こんにちは、絶景ハンターのまゆみです。
「五島列島の無人島・野崎島へ。教会・廃墟に古代ミステリー、異国な風景で驚きの体験を!」の記事でご紹介した野崎島。その野崎島の属する島が、長崎県小値賀(おぢか)町、つまり小値賀島です。
急峻な山々に覆われた野崎島とは対照的に、比較的平坦な地形と、赤土と緑と放牧牛の牧歌的な光景、そして古き良き日本の原風景を残した小値賀島は、「日本で最も美しい村」のひとつに選ばれています。
便利なものやリゾート的なものはないけれど、”素朴な中に何かある”、そう感じさせてくれる小値賀島の見どころをご紹介します。
見出し
「日本で最も美しい村」長崎五島の小値賀島とは
Photo by Mayumi
九州の西の海上約50kmに浮かぶ長崎県の五島列島。その北側に位置するのが小値賀島(おぢかじま)です。
小値賀島は、本島を中心に大小17の島々から成り、1時間もあれば車で一周できる大きさの島に2,300人余りが暮らしています。
Photo by Mayumi
島のほとんどが西海国立公園に指定されているほど、自然豊かな小値賀島。
比較的なだらかな地形に加え、赤土と緑の草原と海のコントラスト、牛が草食む牧歌的な光景、複雑に入り組んだ海岸美に遠浅の美しいビーチ、名松百選の松並木など、魅力的な自然景観に恵まれています。
そんな小値賀島には、コンビニや大型スーパー、リゾート施設などといった便利なものはほとんどないですが、昔ながらの素朴な暮らしや築100年を超える古民家、日本の原風景を今に伝える集落などにより、「日本で最も美しい村」の一つに選ばれています。
小値賀島の見どころとは?
「日本で最も美しい村」に選ばれた小値賀島最大の見どころは、やはり自然が織りなす景観美。同じ火山の噴火由来とは思えないほど、五島列島の中でも個性的な景観がそろっています。もちろん、ノスタルジー漂う昔ながらの集落も。
というわけで、今回は小値賀島の主な人気スポットをご紹介します。
まるでシークレットビーチ!「五両ダキ」
Photo by Mayumi
小値賀島に存在する20か所以上もの噴火口。そのひとつであり、島屈指の景勝地といわれるのが「五両(ごりょう)ダキ」です。
長い年月をかけて波風にえぐられた断崖はまるで円形劇場のよう。白砂のビーチにエメラルドグリーンの海が織りなす光景はさながらシークレットビーチです。
ちなみに、「ダキ」とは小値賀島で「崖」を意味することば。その発音から“滝”をイメージしがちですが、間違えないようご注意ください。
・名称:五両ダキ
・住所:長崎県北松浦郡小値賀町柳郷
・地図:
・アクセス:小値賀港から車で約12分
血の色に染まった砂浜!?「赤浜海岸」
Photo by Mayumi
火山由来の鉄分を多く含んだ砂礫がビーチを埋め尽くす「赤浜海岸」。
別府温泉の「血の池地獄」ならぬ血の浜海岸ともいうべき強烈なインパクトで、海の青と砂の赤のコントラストが実にユニークな絶景となっています。赤い砂浜は世界的にも珍しく、島内ではここだけだそうです。
なお、赤浜海岸では、海底が急に深くなっていたり、海底ケーブルが通っていたりするため遊泳禁止。ビーチの散策を楽しみましょう。
・名称:赤浜海岸
・住所:長崎県北松浦郡小値賀町前方郷
・地図:
・アクセス:小値賀港から車で約11分、自転車で約20分
小値賀島随一の美しいビーチ「柿の浜海水浴場」
Photo by PIXTA
赤浜海岸とは対照的に、白砂きらめく美しいビーチが特長の「柿の浜海水浴場」。
小値賀島の海はどこも美しいエメラルドグリーンですが、柿の浜海水浴場はそんな中でも島内随一といわれる美しさ。更衣室やシャワーが整備されていることもあり、島内で最も人気の高い海水浴場です。
なお、満潮時はせっかくの白砂のビーチが消えてしまうため、行くなら干潮時がおすすめ。夏はマリンアクティビティやシュノーケリングも楽しめますよ。
・名称:柿の浜海水浴場
