てさせる一冊です。

言葉だけでなく歌・音楽、踊り、そしてサッカーを通じた旅をアーティストならではの感性で綴っている点も、本著の大きな魅力の一つといえます。

最後の「SHOOT 13 エクアドル」で著者自身が述べているとおり、

触れる!感じる!
これが、旅なのである!

 

これはどんな旅のスタイルでも共通する魅力、醍醐味なのだと思います。

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iketti0430
1976年、栃木県生まれ。大学卒業後、紙・Web媒体の制作会社にて採用パンフレットやCSRレポートといったコーポレートコミュニケーションツールの編集、ディレクション、プランニングを行う。2012年…

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