ライター
永崎 裕麻 生きる旅幸家

「旅・教育・自由・幸せ」を人生のキーワードとして生きる旅幸家。 2年2カ月間の世界一周後、世界幸福度ランキング1位(2014/2016/2017)のフィジー共和国へ07年から移住し、現在13年目。 100カ国を旅し、14カ国で留学した経験を活かし、内閣府事業に参画、教育企画の立案、ライターとして「ハフィントンポスト(日本版)」「日経doors」などで執筆、「幸せに気づくコーチング」、「40歳定年」などの活動中。 二児の父。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。

みんな言います。幸せになりたいと。でも、どこか本気ではない。ただ、合言葉のように言ってるだけ。そんな気がしませんか?

「ボクらは本当に幸せになりたいのだろうか?」

そんな問いが心に生まれたキッカケがありました。

「幸せ」になりたいか、それとも「北川景子」になりたいか


万学の祖であるアリストテレスはこう言います。

『幸福は人生の目的であり、すべての人間にとっての最終目標である』

以前、とある女子大学で「幸せ」について授業をする機会がありました。そのとき、女子大生たちにこんな質問をしてみました。

ーーあなたはどっちになりたいですか?「幸せ」になりたいか、それとも「北川景子」になりたいか。

約8割の女子大生は、「北川景子」を選びました。

アリストテレスは間違っていたのか。それとも北川景子が最強すぎるのか。ここに何か「幸せの正体」のようなものが隠れているように思いました。

幸せ保証のある「平々凡々」か、幸せ保証のない波乱万丈か


皆さんにも考えてほしい問いがあります。生まれ変わるならどっちの人生がいいですか?

A. 幸せ保証のある「平々凡々」な人生
B. 幸せ保証のない「波乱万丈」な人生

さあ、どちらでしょう?

Aだと絶対に幸せになれます。Bだと幸せになるかもしれないし、不幸になるかもしれない。どっちにしますか?

いろんな場所でこの質問をしていますが、驚くことにBを選ぶ人のほうが多いです。

つまり、「幸せ」よりも大事なものがあるということでしょうか。そうだとすれば、私たちは何を求めているのでしょうか。

幸せになりたいのではなく、○○したいだけ


今回の記事では私の考える「仮説」を3つ書きたいと思います。

【仮説1】私たちは幸せになりたいのではなく、シーソーゲームを楽しみたいだけ。

さっきの質問からわかることは、「幸せ」よりも人生がゲームのようにアップ・ダウンを繰り返しながら、刺激的なものであることを願っている人たちもいるということです。

有名な話ですが、90歳以上のアメリカ人(1,000人)に「人生で後悔していることは?」と聞くと、9割が同じ答えをしたそうです。その答えとは、「もっと冒険しておけばよかった」です。

シーソーで遊ぶとき、ずっと上や下で止まり続けていても楽しくありません。上がったり下がったり、動きがあるからシーソーは楽しいんです。人生も同様です。私たちが求めているのは「幸せ」よりも「変化」なのかもしれません。

【仮説2】私たちは幸せになりたいのではなく、後悔したくないだけ

私は世界一周したり、フィジーに移住したり、トリプルライフ(世界3拠点生活)をしたりしているので、周りからはアウトドア派と思われることが多いですが、実際はインドア派で、BBQとか大嫌いなタイプです。

インドア派の私がなぜ「世界一周」や「フィジー移住」をするのか。それはひとえに「後悔したくない」からです。


サラリーマン3年目のある日、「脱サラして世界一周する」というアイデアが浮かんできました。実際に世界一周をするぞと決断した際、旅している自分を想像してワクワクしまくっていたかというと、そんなことはありませんでした。「思いついてしまったから、やっとかないと後悔しそうだな」という感覚のほうが強かったように思います。

私は趣味もほぼありません。「やりたいことを100個書き出せ」系のワークショップとか苦手です。2個くらいしか思いつきません。「やっとかないと後悔するかもしれないこと」を思いつくたびに潰していっています。

心理学者のショーン・エイカー氏がこう言っています。

『成功するから幸せになるわけではなく、幸せだから成功する』

「幸せ」は目的ではなく、お金や時間のような「リソース」です。「幸せ」という感情資源をモチベーションや勇気に変換することで、冒険したり、後悔しないための行動をとることができるのかもしれません。

【仮説3】私たちは幸せになりたいのではなく、不幸になりたくないだけ

突然ですが、私たちの感情は何種類あるのでしょうか。

心理学者のロバート・プルチック氏によると、色が三原色(赤・青・黄)の組み合わせ方で無限にパターンを作ることができるように、感情には「純粋感情」と呼ばれるものが8種類あり、その組み合わせ方で無限のパターンの感情が作り出されるそうです。

では、8つの純粋感情とは何か。「喜び・信頼・怖れ・悲しみ・嫌悪・怒り・予期・驚き」です。

「喜び・信頼」の2つはポジティブな感情であり、「怖れ・悲しみ・嫌悪・怒り」の4つはネガティブな感情です。「驚き・予期」の2つはポジティブでもネガティブでもありません。

ネガティブな感情が多いのが目立っていますね。身の危険を回避する(サバイブする)ためにはネガティブ感情が優れている必要があるからでしょう。

私たちは「ネガティブ」に対してより敏感です。たとえば「得をするよりも損をしたくない」と思っています(プロスペクト理論)。言い換えると、幸せになるよりも不幸になりたくないということなのかもしれません。

最後に


私はフィジーに住んでいます。フィジーは世界幸福度ランキング1位の常連です。本当にそうなのか、実際にフィジー人たちに「Are you happy?」と聞いてまわったことがあります。

いちばん最初にインタビューしたフィジー人(20代男性)はこう答えてくれました。

『I am not unhappy.(私は不幸ではない)

My family are not unhappy.(私の家族も不幸ではない)

So we are happy.(だから私たちは幸せなんだ)』

「不幸でない=幸せ」ということです。「不幸ではないけど、幸せでもない」ってことはあると思っていましたが、彼の理論だと「不幸でなければ、即幸せ」です。

この考えだと、幸せの範囲が膨大になります。これが幸せの天才フィジー人のロジックなのかもしれません。

「ボクらは本当に幸せになりたいのだろうか?」

普通、疑わない部分にメスを入れていくことで人生のヒントが得られることがあります。幸せの正体は100人100通り。また、時の経過に応じてその答えも変容します。だからこそ、探求し続けることが必要です。今回の記事がその一助となれば幸いです。

また、フィジーからこんなオンラインイベントもやっています。

『アフターコロナ時代の幸福論 〜まだシアワセを目指すのか?〜』

とっとと「幸せ」なんかハッキングしちゃって、Beyond Happinessのステージにシフトしていきませんか?
イベントの詳細を見る

All photos by Yuma Nagasaki

ライター
永崎 裕麻 生きる旅幸家

「旅・教育・自由・幸せ」を人生のキーワードとして生きる旅幸家。 2年2カ月間の世界一周後、世界幸福度ランキング1位(2014/2016/2017)のフィジー共和国へ07年から移住し、現在13年目。 100カ国を旅し、14カ国で留学した経験を活かし、内閣府事業に参画、教育企画の立案、ライターとして「ハフィントンポスト(日本版)」「日経doors」などで執筆、「幸せに気づくコーチング」、「40歳定年」などの活動中。 二児の父。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。

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