ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。トラベルライターとして寄稿した記事は2,000記事以上。 山岳雑誌『山と渓谷』掲載多数、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリ。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

こんにちは!トラベルライターの土庄です。梅雨が明けると、いよいよ夏山シーズンの到来ですね。「今年こそは日本アルプスに挑戦するぞ!」と意気込んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

標高3,000m前後を誇る日本アルプスの登山適期は7月〜10月。短いシーズンの間に、非日常の山岳世界を求めて、多くの登山愛好家が足を運びます。

今回は初めて日本アルプスに挑戦する/挑戦したい方に向けて、必要な準備や知識、そしておすすめ入門コースをご紹介したいと思います。

日本アルプスとは?北と中央がおすすめ


まずはじめに「日本アルプス」が具体的にどの山域を指すのか、ご存じでしょうか。じつは日本アルプスというのは一つの山域ではなく、北・中央・南という3つのアルプスの総称なのです。

シンプルにまとめると、以下のような特徴があります。

・北アルプス:岩稜が醍醐味のルートバリエーションが豊かな山域。初級者〜上級者まで楽しめる。
・中央アルプス:一番こぢんまりとした山域。木曽駒ヶ岳周辺が初心者向きとされる。日帰り可能。
・南アルプス:とにかく距離と標高差があり、緑が深い山域。1泊2日以上を基本とし、やや中級者向け。

ひとえにアルプスと言っても、山の雰囲気やコースの難易度はそれぞれ変わってきます。今回は、日本アルプス入門として、北と中央から4つの山とコースをご紹介していきます。

日本アルプス入門。大事にしたい4つの準備

山やコースについて具体的にご紹介する前に、日本アルプス登山の準備について大切なポイントを4つに分けてご説明しましょう。

ともすると危ないというイメージが先行しやすい日本アルプス登山ですが、準備でそのリスクを最小限に抑えることが可能です。

【計画】易しい山を選び、無理のないスケジュールを組む


最初に大切なのが計画です。具体的には、「どの山にどのコースを使って登るのか」「どのようなタイムスケジュールで行動するか」という2点になります。

まず1つ目は「どの山にどのコースを使って登るのか」。同じ北アルプスの山域であっても、山やコースによって難易度や体力、そして時には必要な装備が大きく変わってきます。自分の身の丈に合った山とコースから徐々にステップアップしていくのが鉄則です。


2つ目の「どのようなタイムスケジュールで行動するか」は、入山から下山までの所要時間や必要な装備を考えるために重要です。無理のないタイムスケジュールになっているかどうか、不測の事態に陥らないよう、地図を確認しながら入念に精査します。

これらを詰めたら、登山計画書(山岳遭難が発生したときに、捜索・救助活動を行うための手掛かりとして活用する書類)を作成し、登山口のポストに投函しましょう。登山GPSアプリを起動し、行動スケジュールがわかるように設定しておくのも有用です。

【体力】近場の山でトレーニングやシュミレーションを行う

登山では、入山してから下山までを自力で歩き切るため、ある程度の体力が求められます。いきなり高い山から始めるのではなく、標高の低い山でトレーニングを積んでおくのがベターです。

歩行距離やコースタイム、標高差など、山の負荷を特徴づける指標はいくつかあります。目標とする山に向けて、歩行距離・コースタイム・標高差を少しずつ上げていく計画を立てるといいでしょう。


例えば、歩行距離15km、コースタイム9時間、標高差1,300mと設定する場合、その約4分の3倍である歩行距離11.5km、コースタイム7時間、標高差1,000mを普通に歩けるようになれば、挑戦が可能です。

体力的な負荷を上げるため、あえて重装備を背負って日帰り登山を行うトレーニングも有効です。いずれにしてもいきなり体力をつけるのは難しいため、最初に易しい日本アルプスの山を選定するのもポイントと言えるでしょう。

