ライター
かわい まゆみ 絶景ハンター&トラベルライター

秘境絶景ひとり旅好きな絶景ハンター。国内47都道府県、世界89カ国、訪れたスポットは2000以上。フットワークの軽さと胃腸の丈夫さが自慢。マニアックな絶景スポットを発掘するのが好き。"ちょっと出かけたくなる"、そんなきっかけを作れるような情報発信を心がけています。

こんにちは、絶景ハンターのまゆみです。

このたび、晴れて「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が世界自然遺産に登録されましたね。

今回ご紹介する沖永良部島(おきのえらぶじま)は奄美群島の一つですが、世界遺産登録対象地域から外れています。とはいえ、日本屈指の地下洞窟から海、花、ガジュマル、西郷どん(せごどん)の歴史まで、小さな島にこれでもかと魅力が詰まっている島です。

今回は、あえてマニアックな視点で知る人ぞ知る秘蔵スポットにフォーカスし、沖永良部島の魅力をお伝えしていきます。

鳥居と飛行機の奇跡のコラボ!「岬大明神」

岬大明神でJAL機と鳥居のコラボPhoto by Mayumi Kawai

沖永良部島の北東端に位置する国頭岬(くにがみみさき)。その上に建つ「岬大明神」の正面に広がるのは、なんと沖永良部(えらぶゆりの島)空港の滑走路です。

沖永良部に就航するJAC(日本エアコミューター)は鹿児島便、沖縄便ともに一日数本程度のフライトですが、その数少ないチャンスを逃さなければ、鳥居と飛行機の奇跡のコラボを見ることができるんです!

鳥居と飛行機と青い空と海……こんな組み合わせ、なかなかお目にかかれないと思いませんか?

五穀豊穣、航海安全の神、岬大明神Photo by Mayumi Kawai

ちなみに、岬大明神は五穀豊穣の神で、戦時には出征兵士の武運長久や航海安全の護国の神も司る地域の氏神様です。ここは本当に知る人ぞ知る、静かでのどかなローカルスポットですよ。

■詳細情報
・名称:岬大明神
・住所:鹿児島県大島郡和泊町国頭
・地図:
・アクセス:沖永良部空港から車で約5分

どこもかしこも絶景プライベートビーチ!

名もなきビーチPhoto by Mayumi Kawai

島内には、ワンジョビーチや屋子母(やこも)ビーチ、沖泊(おきどまり)海浜公園やウジジ浜など、人気ビーチが数々ありますが、それ以上に多いのが名もなき絶景ビーチ!

沖永良部島の空撮写真を見たことがある方はお気づきかもしれませんが、隆起サンゴ礁から生まれたこの島は、周囲60キロメートルを広大なサンゴ礁で覆われています。草木をかき分けて一歩浜に出れば、そこにはあなただけの絶景ビーチが広がっていますよ。

プライベートビーチ!Photo by Mayumi Kawai

ここは国頭岬周辺で見つけたビーチ。リーフエッジ(外洋とサンゴ礁との境目)にしっかり守られたリーフの内側は波がとても穏やかで比較的遠浅、そして何よりこの透明度!

ビーチでのんびりくつろぐも良し、シュノーケリングで水遊びするも良し、自分だけのプライベートビーチで思う存分楽しめます!ただし、リーフの外側の外洋は波が荒く、急に深い崖になっていることもあるため、泳ぎが苦手な方は近づかないようにしましょう。

緑と青のグラデーション!「ウミガメビューポイント」

ウミガメビューポイントにある双眼鏡Photo by Mayumi Kawai

海に出れば、ウミガメとの遭遇率が高い沖永良部島。一方、陸上から手軽にウミガメを観察できるのがここ、「ウミガメビュースポット」です。

ここはアオウミガメたちにとっての餌場で、満潮時になるとリーフの浅瀬に生えた海藻を食べにやってきます。特に海藻が豊富な2~6月にかけては、多いときで30頭も集まるとか。

この無料の双眼鏡で今日は何頭出会えるか数えてみましょう。

ウミガメビューポイントPhoto by Mayumi Kawai

といいつつ、筆者が訪れた時間帯はたまたま干潮で、あいにくアオウミガメには出会えませんでした。しかし、この海藻の緑と透き通る青のグラデーションに思わず息を呑みました。

潮が引いているからこそ出会えた絶景。何だか地球を眺めているようなふしぎな感覚……。太陽の光が差し込めば、さらに絶景度が増しそうですね。

■詳細情報
・名称:ウミガメビューポイント
・住所:鹿児島県大島郡和泊町根折
・地図:
・アクセス:沖永良部空港から車で約20分
・おきのえらぶ島観光協会公式サイトURL:http://www.okinoerabujima.info/about/umigameviewpoint/

