ライター

1993年2月26日生まれ、北海道出身。WEB制作会社、編集プロダクション、ECサイトディレクター$を経て、2020年4月に独立。ライター・編集者として活動する。地方で昔から営業している古い居酒屋で、おじいちゃんおばあちゃんと友達になるのが好き。

『世界が広がる、働き方を。』をテーマに世界36の国と地域、512都市でのワーケーションを届けるサービス『HafH』の代表・大瀬良 亮氏。場所やライフライン、仕事など、あらゆる制約にしばられず、好きな場所で好きなことをしながら暮らすライフスタイルを提案するコミュニティ『LivingAnywhere Commons』(LAC)の代表・小池克典氏。そして、TABIPPOの代表・清水直哉。

POOLO NEXT」で講師をつとめる旅業界の経営者たちが、ノンアルコールビールを片手にそれぞれの経験と観光の未来の見つめ方を語らう、酔いどれ(!?)ぶっちゃけ酒場鼎談を敢行。旅業界の情報には正直疎く、ほとんど無知に近いライター・三浦が、普段は聞けないディープな「観光業界」についてのお話をズバズバ聞いていきます!

三者三様の「旅」が、いざ、酒場で交わり合う!

三浦

みなさま、本日はよろしくお願いいたします! まずはじめに、自己紹介から。
なんか、合コンみたいで面白いですね(笑)。

しみなお

大瀬良さん

僕も思った! 飲み会みたいで笑っちゃうな(笑)。
このご時世ですから、ノンアルコールですけどね……。では、しみなおさんからどうぞ!

三浦

しみなお

TABIPPOの代表を務めている清水です。11年ほど前に世界一周をし、その時に出会った仲間とともに「旅を広めよう」という名目で今の事業をスタートしました。

当時のTABIPPOは大学在学中に仲間内で立ち上げた「学生団体」だったのですが、かなり多くの学生の方々による協力のおかげで、僕が会社員だった時代もずっと続けてこられましたね。それも、気づけば今や会社になっちゃった、ぐらいの感じで。やっと8期目を迎えたところです。

大瀬良さん

僕としみなおは、昔からプライベートでも仲良しなんですよ。もともとは、たしかTABIPPOからアプローチがあったのかな? 仕事のつながりがふくらんでいって行って、しみなおの家で肩を組んでお酒を飲みながら熱唱してたり(笑)。
いや、どんな会なんですか(笑)!

三浦

大瀬良さん

それぐらい仲良しってことです! ではでは、僕も自己紹介を。長崎にて生まれ育ち、大学生の頃に「海外に住みたい」と思ったのがきっかけで「旅」を始めるようになりましたね。カナダに1年と、フランスに3ヶ月住んだのかな。

で、日本に帰ってきたときに、ふと「日本って良い国だな、長崎って良い地域だな」と思えて。まさに旅の醍醐味ですね。自分の国の良さに気づく、というか。その結果「国」や「地域」をもっと発信していくことに対して興味が出てきて、電通に入ったんです。

大瀬良さん

そこで、東日本大震災をきっかけに改めて「地域」で何かをしなくちゃ、という気持ちが強くなったんですよね。何十億円なんていう広告費をかけて自分の目で見えない人たちに広告を届けるよりも、目の前の人のひとつの「笑顔」を見た方が、きっと僕は幸せなんじゃないか、って。

そうして、「地域」に関わることをしたいと思う気持ちが強くなりましたね。結果的に、高知県の仕事をするようになって。そうしたところ、社内の方々が「県のことをやったんだからお前は国のこともできるだろう」となって。その末、ご縁をいただき内閣広報室のお膝元へ。そこでは、インスタグラムだったりとか、SNSのプロジェクトを担当しました。