【装備】備えあれば憂いなし。信頼できるギアと十分な行動食を


山でのリスクヘッジや快適性を担保する上で大事なのが、装備です。ウェアや靴、バックパックといったギアだけでなく、行動食や水なども含まれます。

ギアについては悪天候への対策も考慮して選ぶ必要があります。また食料は、ギリギリではなく、余裕を持って準備しておくのがいいでしょう。


個人的に必須だと思っているのが、レインウェアと自分に合った登山靴です。夏の日本アルプスでは、急に雨が降ることも多く、足場が悪くなることもしばしば。それに対応できる高品質なギアを買い揃えることをおすすめします。

一般的に日帰りであれば、装備にそれほど困ることはありませんが、1泊2日以上(山の上で1泊する)の登山を想定する場合、装備の内容や積載量を精査する必要が出てきます。

【判断】悪天候の時は無理せず、入山をしない or 撤退を選択


じつは一番大事な準備が”判断”でしょう。具体的には「天気を考慮して、登山を決行するかどうか」「悪天候の場合、途中で撤退を決定できるか」の2点になります。

日本アルプスの入門者向けコースについて、天候がいいときであれば、その多くはそれほど危なくありません。しかし、悪天候になるとコースが一変し、難易度が格段に上がります。


降水確率が40%以上であったり、強風の予報が出ていたりするとき、または濃霧が発生しているときには、登山を諦めるのが最大のリスクヘッジになります。登山愛好家の中でよく使う「山は逃げない」です。また別の機会に来ればいいのです。

また天気がどちらに転ぶかわからない場合、入山した後であっても撤退を意識することが、もしものときの判断ミスを防ぎます。いずれにせよ楽観的に「まぁ行けるだろう」という判断は危険です。

入門者向け日本アルプスの名山とおすすめコース4選

それでは次に、入門者向けの日本アルプスの名山および、そのおすすめコースをご紹介したいと思います。目安としてコースプロフィール(歩行距離、コースタイム、標高差)もお伝えします。

手軽に登れる3,000m峰「乗鞍岳」畳平から剣ヶ峰往復


飛騨の名峰「乗鞍岳(のりくらだけ、標高3,026m)」。標高3,000mを超える高山ですが、実は標高2,700mまでバスでアクセスでき、実質的な標高差は300mほど。往復3時間ほどで登頂可能なため、初心者にうってつけの名山として知られています。

長野県側の乗鞍高原からバスに乗り、終着駅の畳平で降りたら登山スタート!高山植物が咲き誇る遊歩道を通って、ゴツゴツした火山地形が特徴的な、荒涼とした登山道へ入ります。


途中には、乗鞍エコーラインの絶景パノラマや、不消ヶ池など神秘的な池も現れ、地上とは隔絶した乗鞍岳の世界観が!ぐんぐん上がる高度感と変化する景色に感動すること間違いなし。

また乗鞍岳はいくつもの山頂から形成される山。最高峰「剣ヶ峰」以外にも、大黒岳や富士見岳など、さまざまなピークを有しています。体力に合わせて、柔軟に登る山を増やしたり変更したりできるのも乗鞍岳の醍醐味だと言えるでしょう。

■詳細情報
・名称:乗鞍岳
・住所:岐阜県高山市丹生川町岩井谷
・地図:
・アクセス:松本市街から乗鞍高原観光センターまで車で約1時間、畳平山頂までバスで約50分
・歩行距離:往復6km弱
・コースタイム:往復約3時間
・標高差:約400m
・オススメの時期:7月〜10月
・公式サイトURL:http://norikura-bus.com/
ライター
土庄 雄平 山岳自転車旅ライター|フォトグラファー

1993年生まれ、愛知県豊田市出身、同志社大学文学部卒。第二新卒を経験後、メーカー営業職とトラベルライターを両立。現在は、IT企業に勤めながら、自然や暮らしに一歩踏み込む、情報発信に精を出す。トラベルライターとして寄稿した記事は2,000記事以上。 山岳雑誌『山と渓谷』掲載多数、「夏のYAMAPフォトコンテスト2020」入賞、「Yahoo!ニュース ベストエキスパート2024」地域クリエイター部門グランプリ。山での活動をライフワークとし、学生来、日本全国への自転車旅を継続している。

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