編集部

広告代理店の企画、出版社の書籍編集を経て2016年に企画・編集・ライターとして独立。ワタリドリ製作所の屋号で、書籍の執筆・編集、複数の企業のメディア運用に関わる。 東京都観光まちづくりアドバイザーとして、国や県庁のインバウンド事業の仕事をしていたときにTABIPPOに出会い、2023年春からジョイン。 大学生の頃から、世界各地を一人旅しては、陸路での国境越えをすることに情熱を捧げていた。現在は自然豊かな多摩エリアで、エネルギーの塊みたいな小学生男児2人の育児に奮闘中。街歩きとおいしい物と温泉が好き。 著書:『世界の絶景1000』(英和出版社)共著、『石の辞典』(雷鳥社)

2023年10月11日(水)に、銀座・有楽町エリアにあるレストラン型アンテナショップ「坐来大分」で開催された大分の豊かな食文化を学び体験するイベント「大分サステナブル ガストロノミー」に参加してきました。

そこでいただいた驚きの絶品料理と、循環型の食文化の地として注目されている大分の魅力についてご紹介したいと思います。

大分の魅力の語り部である料理長2名のスペシャルコラボ料理

イベントは、大分県の旬の食材を使った郷土料理がベースの創作和食が味わえる「坐来大分」にて開催されました。

そこの料理長である櫻井政義(さくらいまさよし)さんと、大分県別府市で大分県の食材と温泉を使ったイタリア料理を提供する「Otto e Sette Oita」のシェフ、梯哲哉(かけはしてつや)さんによるコラボメニューが味わえるということで、期待が高まります。

梯哲哉
Otte e Sette Oita(オットエ セッテ オオイタ)シェフ
1972年、福岡県生まれ。30歳で大分県湯布院に移住。イタリアンレストランの料理長やサービスエリアの料理長を経て、大分県の食材に惚れ込み別府で2012年に開業。
県内の様々な食材を温泉を使った料理で提供している。2021食のサステナブルAWARD金賞・審査員特別賞受賞。
■詳細情報
・名称:坐来大分
・住所:東京都千代田区有楽町2丁目-2-3 ヒューリックスクエア東京3階
・地図:
・公式サイト:https://zarai.jp/
■詳細情報
・名称:Otto e Sette Oita
・大分県別府市井田2
・地図:
・公式サイト:https://www.ottoesetteoita.com/

日本一の温泉県ならではの調理法‟地獄蒸し”

photo by 大分県庁より提供
大分県と聞いて誰もが真っ先に思い浮かべるのが、別府や湯布院といった温泉地だと思います。

大分の豊かな食文化について、私自身、すぐに思い浮かぶ郷土料理などがなく、想像もできないままにイベントに参加したのですが、完全に大分の食文化の虜になってしまいました。
photo by 大分県庁より提供
いきなりですが、こちらの写真で、梯シェフが何をやっているかわかるでしょうか?

これは、「Otte e Sette Oita」のレストランの中にある温泉の噴気を使って‟地獄蒸し“をしている光景です。

別府の鉄輪温泉は高温泉で、源泉温度はなんと99.6℃。泉質はナトリウム塩化物泉なので、地獄蒸しをすると、お野菜は塩茹でしたような味わいに。

パスタは塩なしでおいしく茹で上がり、塩を使わない分、減塩にもなります。また、天然温泉を使って料理をするので、ガスなどエネルギーの節約にもなるのが素晴らしいところ。

温泉を使った料理は、エコでヘルシーな調理法なのです!
それが評価されて、2021食のサステナブルAWARD金賞・審査員特別賞を受賞。

温泉を利用した料理の数々は、口に入れた瞬間に食材の滋味深い味わいが口いっぱいに広がって、カラダの中の味覚センサーが一気に覚醒するような感覚でした。

温泉水を使うことで野菜の雑味が消え、食材本来の風味や甘味が引き立ちます。温泉が食材をおいしくしてくれるなんて、体験するまでは全く知りませんでした。

そんな感動的な料理の数々を見ていきましょう。

▲咲き付け≪坐来大分≫ 臼杵 きらすまめし かぼすブリ

photo by Chiharu Yahagi
臼杵市の郷土料理である「きらすまめし」。かぼすを食べて育ったというかぼすブリの上にはおからがたっぷり。

かぼすを絞っていただくのですが、ブリの旨味とおからの甘味にかぼすの酸味が加わることで、爽やかな味わいに。それぞれの食材が引き立て合います。

▲かぼすとジンジャーのソーダ

photo by Chiharu Yahagi
口に入れた瞬間にしゅわーっと柑橘系の香りが弾ける、お酒のような飲み心地のかぼすとジンジャーのソーダ。

▲スープ≪Otto e Sette Oita≫臼杵 南瓜と温泉水のスープ

photo by Chiharu Yahagi
地獄蒸しにした南瓜を裏ごししただけだという南瓜と温泉水のスープ。塩や出汁を一切加えていないというのが信じられないほど深みのある味。地獄蒸しを体験しに、野菜を持って現地に行ってみたくなりました。

▲酒肴≪坐来大分≫佐伯 かぼすヒラメソテー 杵築 酒粕ソース 豊後大野野菜

photo by Chiharu Yahagi
プリッと締まった身のかぼすヒラメに、酒粕の上品な甘さが加わり、旨味がより一層凝縮されて引き立ちます。食材のおいしさを極限まで引き立ててくれる温泉水って本当にすごいの一言!