・住所:長崎県北松浦郡小値賀町前方郷
・地図:
・アクセス:小値賀港から車で約11分、自転車で約20分
「玉石様」が海で転がる「ポットホール」
Photo by Mayumi
小値賀島のお隣に浮かぶ斑島(まだらじま)。その北東端に位置するのが島の天然記念物の「ポットホール」です。
ポットホールとは、海岸や川床の固い岩盤の上を流れる水流によって円く削りとられた天然の穴のことで、「甌穴(おうけつ)」とも呼ばれています。
小値賀島のポットホールは世界で2番目、日本では最大級ともいわれています。
Photo by (一社)長崎県観光連盟
波打ち際に祀られた祠の足元の隙間をのぞくと、確かに驚くほどまん丸の、まるでボールのような石がおさまっています。まさに自然の神秘。地元では「玉石大明神」「玉石様」として篤く信仰されているとか。
ポットホール付近は切り立った岩場のため、波が荒れているときや強風の際にはくれぐれも気をつけて。
・名称:ポットホール(玉石甌穴)
・住所:長崎県北松浦郡小値賀町班島郷斑島
・地図:
・アクセス:小値賀港から車で12分
海と牛と草原が織りなす光景「長崎鼻」
Photo by Mayumi
牛の放牧が盛んな小値賀島。
海をバックに大パノラマの草原が広がる「長崎鼻」は、牛たちの牧歌的な光景とともにどこか異国情緒も漂います。
通常は草原で各々のんびり草を食んでいる牛たちですが、このときはたまたま牛たちが一列になってお食事中でした。
・名称:長崎鼻
・住所:長崎県北松浦郡小値賀町柳郷
・地図:
・アクセス:小値賀港から車で約15分
Photo by Mayumi
余談ですが、牛といえば、小値賀島ではこの眼光鋭い牛の標識をよく見かけます。
小値賀島の牛は、基本的に日中は草原で放牧、夕暮れ時に牛舎へ戻る一日を送っており、こちらはそうした牛たちの通行を示す案内標識だそう。もし牛が道路を歩いていたら何を置いても牛優先だそうです。
それはともかく、夜見たらちょっとトラウマレベルのインパクトですが、それを逆手にとって、もれなくTシャツやステッカーなどの牛グッズも販売されています。
遣唐使の航海安全を祈る「地ノ神嶋神社」
Photo by Mayumi
小値賀島東部、前方湾に面して建っているのが「地ノ神嶋神社(ぢのこうじまじんじゃ)」です。
時代は遣唐使が活躍した奈良時代の8世紀頃、唐への使節団が五島の海域を通過する際、その航海安全を祈願して建てられたと伝えられています。
Photo by Mayumi
海を挟んだ対岸には、地ノ神嶋神社と対を成す野崎島の「沖ノ神嶋神社(おきのこうじまじんじゃ)」が、山の中腹に鎮座しています。その沖ノ神嶋神社の上にそびえ立つ、御神体ともいえる謎の巨石「王位石」もそこから展望できます。
なんだか古代ミステリーロマンを感じる光景ですよね。
・名称:地ノ神嶋神社
・住所:長崎県北松浦郡小値賀町前方郷3847
・地図:
・アクセス:小値賀港から車で約10分
築100年以上を超える小値賀島の古民家ステイ
Photo by (一社)長崎県観光連盟
小値賀島のもうひとつの魅力といえば、やはりどこか懐かしく、日本の原風景が感じられる島の集落。
小値賀島では「暮らすように旅をする」をテーマに、のんびりとした島時間と島暮らしが体験できる民泊や古民家ステイを推奨しています。
100年以上の時を刻んだ「島の家」では、忙しない日常や都会の喧騒にちょっぴり疲れた人たちに、心からリラックスできて、自分を見つめ直すきっかけを与えてくれるかもしれません。
何もないけど何かある。「日本で最も美しい村」で極上の島旅を
「日本で最も美しい村」に選ばれた小値賀島、その魅力に気づいていただけたでしょうか。
“何もないけど何かある”、便利なものは何もないからこそ気づかされる大切なものがある。それを探しにぜひ、小値賀島へ遊びに行ってみませんか?
詳しくは小値賀島公式サイトをご覧ください。