ライター
岡本 大樹 撮って書くひと

2015年、小笠原諸島で連続ブリーチングを繰り広げるザトウクジラの雄大さに感動。その勢いで旅を仕事にすることを決める。それまでは原付で47都道府県を旅したり、ドイツ留学中にドイツほぼ一周電車旅をしてみたり。仕事では、サイパンの海に潜ってみたり、ベルギーでチョコレート作り体験をしてみたり。現在は人の旅立ちを後押しできるような写真を撮って記事にするべく、奮闘の日々。

沖縄本島の北部にある離島と聞いても、よほどの沖縄通でなければピンとこないかもしれません。

橋でつながっている古宇利島(こうりじま)は有名ですが、今回ご紹介するのは、船でのアクセスが必要な伊江島(いえじま)・伊是名島(いぜなじま)・伊平屋島(いへやじま)の3つ。

アクセスがあまり良くないためか、まだ穴場の島々ですが、それぞれ個性的で魅力に溢れています。ぜひ、今後の沖縄旅での旅先として注目してみてください。

本部半島から見える特徴的な形の「伊江島」

photo by Daiki Okamoto
まずご紹介するのは、伊江島(いえじま)です。大人気観光スポットである「美ら海水族館」からも見える、とても特徴的なシルエットの島。

本部港から約30分、フェリーでのアクセスが可能で、本島からの日帰り観光もできる離島です。

島のシンボル的存在「伊江島タッチュー」

photo by pixta
そんな伊江島のシンボル的な存在が、「伊江島タッチュー」です。タッチューというのは沖縄の言葉で「尖ったもの」を意味し、ここでは空に向かって尖る岩山のこと。山の正式名称は城山(ぐすくやま)です。

この山は、伊江島のほとんどすべての場所から見えるだけでなく、沖縄本島からも目をひくほど特徴的。そのため、昔はこの山を目印に航海が行われていたとも言われています。

photo by Daiki Okamoto
タッチューの上からは、360度のパノラマが望めます。伊江島の全貌を見渡すにも、景色を楽しむにも最適なスポットなので、ぜひ最初に訪れましょう。

山の中腹に駐車場があり、そこからは階段で頂上まで歩く必要がありますが、高く見える割に15分ほどで登頂できるので、ぜひチャレンジしてみてください。

■詳細情報
・名称:伊江島タッチュー(城山)
・住所:沖縄県国頭郡伊江村東江上552
・地図:

「伊江ビーチ」は静かな海を楽しめる

photo by Daiki Okamoto
離島ということで、海水浴を目的に訪れる人も多い伊江島。「伊江ビーチ」は美しく整備され、キャンプ場も併設された便利なビーチです。

島の南東部に位置していて、対岸には本部半島が見えています。砂浜が白く美しいことも魅力のひとつですが、静かなビーチなので、のんびり過ごしたい方におすすめ。

■詳細情報
・名称:伊江ビーチ
・住所:沖縄県国頭郡伊江村東江前2439
・地図:

「伊是名島」では海外を思わせる展望を楽しもう

photo by Daiki Okamoto
本部半島の北部に位置する運天港から行ける島が、2つあります。「伊是名島(いぜなじま)」は、その内のひとつ。

かつての琉球王国の王様であった尚円王(しょうえんおう)ゆかりの地として、関連スポットが残されています。また、海外のリゾートを思わせるダイナミックな自然景観も大きな見どころです。

尚円王と親族が眠る「伊是名玉御殿」

photo by Daiki Okamoto
港から南へ5分ほど車を走らせると見えてくるのが、「伊是名城跡」です。伊是名城は11〜14世紀のグスク時代に作られたお城。

陸側はきつい傾斜で守られている上に、海側は絶壁となっているため、難攻不落の天然の要塞だったとされています。三角形の山からは、いまもその名残が感じられます。

photo by Daiki Okamoto
その城跡の北側の麓にあるのが、「伊是名玉御殿(たまうどぅん)」です。ここは、尚円王の家族や親族が眠る王国時代のお墓。

中に入ることはできず、外から眺めるだけとなりますが、積み上げられた石垣の美しさなどから、威厳は十分に感じられます。ぜひ近くで見てくださいね。

■詳細情報
・名称:伊是名玉御殿
・住所:沖縄県島尻郡伊是名村伊是名
・地図:

展望台から見る伊是名島の自然美

photo by Daiki Okamoto
伊是名島は、アップダウンの激しい地形をしています。ビーチのすぐそばにポッコリと山や岩がそびえ立っている、という景色を至るところで見る島でもあります。

島には海水浴を楽しめるビーチもありますが、筆者としてはいろいろな展望スポットからの景色を眺めるのが、伊是名島の自然を堪能できるベストな方法ではないかと思っています。

