「男のロマン」はそこにある
photo by Kazuki Kiyosawa
先ほど、入り口から1番奥の遺跡まで往復8時間歩くと述べましたが、別に1番奥に行かなくていいのです。入園すると、あとは自由!「行きたい方向」に進めば良いのです。僕は初日、とにかく高いところに登ってみたかったので、地図にも載っていない山に勝手に登り始めました。
一緒に行った友人には「そっちに行っても何もないかもよ〜?」と言われましたが、「『何か』があるから、行きたいんではなくて、『行ってみたいから』向かうのさ。」と言うと、彼も非常に納得していました。
この瞬間に「男のロマン」を感じました。「目的」ありきの旅なんて、なんだか“オトナ”みたいで、子供の頃は「行ってみたい」だけで進んでいたことを思い出しました。
その広大さに息を飲む
photo by Kazuki Kiyosawa
その日は太陽がジリジリと照りつけ、岩々の間を縫うように歩き、足に絡みつく砂は、インドのゴミだらけの道よりも、東南アジアのぬかるみよりも歩きづらかったのを覚えています。僕らは、3時間ほど厳しい坂道を登り、ようやく“山頂”とされる場所に着きました。
その壮大な風景に息を飲みました。いつもカメラを片手にしている僕でも、その光景に溺れ、目に焼き付けることに夢中になっていました。カメラの存在など気にも留めずに。
photo by Kazuki Kiyosawa
この光景は、現在7ヶ月世界を旅して、ダントツ1位の光景です。砂漠気候の風が頬に触れ、僕の前髪をなびかせました。遠くの方では、1羽のタカが鳴いています。想像してみてください。男心くすぐられませんか?
ペトラ遺跡は絶対に行くべき!
photo by Kazuki Kiyosawa
初日は、この山々を探検すると日が暮れ、あの「インディージョーンズ」で観た夕日のように美しい夕日を観ることができました。
2日目の朝から、日が暮れるまで喉が渇こうが、足が棒になろうが、とにかく歩き回って、話に聞いていた往復8時間を超える場所にも行きなんとか、目に見えて行きたかった場所には行くことができました。
photo by Kazuki Kiyosawa
朝食でこっそりクスねてきたパンを、日陰で風通しの良いところで食べたあの雰囲気。この先に何があるのかなんて知らないけど、「探検!探検!」と言って歩くのをやめない感じ。少年時代のあのワクワクして堪らないような、どこか懐かしくも新しい非常に男子心くすぐる瞬間がたくさんありました。
世界を旅していて、「ペトラ遺跡?高くて行ってないよ!」と話す旅人によく出会います。確かに、世界一高い世界遺産。7,500円は決して簡単に払える額ではありません。
photo by Kazuki Kiyosawa
しかし、僕は声を大にして言いたい!
「ペトラ遺跡は絶対行くべき!」…すみません。これ以上の言葉が見つかりませんでした。本当に広大で、果てなき冒険がそこにはあります。男子諸君。あの日のワクワクを取り戻しにペトラへ行こう!