ライター

1994年生まれ。国内の旅行WEBメディアでライター・編集者の経験を積んだのち、2021年よりオアハカに在住。アートシーンやフードカルチャーを中心に、メキシコで見つけた〈おもしろいもの、すてきなもの。〉を取り上げています。

こんにちは!オアハカ在住ライターのHISAKOです。

世界的に気候変動や人権問題などへの対策が叫ばれているなかで、自分たちのいままでの暮らしを見直しはじめる人も増えてきたのではないでしょうか?

私が暮らしているメキシコ・オアハカでも、こうした社会問題に対するカウンターアクションとして、過度な消費や工業製品に依存しない暮らし方を実践する人たちがたくさんいます。

一部ではありますが、オアハカに住んでみてだんだんと見えてきたエシカルな暮らしの知恵を皆さんにも共有していきます。

食材から雑貨まで多くが手づくり。しかも作り手から直接買える


日本とオアハカそれぞれの暮らしを体験したなかで、最も違いを感じたのが「目の前にあるモノが誰によって・どのように作られたのか」ということの透明性でした。

日本には便利で快適なモノで溢れている反面、そのモノを作っている人や作っている環境などの背景が非常に見えづらいことが多いもの。振り返ってみると、大量生産された商品を買うことに慣れてしまっていた気がします。


オアハカはしばしば職人の街、伝統産業が色濃く残る街といわれますが、その呼び名のとおり、街中で売られているモノの多くが人の手によって作られています。

自分の家で栽培した野菜や花をメルカドで売る人、地元でとれる土から陶器を作って売る人、トウモロコシの粉をこねるところからトルティーヤづくりをしている人。生産背景を見聞きしてモノを買うという経験は、きっと購入者自身の想像力を育むキッカケにもなるはず。


また、オアハカでは作り手自らがモノを売っている場面にも遭遇します。買い物は投票であるという認識が広まってきているこの世の中で、作り手から直接モノを買うことは、ものづくりの担い手をサポートすることにも繋がるのではないでしょうか。

食材の過剰包装はなし!マイバッグ持参も当たり前


自宅で料理をすることが多い私にとって、食材の過剰包装によって出るゴミは頭を悩ませる問題のひとつでした。


オアハカに来て感動したのは、食の台所であるメルカドへ行くと、野菜やフルーツが何も包装されていない状態で売られているのが普通であること。この販売光景をみるたびに、「そうそう、食材って別に丁寧に包装しすぎなくても大丈夫なんだよなぁ」と再認識します。


もちろん、購入した食材はマイバッグに入れて持ち帰るのが基本。オアハカは、買い物だけで出るゴミを少なくしていく取り組みが実践しやすい環境だとしみじみ感じています。

生活に必要な水はガラフォン利用で、プラスチックゴミを減らす


日本では、水道水を飲めるなんて当たり前。しかしメキシコで水道水は飲めません。飲み水はお店で買うものという共通認識があります。


オアハカをはじめメキシコ国内では、ガラフォンと呼ばれる約20ℓのボトルに詰めた水が売店やスーパーなどで売られています。水を使い終わったあとは、ガラフォンが売っている近所のお店に空きボトルを返却し、新しい水の入ったガラフォンを購入するというサイクル。

ガラフォンの水は通常のペットボトル水より価格が安いだけでなく、水を購入する際に発生するプラスチックのシングルユースをできるだけ減らすことができます。

水が貴重だからこそ、洗濯は手洗いで


先ほど紹介したように、メキシコ、特にオアハカで水は貴重な資源です。

日本では一家に一台、単身者でも一台持つのが当たり前の洗濯機ですが、オアハカでは水をたくさん使うから、また洗濯機自体が高価であるからという理由で、洗濯機を置いていない家がわりと普通にあります。

筆者が現在住んでいる家にも洗濯機はなく、汚れた服がたまったらそのつど手洗いで洗濯しています。洗濯機がない分、ベランダなど部屋の外に洗い場が設置されていることが多く、洗い場内のデコボコ(洗濯板の役割を果たすもの)で服の汚れを落とすのが基本。


一度に使う水もバケツ2〜3杯分で済むので、洗濯機を使うよりも圧倒的に節水できます。これが洗濯機だったら、一度にどれほどの水を使うのか……と想像するキッカケにもなっている気がします。

いままで洗濯機があって当たり前と思っていましたが、手洗いでも十分汚れは落ちますし、大家族でない限りは十数分で洗い終わるので、時間的な負担もそこまでないという印象でした。


また、嬉しいことにオアハカ市内には共同洗濯のお店(ラバンデリア)が充実しており、気軽に洗濯を出せる環境が整っているのも魅力。1キログラムあたり15ペソ(約80円)前後の金額で洗濯から服をたたむところまでを担ってくれるため、節水はもちろん家事の負担軽減にも一役買っています。

観光の足が欲しいときは、コレクティーボでライドシェア!


近年シェアリングエコノミーのひとつとして注目されているライドシェア。ライドシェアといってもそのサービス形態はさまざまですが、ここオアハカでは、行き先が同じ、または近い人たちが数人集まって一台のタクシーをシェアするのが主流です。

地元民の多くはこの「コレクティーボ」と呼ばれる相乗りのタクシーを利用して、郊外または中心地へとでかけます。もちろん公共交通機関は、コレクティーボだけでなくバスもあるのですが、地元に長く住んでいない限りオアハカでのバス乗車はハードルが高いもの。


コレクティーボは近隣の村やオアハカの主要観光地が最終目的地になっていることが多く、行き先がフロントガラスに大きく書かれているため、観光客でも乗車しやすいのがポイントです。

複数人で一台のタクシーをシェアすることは、個人の車の所有や走行車数を減らすメリットにも。メキシコはほとんどの地域で電車が普及していない、車社会の国。車による環境への負荷をどのように減らしていくかが課題となる中、今後オアハカのコレクティーボのような文化が他国に普及する可能性も大いにありそうですね!

テイクアウトはお皿持参でもOK


コロナ禍で一気に需要が増えた、食事のテイクアウト。テイクアウトは便利なだけでなく、注文を通して飲食店をサポートすることができるのも魅力です。

一方、テイクアウトに必要な包装が新たなゴミを生み出していることに、もどかしさを感じる人もいるのではないでしょうか。


筆者が食事をテイクアウトするときに実践しているのが、カフェでマイボトルを持参するのと同じように、お皿やタッパーを持参すること。注文時に「これに料理をつめて!」と一言伝えてお皿を渡すだけで、ほとんどのお店が対応してくれますよ。

オアハカの生活の知恵は、きっと日本でも活かせるはず


できることから少しずつ。この記事で紹介した生活の知恵を、いつか日本でも活かせたら嬉しいです。

All photos by Hisako Tanaka

ライター

1994年生まれ。国内の旅行WEBメディアでライター・編集者の経験を積んだのち、2021年よりオアハカに在住。アートシーンやフードカルチャーを中心に、メキシコで見つけた〈おもしろいもの、すてきなもの。〉を取り上げています。

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