ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

昨年の緊急事態宣言でしばらくは海外旅行に行けないという現実を目の当たりにしたとき、今までの旅行の記録を自費出版という形で1冊の本にまとめることにしました。チャレンジしたのは、自費出版を調べるなかで、最も手軽だとわかった「KDP」です。

国内旅行や海外旅行の思い出をSNSでアップするのもいいですが、「本」という形にするとさまざまなメリットが得られます。筆者の経験をもとに自費出版の魅力を解説します。

前金は不要!Amazonを通じての自費出版

photo by Nitta Hiroshi
今回紹介するのは、Amazonが提供する自費出版サービス「KDP」(Kindle Digital Publishing)です。

「自費出版」と聞くと「在庫分の前金を支払わないといけないのでは?」と思うかもしれません。しかし「KDP」にすると、そのような費用は一切なし。

そもそも「KDP」は電子書籍「Kindle」向けなので、印刷代や在庫は発生しないのです。著者に支払われる印税率は販売価格の35%もしくは70%となります。

「KDP」を通じた自費出版本は無料で製作可能。「KDP」は自費出版本のハードルを思いっきり低くした画期的なシステムなのです。

本格的な作品に仕上げたければ編集会社に依頼するのもアリ

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自費出版におけるデメリットのひとつとして、「作業量が多い」という点が挙げられます。まずはワードなどのツールに下書きをし、次にKDP向けのツールで編集作業……という流れですが、根気がないと途中で挫折するかもしれません。

筆者は編集作業のやり方がよくわからなかったので、「KDP」の編集作業を行う編集会社に依頼しました。ついでにAmazonで紙媒体の「本」として仕上げてくれるPOD(プリント・オンデマンド)も追加することに。

必要資金はどのくらい?

支払った金額はざっと5万円ほど。私の自費出版本は10年間に渡る海外旅行のエッセイ本でしたが、費用はクラウドファンディングで集めました。

編集会社に依頼すると編集作業が省けますし、本格的な作品に仕上げてくれるので超おすすめです。何しろ、原稿(ワード)をそのまま編集会社に送ればいいだけなのですから。

写真挿入も自由自在、本格的な作品に

もちろん、文章だけでなく写真を追加することもできます。写真はカラーで載せられるので、なかなか本格的な作品に仕上がりますよ。

執筆と校正・校閲

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本を出す……となると「執筆」の作業が重要視されがちですが、案外「校正・校閲」が大切だということをご存じでしたか?その理由を紹介しましょう。

執筆はスピード勝負

執筆は、とにかく一気に書き上げることをおすすめします。人にもよると思いますが、ダラダラ書くと、なかなか先に進めません。そのため、執筆前に旅行の行程や資料を整理したり、構成をじっくりと考えたりすることが大切です。

それなりの本に仕上げるなら2万字(一般的な卒業論文)は目指したいところ。「2万字も書けるかな……」としり込みするかもしれませんが、いざスイッチが入ると一気に書き上げられるものです。ちなみに筆者は緊急事態宣言で生じた空き時間を使って、1ヶ月で2万字を執筆しました。

校正・校閲は最後の砦に

作品の良し悪しを決めるのは、執筆ではなく校正・校閲です。いくら良い作品であっても、誤字ばかり、事実誤認ばかりでは評価が大きく下がってしまいます。だからこそ、執筆以上に校正・校閲の作業は大変なのです。

誤字脱字を確認する校正は、第三者に読んでもらい、チェックを受けることをおすすめします。編集会社によっては校正サービスを提供するところもありますよ。

校閲とは端的にいうと、“執筆した文章の内容に間違いがないかを確認する”こと。これは執筆者が担う必要があります。執筆した文章を印刷し、資料や記憶と照らし合わせながら、慎重に進めていきましょう。

とは言っても、最初の自費出版本で「間違いゼロ」というのは不可能だと思います。「KDP」のメリットとして発売後の訂正も比較的容易であることも挙げられます。間違いを見つけても冷静に対応すればOKです。

自費出版本で得られるメリットとは

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苦労して世に送り出す自費出版本にはさまざまなメリットがあります。最もわかりやすい例は旅行イベントにスタッフとして参加できることです。

旅行イベントでは当たり前ですが、原則として商品がなければスタッフとして参加することはできません。一方、自費出版本があればブースでいろいろな人に販売できます。

本を介しての旅人との交流はものすごく楽しいことです。いわば、自分の本が自分の名刺代わりになるのです。もしかすると、自費出版本を通じて、副業や仕事の幅が広がるかもしれません。実際に筆者は自費出版本を通じて、大学でオンライン講義をする機会を得ました。

一点注意するとすれば、自費出版本で大金を得るという目標は捨てること。よほどの有名人でない限り、大量に本が売れることはありません。自費出版本は漢方薬のようにジワジワと効くのです。

ぜひ、あなただけの本を出版してみましょう!思わぬ出会いが生まれたり、旅の魅力を再発見したりすることでしょう。

ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

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