▲食事をいただきながら、大分県各地の文化についても映像で学びます

photo by Chiharu Yahagi

▲メイン≪Otto e Sette Oita≫別府 宝牧舎 黒毛和牛すね肉地獄蒸し
安心院葡萄酒ソース 日出 紅はるかピュレ

photo by Chiharu Yahagi
ほろほろと溶けるような柔らかさの黒毛和牛すね肉地獄蒸し。鼻に抜けるときに温泉の香りがします。地獄蒸しをすると、牛肉でも全然重く感じず、ぺろりと食べられてしまいます。

▲メイン≪Otto e Sette Oita≫別府 宝牧舎 黒毛和牛すね肉地獄蒸し
安心院葡萄酒ソース 日出 紅はるかピュレ

photo by Chiharu Yahagi
温泉水だけで茹でたというパスタは、ちょうどいい塩加減。鮮度の高い鱧と甘唐辛子の辛味、そして春先の唐墨を炒って加えているそう。

それぞれの食材から出る旨味を、早摘みのピリッとしたオリーブオイルがうまくまとめてくれています。

▲甘未≪坐来大分≫臼杵 かぼす大福 日出 甘酒 

photo by Chiharu Yahagi

▲中からかぼすのジャムが甘酒がとろり

photo by Chiharu Yahagi
地獄蒸しの蒸気を使ってゆっくり低温で火を入れると、色が変わらずにかぼすの甘味や苦味を引き出すことができるのだそう。餅には甘酒の甘味があり、お米の粒感が残っています。

▲エントランス横の「ギャラリー坐来大分」では、大分県の食材が買えます

photo by Chiharu Yahagi

お店はアンテナショップも兼ねているため、かぼすを使ったお菓子や柚⼦胡椒などの名産品の販売や、⽵⼯芸品や⼩⿅⽥焼などアートの展⽰も⾏っています。

現地でしか買えない地元ならではの珍しいお菓子や調味料、地酒などが揃っているので、ついつい目移りしてしまいます。

▲竹を組み合わせた型枠を使って作るというKAGUYAシリーズの酒器。店内では、好きな酒器でお酒をいただくことができます

photo by Chiharu Yahagi

▲長湯温泉の炭酸温泉水をガラスにかけ、気泡を含ませたライトがとても幻想的

photo by Chiharu Yahagi
店内の至るところに大分の魅力溢れる工芸品などが使われていて、お店そのものがアート空間のような素敵な場所でした。

地域によって全く異なる食文化を楽しめるが大分の魅力

▲きらすまめし&黄飯かやく(臼杵市)

photo by 大分県庁より提供
大分県は江戸時代に小藩分立(8藩7領)で、15の国に細分化されたことで、それぞれの地域独自の食文化が生まれたのだそうです。海の幸、山の幸と地域によって全く異なる食文化が楽しめるのも、大分県の魅力のひとつ。

味噌、醤油、酒造りが盛んな臼杵市は、「発酵・醸造と質素倹約、循環型の食文化」が評価されて、2021年にユネスコ創造都市ネットワーク(食文化分野)への加盟が承認されたといいます。

▲完熟堆肥で土づくりを行い、化学肥料を使わずに野菜を栽培しています

photo by 大分県庁より提供
臼杵市は、日本で唯一、市が草木などを主原料とした完熟堆肥を生産している場所。

化学肥料や化学合成農薬を使わずに栽培した農産物を「ほんまもん農産物」と市長が認証していて、今では市内の小学校で有機野菜を使った給食を提供しているのだそう。

▲お殿様が食べていたという本膳料理も体験することができます

photo by 大分県庁より提供
大分の豊かな食文化を守るために、各地で様々な取り組みがされています。

今回のイベントを通して、大分の豊かな食文化と伝統料理に触れることができました。

現在、大分県ならではの体験やアクティビティを楽しめるツアーを2024年春に向けて準備を進めているといいます。酒造を巡ったり、国の重要文化財の地で懐石料理を堪能したり、別府の温泉まつりに参加したりと、ユニークな内容になっています。

地域ごとに異なる食文化が楽しめる大分県で、郷土料理を存分に味わい尽くす旅をしてみませんか。

編集部

広告代理店の企画、出版社の書籍編集を経て2016年に企画・編集・ライターとして独立。ワタリドリ製作所の屋号で、書籍の執筆・編集、複数の企業のメディア運用に関わる。 東京都観光まちづくりアドバイザーとして、国や県庁のインバウンド事業の仕事をしていたときにTABIPPOに出会い、2023年春からジョイン。 大学生の頃から、世界各地を一人旅しては、陸路での国境越えをすることに情熱を捧げていた。現在は自然豊かな多摩エリアで、エネルギーの塊みたいな小学生男児2人の育児に奮闘中。街歩きとおいしい物と温泉が好き。 著書:『世界の絶景1000』(英和出版社)共著、『石の辞典』(雷鳥社)

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