特に景色が美しい島の南東部には、いくつもの展望スポットがあり、それぞれの景色がかなり違っています。見比べるだけでも、自然好きには堪らない体験になりますよ。

photo by Daiki Okamoto
たとえばこちらは、「シラサギ展望台」からの景色ですが、伊是名城跡とその手前にあるビーチを望むことができます。

エメラルドグリーンの海と荒々しい岩、そして三角形の山。海外のリゾートを感じさせる景色は、「楽園とはこういう場所なのかな」などと思ってしまうほどの美しさです。

■詳細情報
・名称:シラサギ展望台
・住所:沖縄県島尻郡伊是名村伊是名
・地図:

photo by Daiki Okamoto
他にも、こちらの景色は「ギタラ展望台」からのもの。ここからは、「海ギタラ」という巨大な岩が海に立っている様子を見ることができます。

ギタラというのは「切り立つ岩」を意味する海人の言葉。この展望台を挟んで、内陸部には「陸(アギ)ギタラ」がそびえています。

■詳細情報
・名称:ギタラ展望台
・住所:沖縄県島尻郡伊是名村伊是名
・地図:

昔ながらの集落も見所のひとつ

photo by Daiki Okamoto
伊是名集落の中には、立派なフクギ並木や、サンゴで作られた石垣などが見られます。沖縄の原風景とも言えるこのような景色は、実は現在、伊是名島以外にはあまり残っていません。

というのも、サンゴの石垣はハブが入り込みやすく、あとあとコンクリートに変えられていったため。一方、伊是名島にはハブがいないので、そのまま残っているのです。

当然ながら、集落は住民の方々が生活されている場所です。立ち入りを禁止されているわけではありませんが、マナーを守って散策しましょう。

「伊平屋島」は沖縄最北の有人離島

photo by pixta
最後にご紹介するのは、「伊平屋島(いへやじま)」です。こちらも運天港から船で1.5時間ほどでアクセスできる、沖縄最北の有人離島です。

伊是名島は円に近い形ですが、伊平屋島は南北に長くかなり広い島です。伊是名島もそうですが、観光にはレンタカーやレンタルバイクが必要になってくるので、訪問時にはチェックしておきましょう。

野甫大橋周辺の海がハンパない!

photo by pixta
伊平屋島の南に橋でつながっている、もうひとつの島があります。それが野甫島(のほじま)で、周囲は約5キロメートルとかなり小さな島。

その野甫島と伊平屋島をつなぐ「野甫大橋」周辺の海が、見逃し厳禁な絶景なのです。

photo by Daiki Okamoto
海がきれいな沖縄の離島。筆者もいろいろな島を訪れましたが、ここの海の景色にはトップクラスの衝撃を受けました。

とにかく、青い!その特徴的な色は、「伊平屋ブルー」と呼ばれることも。一目見れば、その美しさに魅力されること間違いなし。

すぐ近くには米崎ビーチがあり、海水浴もできます。伊江ビーチと比べて、手つかずの自然を味わえるのも、この場所の魅力のひとつです。

■詳細情報
・名称:野甫大橋
・住所:沖縄県島尻郡伊平屋村 県道179号線
・地図:

島の西側の海岸線を快走しよう

photo by Daiki Okamoto
伊平屋島でドライブをするなら、ぜひ通って欲しいのが、島の西側の海沿いの道。野甫大橋周辺とは少し色が違いますが、きれいな海岸線を横目に爽快なドライブを約10キロメートルも楽しめます。

北のほうには巨大な岩がゴロゴロと転がっているゾーンもあり、荒々しい自然景観も堪能できます。

photo by Daiki Okamoto
その中には、「無蔵水(んぞみじ)」という、観光スポットとなっている巨岩があります。ドライブ途中に気になるスポットを見つけたら、車を停めて散策してみましょう。

■詳細情報
・名称:無蔵水
・住所:沖縄県島尻郡伊平屋村田名
・地図:

手つかずの自然を堪能できる、沖縄北部の離島

photo by Daiki Okamoto

沖縄本島北部の3つの島をご紹介してきましたが、気になったところはありましたか。

近いエリアの島々ではあるものの、その魅力はそれぞれ違っていて、どの島に行ってもその個性を楽しめるはず。アイランドホッピングするなら、その違いを比べて楽しむという方法もあるでしょう。

アクセスは決していいと言えない3つの島ですが、そのぶん、辿り着いたときの感動は大きく、手つかずの自然が残っている穴場の旅先とも言えます。

ぜひ、気になったところをチェックしておいて、今後の沖縄旅のヒントにしてみてくださいね。

ライター
岡本 大樹 撮って書くひと

2015年、小笠原諸島で連続ブリーチングを繰り広げるザトウクジラの雄大さに感動。その勢いで旅を仕事にすることを決める。それまでは原付で47都道府県を旅したり、ドイツ留学中にドイツほぼ一周電車旅をしてみたり。仕事では、サイパンの海に潜ってみたり、ベルギーでチョコレート作り体験をしてみたり。現在は人の旅立ちを後押しできるような写真を撮って記事にするべく、奮闘の日々。

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