御射鹿池(長野県)
ライター
かわい まゆみ 絶景ハンター&トラベルライター

かつてミステリーハンターに憧れた、好奇心旺盛、タフさ、度胸、鉄の胃腸とフットワークの軽さ、何より悪運の強さが持ち味の女ひとり旅88カ国。秘境絶景地球のワンダー、日本人になじみの薄いマニアックなスポット、B級グルメに屋台飯が大好物。世界は驚きに満ちている、老いも若きも男女の別なく、"外に出たい"その一歩を後押しする何かを提供できたら嬉しいです。

こんにちは、絶景ハンターのまゆみです。

初夏の暑さが続く今日この頃。吹き出す汗に渇く喉、気分はもう真夏ですね。

そんな日常をしばし忘れさせてくれるのが水の絶景。美しい水の湧き出る光景は見ているだけで涼し気で、その音も味わいも、すべてが心とからだをすっきりさせてくれて気分爽快、何より大地の恵みからパワーをいただいて運気が上昇しそうですよね。

今回はそんな美しい水の湧き出るスポットの中でも、選りすぐりの神秘の絶景池を10か所ご紹介します。

北海道|神の子池

神の子池(北海道)Photo by Mayumi
道東斜里地方にある清里町。その南部に位置する摩周湖の外輪山の森にたたずむのが「神の子池」です。

かつてアイヌ語で「カムイトー(神の湖)」と呼ばれた摩周湖は、その伏流水が湧き出していると信じられたことからこの名がついたとされています。

周囲約220m、水深約5m、一日の湧水量は1万2,000トンにも及び、年間を通して水温は8℃で冬でも凍りません。水底には化石のように朽ちずに横たわる倒木がくっきりと見え、吸い込まれそうなコバルトブルーはまさに“神の水”のごとく神秘的。そのため、ここはパワースポットとしてもひそかに人気です。

駐車場からわずか徒歩1分、周囲には遊歩道が渡され、気持ちのいい森林浴が楽しめます。

■詳細情報
・名称:神の子池(かみのこいけ)
・住所:北海道斜里郡清里町清泉
・地図:
・アクセス:清里町内から道道1115号(摩周湖斜里線)を南下、25㎞ほどのところにあるハトイ林道に入り、約2㎞、所要時間約30分
・清里町公式サイト:https://www.town.kiyosato.hokkaido.jp/kankou/spot/kaminokoike.html

青森県|青池

青池(青森県)Photo by Mayumi
青森県と秋田県にまたがる世界遺産白神山地。その西側山麓の青森県深浦町にあるブナ林には、18世紀頃の大地震による山崩れで誕生したとされる大小33の湖沼群「十二湖」が存在します。その十二湖のシンボル的存在が「青池」です。

直径30mほどの小さな池はサファイアブルーの紺碧をたたえ、陽の光が差し込むと驚くほど透明度が増し、朽ちずに横たわるブナの大木まではっきり見えます。

最大深度約9m、1年を通して水温は9℃に保たれ、厳冬期でも凍ることなく神秘の青をたたえています。

なお、この神秘の絶景を見るためには、晴れた日のお昼前後の訪問がおすすめ。雨や曇り空の場合、くすんだ状態に変化して想像していた感じと違う……となってしまう可能性も。

ちなみに、青池からブナの自然林を通過し500mほど先にある「沸壷(わきつぼ)の池」もまた、青池に匹敵するか、あるいはそれ以上の透明度と美しさで必見ですよ。

■詳細情報
・名称:青池(あおいけ)
・住所:青森県西津軽郡深浦町松神
・地図:
・アクセス:電車の場合、JR五能線「十二湖駅」下車、弘南バスにて終点「奥十二湖駐車場」バス停で下車、目の前の「森の物産館キョロロ」から徒歩10分程度。車の場合、東北自動車道「青森IC」から国道101号経由、所要時間約2時間15分
・十二湖の森公式サイト:https://www.fukaurajyuniko.com/enjoy/aoike-lake

山形県|丸池様

丸池様(山形県)Photo by Mayumi
山形県と秋田県にまたがる霊峰・鳥海山。その西側山麓に位置する山形県遊佐町(ゆざまち)には鳥海山の伏流水で生まれたエメラルドグリーンの池「丸池様」が存在します。

池のほとりには、池そのものを御神体とする「丸池神社」が祀られ、地域の人々は親しみと畏敬の念を込めて、古くから「丸池様」と呼んでいます。

直径約20m、水深約3.5m、水温は一年を通じてほぼ11℃。その冷たく澄んだ水底には、龍が眠っているかのごとく、うねった倒木が朽ち果てずに静かに横たわり、霊泉がコンコンと湧き出ています。そのただならぬ空気はまさに聖域。

光の加減でエメラルドグリーンの色が移り変わる丸池様のもっとも美しい姿を見たいなら、天気が良い日が続いた晴れた日のお昼前後がおすすめです。

ちなみに、すぐそばを流れる、同じ鳥海山の伏流水を水源とする「牛渡川(うしわたりがわ)」では青々とした梅花藻(バイカモ)が繁茂し、その清流を使った鮭の人工孵化場が隣接しています。

