ライター

28歳でひとり旅の楽しさに目覚めた30代会社員。もう昔のような無茶はできないけれど、ちょびっと冒険したいという思いで毎年ひとり旅へ出かけている。旅のモットーは「安全・清潔・ほどよく便利」。好きなものは夜景と船と電車。

ecuvo,
糸の保管庫
ecuvo,手袋の編み機。真ん中の複数の針で編んでいく
検品では素早く手袋を専用の型にはめ、裏返し、穴がないかチェック。流れるような作業に熟練の技を感じました。

ecuvo,検品の様子
サステナブルで長く使い続けてもらうためのものづくりにこだわる姿が印象的でした。

■詳細情報
・名称:株式会社フクシン
・住所:香川県東かがわ市白鳥78番地1
・地図:
・電話番号:0879-25-2285
・公式サイトURL:https://www.fukushin.co.jp

徹底的にお客様に寄り添う 「徳武産業株式会社」

あゆみシューズ
徳武産業は全国シェアNo1のケアシューズメーカー。「あゆみシューズ」というブランドで、主に高齢者や障がい者の方のための靴を展開しています。
介護が必要だったり怪我をしていたりする方の中には、既存品では対応が難しい方も。このような方には部分的な調整ができる「パーツオーダー」というサービスがあります。

この「パーツオーダー」で対応ができるサイズは非常に多く、「ラスト」と呼ばれる木型の種類は568。これに生地などの資材の数を合わせるとなんと全部で5247種類にもなります。

あゆみシューズ
1人ひとり注文も違い、数多くの資材を組み合わせる複雑な対応にもかかわらず、注文から出荷までの日数は最大でも5日。

ケアシューズを必要とする方は、注文時に退院日が決まっていてそれに間に合わせたかったり、骨折してしまって早く手に入れたかったりという事情をお持ちです。

そんな方たちに少しでも早く届けるよう、製造工程を極力自動化してスピーディーな製造を可能にしています。

自動化しているといっても細かな調整は人の手。たとえばつまさきを機械で成形したあと、サイドの生地を引っ張りながら靴底に張り付けていくのには、どうしても手作業が必要です。

あゆみシューズつま先の成形機
20年以上この仕事をされている職人さん。作業を見ていると、いとも簡単に見えますが、生地を引っ張るには絶妙な力加減が必要。加減を間違うと最初からやり直しになってしまうそう。職人さんの高い技術力が光ります。

あゆみシューズ淀みなく形を整えていく様子はまさに職人技
見学の後はミニシューズとティッシュケースづくりを体験。

あゆみシューズミシンの体験に向かう姿は真剣そのもの
お困りごとを解決するメニューの豊富さから出荷の早さまで、徹底的に利用者に寄り添う心遣いを感じました。

■詳細情報
・名称:徳武産業株式会社
・住所:香川県さぬき市大川町富田西3007
・地図:
・電話番号:0879-43-5947(担当:総務課 蓮井)
・公式サイトURL:https://www.tokutake.co.jp/

32歳の社長が率いる看板メーカー 「株式会社高松ホットスタンプ」

高松ホットスタンプは、香川県木田郡に位置する看板デザインや製作、建築金物の設計製造を行う会社です。

一口に「看板」といっても手掛ける範囲は幅広く、たとえばホテルの部屋番号や会議室についている「〇〇会議室」という看板など、いたるところに存在しています。

高松ホットスタンプ
高松ホットスタンプ
そんな看板のデザインや設計、製作から取り付けまで一貫して自社で行っているのがこちらの特徴。すべてのプロセスを内製で行っているのは珍しいそうです。

工場見学では看板に張り付けるシートの印刷機や、そのシートを看板の文字に取り付ける作業を見学。定規を使わず迷いなくシートを切っていくその姿に、技術力の高さを感じます。

また、最近導入したという、鉄板をレーザーでカットする加工機も見学しました。以前のものよりも細かい裁断が可能になったそうで、サンプルとしてつくられた自転車や恐竜のカッティングの細かさには見学者一同びっくり。

高松ホットスタンプこれが機械でカットできるの?と皆驚き
今回会社説明と工場見学の案内をしてくださったのは杉山社長。なんと32歳という若さで就任5か月とのこと(2024年11月時点)。

今後の夢を問われると、「看板にとどまらず、持っている技術を使って社会貢献をしていきたい。たとえば弊社にはアクリルを切る技術があり、コロナ禍ではその技術を使って病院の受付に設置する複雑な形のアクリルパーテーションの製作をしました。そうした社会課題の解決に弊社の技術を活用していきたい」と話してくださいました。

■詳細情報
・名称:株式会社高松ホットスタンプ
・住所:香川県木田郡三木町井上3098-55
・地図:
・電話番号:087-891-1010
・公式サイトURL:https://thsnet.co.jp/

ダンボールの可能性は無限大!「株式会社グッドワーク」

株式会社グッドワークはダンボールケース製造メーカー。

荷物の配送に使われるダンボール箱以外にも、ダンボールの通気性や軽さ、処分のしやすさをいかして家具の梱包材や卵のケース、ペットの棺など、さまざまな製品を製造しています。

サッカーボール ダンボールサッカー日本代表公式グッズの「くみくみボール」
こちらではダンボールの印刷機や裁断機を見学。通常、印刷には「版(はん)」と呼ばれる型が使われますが、グッドワークでは「illustrator」というソフトを使ったデザインをお客様から受け取り、そのデザインどおりに図柄を印刷することもできます。版ではできない細かいデザインやフルカラーにも対応。

また、CAD(キャド:コンピュータ上で製図を行うためのツール)で図面を書き、そのとおりにダンボールをカットする裁断機も見学。折り目の溝も機械で作られ、まるで意思を持っているかのように動く様を見学者一同食い入るように見ていました。

ダンボール グッドワーク完成したのはペットの棺。
1枚のダンボールからあっという間にできあがった様子に歓声が

見学のあとはダンボールを使った獅子舞の製作体験。裁断機でダンボールをカットするところから組み立て、飾り付けまで体験できます。

ダンボール 体験
細かい図柄の印刷やペットの棺など、ダンボールがもつたくさんの可能性を感じました。

■詳細情報
・名称:株式会社グッドワーク
・住所:香川県さぬき市昭和1308‐2
・地図:
・電話番号:087‐899-0399
・公式サイトURL:https://goodwork-kagawa.jimdofree.com/

高品質なものづくりの源泉はまっすぐな姿勢かもしれない

香川県の「地域一体型オープンファクトリー」をご紹介しました。

一緒にツアーを周った香川大学の学生からは、「母が介護職をしていて介護は身近だったが、ケアシューズのメーカーが香川にあるとは知らなかった。香川の魅力を発見できた」「どの会社にも長く使ってもらえる工夫があり、お客様の気持ちを考えていると思った」などの感想があがっていました。

また、私たちはバスで移動していたのですが、次の場所へ出発する際、どの企業の方も寒いなか外に出てバスに向かって手を振って送り出してくださいました。このようなまっすぐ向き合う姿勢が、品質の高いものづくりにつながっていると感じました。

ライター

28歳でひとり旅の楽しさに目覚めた30代会社員。もう昔のような無茶はできないけれど、ちょびっと冒険したいという思いで毎年ひとり旅へ出かけている。旅のモットーは「安全・清潔・ほどよく便利」。好きなものは夜景と船と電車。

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