集落にまさかのジャングルと地下河川「住吉暗川」

地下を流れるかつての生活用水、住吉暗川Photo by Mayumi Kawai

島南東部に位置する住吉集落のただ中に突如現れる熱帯ジャングル。異界への入口にも見えるこのふしぎな場所は「住吉暗川(すみよしくらごう)」、つまり地下河川が流れる水汲み場なのです。

透明な地下河川の流れる暗川Photo by Mayumi Kawai

急勾配の坂を50メートルほど下ると、目の前に現れたのは透明な地下河川。

川がほとんどない沖永良部の島民にとってここは昔から貴重な水源であり、生活用水の水汲み場でした。簡易水道が整備された昭和38年頃まで、人々はバケツを担いで何往復も水を運んだそうです。それはもう過酷で、時に人は病に倒れたほど……。

当時の人々の生活文化を色濃くあらわす貴重な財産として、鹿児島県の天然記念物に指定されています。

神秘的な暗川の入り口Photo by Mayumi Kawai

“暗い川”というだけあって、灯りを消した暗川の中は恐ろしいほどの真っ暗闇。

しかし、ふと振り返るとそこには陽の光が降り注ぐ神々しい光景があって、何だか思わず手を合わせたくなりました。

■詳細情報
・名称:住吉暗川
・住所:鹿児島県大島郡知名町住吉
・地図:
・アクセス:沖永良部空港から車で約1時間
・おきのえらぶ島観光協会公式サイトURL: http://www.okinoerabujima.info/about/kuragotakakura/

奄美十景の一つ「田皆岬」で夕日の絶景を

夕日の景勝地・田皆岬Photo by おきのえらぶ島観光協会

島北西端に突き出した「田皆岬(たみなみさき)」。風雨にさらされ、黒潮に削りとられた珊瑚石灰岩の断崖絶壁の高さは最大で51メートルもあります。その断崖の上は緑の芝に覆われ、荒々しさと雄大さを兼ね備えた、奄美十景の一つに数えられる島内屈指の景勝地です。

奇岩と夕日のコラボPhoto by Mayumi Kawai

夕日の景勝地でもある田皆岬。岬の灯台から遊歩道を西へ進むと、やがてむき出しのカルスト地形の台地が広がります。

そこにたたずむ一つのアーチ型の巨岩。それに夕日を重ねると……なんともフォトジェニックな光景に。

雲が晴れて太陽が顔を出していれば、また違った絶景が生まれたかもしれません。

放し飼いにされたヤギたちPhoto by Mayumi Kawai

田皆岬に広がる丘陵地帯で草をはむヤギの群れ。美しい夕日とのどかな動物たちの姿、その平和な光景に何だか心癒やされました。

■詳細情報
・名称:田皆岬
・住所:鹿児島県大島郡知名町田皆
・地図:
・アクセス:沖永良部空港から車で約45分。
・おきのえらぶ島観光協会公式サイトURL: http://www.okinoerabujima.info/about/taminamisaki/

旅は発見の連続!自分だけの絶景を探してみよう

放し飼いのヤギに出会ったPhoto by Mayumi Kawai

沖永良部島では、行くところ行くところ、なぜか放し飼いのヤギにバッタリ出くわすことが多かった印象。そんなほっこりする出会いも島旅ならでは。

筆者はレンタバイクを使って島内を回ってみましたが、小回りのきく軽自動車のレンタカーやレンタサイクルもおすすめです。

ゆったりした島時間の中、さまざまな魅力が詰まった沖永良部島で、ぜひ地図を片手に、自分だけの絶景を探してみてはいかがでしょうか。

■詳細情報
・名称:沖永良部島
・住所:鹿児島県大島郡
・地図:
・アクセス:鹿児島空港から飛行機で1日3便、約1時間10分。那覇空港からは1日1便、約1時間。鹿児島新港からフェリーで1日1便、約18時間、那覇港からは1日1便約7時間。
・電話番号:0997-84-3540
・おきのえらぶ島観光協会公式サイトURL: http://www.okinoerabujima.info/
ライター
かわい まゆみ 絶景ハンター&トラベルライター

秘境絶景ひとり旅好きな絶景ハンター。国内47都道府県、世界89カ国、訪れたスポットは2000以上。フットワークの軽さと胃腸の丈夫さが自慢。マニアックな絶景スポットを発掘するのが好き。"ちょっと出かけたくなる"、そんなきっかけを作れるような情報発信を心がけています。

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