■詳細情報
・名称:丸池様(まるいけさま)
・住所:山形県飽海郡遊佐町直世荒川57
・地図:
・アクセス:JR羽越本線「吹浦(ふくら)駅」から徒歩約20分。車の場合、日本海東北自動車道「遊佐彦(ゆざひこ)IC」より国道7号経由で約15分
・遊佐鳥海観光協会公式サイト:https://www.yuzachokai.jp/spot/yuusuigun/

福島県|五色沼(魔女の瞳)

五色ヶ沼(魔女の瞳)(福島県)Photo by Mayumi
「五色沼」というと、裏磐梯に広がる湖沼群の一つを思い浮かべる方が多いですが、同じ「五色沼」でもこちらは福島県と山形県にまたがる吾妻連峰の一座「一切経山(いっさいきょうざん、標高1,949m)」の火口部に広がるカルデラ湖。

直径およそ300m、緑に囲まれた紺碧のコバルトブルーの湖は、その美しさから通称「魔女の瞳」「吾妻の瞳」とも呼ばれ、多くの登山客を魅了しています。

光の加減でブルーの色が変化するのも五色沼の特徴で、やはりもっとも美しいのは雲の少ない晴天日。特に錦繍の景色に包まれた五色沼は言葉を失うほどの美しさです。

一切経山の山頂部からは五色沼のほか、南東部では標高1,707mの吾妻小富士が見渡せ、その眺望は抜群です。また、ルートの途中には美しい湿原や高山植物も楽しめて日帰り登山ハイクに最適ですよ。

■詳細情報
・名称:五色沼(ごしきぬま)
・住所:福島県福島市土湯温泉町 一切経山
・地図:
・アクセス:東北自動車道「福島西IC」から国道115号、県道70号、磐梯吾妻スカイラインを経由して浄土平ビジターセンターまで車で約50分。浄土平レストハウスから五色沼まで片道約2時間弱のトレッキング
・浄土平ビジターセンター公式サイト:https://www.bes.or.jp/joudo/vc/natural/swamp.html

栃木県|出流原弁天池

出流原弁天池(栃木県)Photo by Mayumi
栃木県佐野市、閑静な住宅街に置かれた磯山弁財天。その足元にたたずむのが「出流原弁天池(いずるはらべんてんいけ)」です。

周囲約138mと小さな池ですが、日本の名水百選にも選ばれた屈指の名水が湧き、その驚異の透明度で、池を泳ぐ鯉たちがまるで優雅に宙を泳いでいるかのような、そんなふしぎな光景に出会えます。その神がかった水の美しさは、地域ボランティアによる月イチ清掃の賜物です。

雨上がりの早朝には池の上に大量の気嵐が発生し、その様子は実に幽玄かつ神秘的で、この世のものとは思えない光景に。

道路を挟んだホテル一乃館入口脇には弁天池の名水の給水所が設置され、誰でも無料で水を汲むことができます。ぜひ、佐野のソウルフード「いもフライ」と一緒に味わってみてください。

■詳細情報
・名称:出流原弁天池(いずるはらべんてんいけ)
・住所:栃木県佐野市出流原町1117
・地図:
・アクセス:北関東自動車道「佐野田沼IC」より車で約8分
・磯山弁財天観光協会公式サイト:https://isoyamabenzaiten.com/

長野県|御射鹿池

御射鹿池(長野県)Photo by Mayumi
長野県茅野市、奥蓼科温泉郷のさらに奥にたたずむ標高約1,500mの池が「御射鹿池(みしゃかいけ)」です。

実はこの池、天然ではなく、人工的に作られた幅120mほどの小さな農業用ため池です。周囲のカラマツ林と水鏡に映し出されたリフレクションが実に美しく、日本画の大家・東山魁夷画伯の名作「緑響く」のモチーフで知られ、さらに女優・吉永小百合さんが出演したSHARPの液晶テレビAQUOSのCMに起用されたことで一躍有名になりました。

四季を通じて表情を変える御射鹿池は現在、長野県屈指の人気スポットとなり、駐車場や防護柵等も整備されています。

なお、御射鹿池の名前の由来は、神にささげる供物として鹿を射る諏訪大社の御神事にちなんでいるとされています。確かにこの周辺には鹿が数多く生息しており、運がよければ、「緑響く」の作品のように水辺に鹿が現れることもあるようですよ。

■詳細情報
・名称:御射鹿池(みしゃかいけ)
・住所:長野県茅野市豊平 奥蓼科
・地図:
・アクセス:電車の場合、JR茅野駅からアルピコ交通バス・奥蓼科渋の湯線「渋の湯」方面に乗り換え、「明治温泉入口」バス停下車、徒歩1分。車の場合、中央自動車道「諏訪IC」下車、国道152号経由、所要時間約30分
・茅野観光ナビ公式サイト:https://navi.chinotabi.jp/spot/3076/
ライター
かわい まゆみ 絶景ハンター&トラベルライター

かつてミステリーハンターに憧れた、好奇心旺盛、タフさ、度胸、鉄の胃腸とフットワークの軽さ、何より悪運の強さが持ち味の女ひとり旅88カ国。秘境絶景地球のワンダー、日本人になじみの薄いマニアックなスポット、B級グルメに屋台飯が大好物。世界は驚きに満ちている、老いも若きも男女の別なく、"外に出たい"その一歩を後押しする何かを提供できたら嬉しいです。

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