長崎から、カナダ・フランスへ。帰国後は「地域」の仕事、その後に内閣広報室へ。たくさんのお仕事をご経験されたんですね。

三浦

大瀬良さん

そうですね。カナダやフランスで「広い国」の目線を持ち、その後に「地域」の目線を得たのですが、正直「日本ってヤバいんじゃないか?」と思うようになったんですよ。以前はまだ発展段階だった東南アジアの国が大きく成長してきたタイミングで。日本が取り残されているような気持ちになったんですよね。
いわば、焦りというか。

三浦

大瀬良さん

もはやどこでも働けるような「土壌」はあるのだから、その「仕組み」を作ろう! と思い立ち上げたのが『HafH』です。今は3年目で、奇しくもコロナの感染拡大があり、リモートワーク・ワーケーションといった文化を後押ししながら成長していっています。

なるほど、仕組み化の文脈で『HafH』を立ち上げられたんですね。

LivingAnywhere Commons』を手がける小池さんとは今回初めてお会いするので、お話を聞けることがとっても楽しみでした! 小池さんは、いかがですか?

しみなお

小池さん

お二人のこと、「仲良しだなぁ…」って、実はちょっとうらやましく見てました(笑)。よろしくお願いします。僕は大瀬良さんのような “想い先行型” ではまったくないんですよね。社会人になるまで、バイトもしたことなかった。どんな仕事をしようか考えても、何もなかったんです。なんとなく「飲食店で働けばご飯は食べられるだろう」ぐらいの感覚でした(笑)。

就職のタイミングでも、思い浮かぶ仕事がほとんどなかったので、「とりあえずプロになろう」と思って。その際、パッと頭に思い浮かぶ「プロ」って、「バーテンダー」だったんですよ。

バーテンダー……? かなり突然で面白い!

三浦

小池さん

所作や会話の仕方がすごいなぁと昔から思っていて。だから、就職活動もせずバーテンダーをやってたんです。で、技術はある程度習得したので、ビジネスを学ぼうと思って転職することに。そうして、「飲食コンサルタント」の仕事に就きました。高い実績を出せていたのですが、結局倒産してしまい。ぶっちゃけ資金繰りが上手くいっていなかったようでした……。

そこで、「じゃあ経営を学んでみよう」って思って入ったのが、今の「LIFULL」なんですよ。もともとは「HOME’S」っていう広告のいち営業マンとして入社しましたね。地方担当だったんですが、年間トップをいただいたりして、順調に社会人デビューしました。

年間トップ! それはかなりすごいですね。

しみなお

小池さん

そこから、新規営業の責任者を務めたのですが、僕はあくまで「企業の中の人」だったんですよね。外に出ていくことがほとんどなかったし、きっと次のステップへ行くなら「部長」とかを目指すのかなと朧げなキャリアビジョンを描いていたところ、今ともに働いている孫 泰蔵さんや井上高志さんと出会って、『Living Anywhere』のプロジェクトをスタートしました。

それまでは、与えられたミッションをコミットすることばかり考えていましたが、「作りたい社会」みたいなのをみんなで描いて、実際に形にすることを初めて経験できたんです。もう、めちゃくちゃ面白いなと思って。やっぱり「外に出ること」がアウトプットを生み出すじゃないですか。その経験はとても大きな財産になりましたね。ある種の「旅」でしたから。

Doから、Beへ。“あり方” を叶えることで未来を紡いでいく

三浦

ここまでは、それぞれ三人の過去の話をしていただきましたが、ここからは「リーダー的存在にはこうあってほしい」や「こんなリーダーとして動いてきた」といったことを、それぞれの目線で、お話いただけたらな、と思います。
僕、ずっと「今与えられたことを一生懸命やる」というポリシーで働いてきたんです。『LivingAnywhere Commons』に関しても、代表の井上や泰蔵さんが描く「未来の姿」を理解した上で、それを形にしていくことが僕の役目だと感じていて。絵に描いた餅にしないように、しっかり事業として続くようにさせることを。

小池さん

三浦

アイディアだけで終わらせない、というか。

大瀬良さん

なるほど。今の学生さんとかと話していると、「やりたいことが見つからなくて悩んでいる人」を結構見かけるんですよね。でも、小池さんの話を聞けば、それで良いんだ! と思えるような気がしていて。悩むことも多いけれど、実はそうじゃないんだ! って。とにかくやろうよ! って。

「何かをやりたい」って、「モテたい」とか「お金持ちになりたい」といった具体的なものではなくて、「状態」なんだと思うんです。Doじゃなく、Be。むしろ、DoがBeに入れ変わる瞬間がある、というか。だから「何をしていてもいいけど、こういう状態でありたい」っていうのを大切にしているんだろうな、と思うんですよね。小池さんは。

小池さん

僕自身、「なんでそうなれたんですか?」って聞かれることが多くて。ぶっちゃけ「知らないよ!」って気持ちが強いんですよね(笑)。だって、目の前のことを一生懸命やっただけだから。
「いつから起業しようと思ったんですか?」って質問にも、「思ったこと一度もないです」って答えちゃったり(笑)。

大瀬良さん

しみなお

かなり共感します。TABIPPOって、元々は僕が大学生の時にボランティアで始めた活動なんです。その仕事を今でもずっとやっていて。「会社」にするつもりは一切なかったですね。気づいたら仕事になってた、って感じですよ。「やりたいことがある」といった姿が正しい、なんて思ったことがなくて。
「やりたいことハラスメント」ってない?? 夢ハラじゃないけどさ。

小池さん

一同

あるある!!

最近よく、それをすごく感じてて。怖いとすら思ってます。時代がコロナでがらっと変わってきたじゃないですか。そのうえで、「やりたいこと」はインプットからしか出てこないから、あんまりそればかりを追いかけるのもどうなのかな?って。

執着しすぎると、時代の変化に対応できなくなっちゃうな、って。「夢に期日を決めろ」って、変化に弱い考え方だなって思う。だからこそ、POOLO NEXTに参加してくださる方々には、「自分なりの気づき」を持ってきていただきたいなぁと思っています。

小池さん

三浦

自分なりの気づき、ですか。

小池さん

感覚として、みんなコロナ以降で「今までとは全然違うな…」といった思いを持っているはず。変化に対応しようとしているはず。ただ、「俺はこれをやりたいんだ!」と示す際って、論理も正直ないし、マーケットだってないじゃないですか。今は。だからこそ、その際に “I believe ~~~ because of…….” の部分が大事になってくると思っています。「何」を信じているか、という部分。いわば「想い」ですね。
なんだか、ふと「こういう人たちからフィードバックをもらえる機会って本当に貴重だな」と感じましたね。あまり他にないと思っていて。POOLO NEXTのテーマは「次世代のリーダー」なんですが、お二人には「新しい風を吹かせる方々」として講義をおこなってほしいですね。

しみなお

大瀬良さん

ちょっと恥ずかしくなってきちゃうから、急に褒めないでよ(笑)。真面目な話をすると、僕は、POOLO NEXTの参加者にも身の回りの学生さんたちにも、「まずは自分が幸せになってほしい」と思うんです。人のことを幸せにするよりも、まず自分から。じゃなきゃ楽しくないじゃないですか。自分がどういう状態にあったら幸せか、というゴールを持っていてほしいなぁ、と。
まさにBeですよね。

しみなお

大瀬良さん

そうそう。だから「みんなはどうありたいの?」といった部分を掘り下げていくためのYES NOクイズをつくろうと思って。「あなたはAタイプ、あなたはBタイプ」のような形で、自分の「想い」を再確認してもらえたらなと考えています。

なんとなくふわっと「旅が好き!」って人が多いんですよ。もちろんその心は大切なんだけど、これから自分が旅とどうやって向かい合っていきたいか、といったところを意識してもらいたいです。その先がHafHなのかもしれないし、TABIPPOかもしれないし、新たな事業かもしれないし。そこを見つめて初めて見えるものが出てくるんだろうなぁって。

しみなお

もうすでにPOOLO NEXTが楽しみです。あれもこれもたっぷり話すことができて、なんだか一人のイベント参加者のような感覚でお話を聞いちゃいました(笑)。ノンアルコールビールだけで、お酒抜きでもこんなに熱い話ができるんだから、当日はもっともっと実りある話が聞けるんだろうな。
いや、当日お酒飲まないけどね(笑)!?

大瀬良さん

一同

(笑)

・・・

まさに、しみなおさんが言った “一人のイベント参加者のような感覚” が味わえた、今回のぶっちゃけ鼎談。筆者のわたしも、原稿を書きながら「これも書きたい……。これも……。できればこれも………」と、ある意味 “幸福な悩み” のような感情をいだく場面が多々ありました。POOLO NEXTではきっと、今回の記事に登場しなかった話題が多数挙がってくるはず。ぜひお楽しみにしていてくださいね!

ゲストプロフィール

大瀬良 亮
長崎出身。カナダ、フランスでの長期滞在を経て、株式会社電通へ。「世界」と「地域」の両方の視点から、2018年に “世界を、旅して働く” をコンセプトとした定額制宿泊定額移住サービス『HafH』をリリース。近頃はTikTokで若者文化を勉強中。
小池克典
バーテンダーから観光業界へ、異色の経歴を持っている『LivingAnywhere Commons』の代表。ひとりひとりの “because of(なぜなら)” を大切に、『LAC』でもさまざまな方との交流をおこなっている。最近はお子さまとの遊びで忙しく、本を読む時間が取れず苦しいのだそう。
清水直哉
TABIPPOの創業メンバーとして、旅への想いをさまざまな方に伝える。旅の力で世界を豊かにすることに人生を賭け、観光・旅行業界の未来を変えようと奮闘中。大のお酒好きで、漫画とアニメも大好き。

今回のゲストが登壇する「POOLO NEXT」は、6/16まで参加者募集中!


POOLO NEXT」は、株式会社TABIPPOが運営する”2030年の観光業界を担う次世代リーダー養成スクール”のこと。参加者それぞれが本気で実現したいビジネスプランを、半年間の講義内で立てることがミッションです。(事業リリース記事はこちらからご覧いただけます)

今回の記事に出演したゲスト3名(HafH大瀬良亮さん、LAC小池さん、TABIPPO清水)をはじめ、その他講師として登壇するのは、観光業界の第一線で活躍しているビジネスリーダーたち。宿泊施設や観光サービス、観光局を運営する豪華な講師陣から、リアルなビジネススキルを伝授してもらいます。


全12回オンラインで開講予定の授業や、受講生それぞれに手厚くバックアップするためのメンター面談などを経て、全スクール受講後に事業立ち上げを行えるよう、サポートしていきます。

<募集要項>
・応募期間:〜6/16(水)23:59
・開催期間:6/19(土)〜12/4(土)
・定員:50名
・参加費:通常プラン300,000円(税別)、特待生プラン 無料or50%オフ
・受講方法:オンライン
・公式サイト:https://poolo.tabippo.net/next/1st/

現在、上記の公式サイトにて受講生を募集中。TABIPPOと一緒に観光業界を盛り上げていきたい方、既に挑戦してみたい事業のプランがあるけれど、挑戦したことがなく悩んでいる方など、どんな方でもお気軽にご応募ください。

All photos by Shigeki Naganuma

※撮影時のみマスクを外しております。記事制作に際して、インタビュー対象者及び関係者、制作スタッフの安全を図って敢行しております。

ライター

1993年2月26日生まれ、北海道出身。WEB制作会社、編集プロダクション、ECサイトディレクター$を経て、2020年4月に独立。ライター・編集者として活動する。地方で昔から営業している古い居酒屋で、おじいちゃんおばあちゃんと友達になるのが好き。

RELATED

関連記事