ライター
桃(Momo) フリーライター

書く人・エッセイスト。アメリカ・イギリスでの短期語学留学、ヨーロッパ鉄道周遊ひとり旅など経て、新卒でベンチャーの旅行会社に就職。現在は複数メディアにてフリーのライター兼編集者。趣味は英語で、映画は洋画を中心に年間150本を鑑賞。渡航国数は23ヶ国。

年間180本の映画をみるライターの桃(@XxPeach)です。ディズニー・ピクサー作品で映画「トイ・ストーリー3」のスタッフが製作した、映画「リメンバー・ミー」。大人も子供も泣けると噂の映画は、公開から時間が経った今でもその人気は劣りません。

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作品の舞台はメキシコ。陽気な音楽と国民の祝日「死者の日」からなる今作のネタバレ感想をお届けします。これまでメキシコに行ったことがなかった方も、素晴らしい映像美とアニメーションで、メキシコの死者の日を体感することができるでしょう。

死者の日と今回のテーマである二度の死を、ストーリーと絡めてご紹介します。

※ この記事にはネタバレを含みます(2ページ目の見出し『衝撃の結末と「リメンバー・ミー」の真相』以降)。ネタバレを読んでも映画自体は楽しむことができるので、ぜひ劇場でもご覧ください。

ピクサー最新作「リメンバー・ミー」

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2018年3月16日に公開された、ピクサー最新作『リメンバー・ミー』。公開前に行われた第90回アカデミー賞で、長編アニメーション賞と楽曲賞を受賞し、「今年一番家族に会いたくなる映画」と言われています。

驚くのはその映像美。最新テクノロジーを用いて作り上げた、本当の人間のようなキャラクターたちに、一つ一つ手書きで作り上げたと言われる死者の国の美しさに、目が奪われました。

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キラキラ輝く建物はもちろん、一番感動したのは主人公・ミゲルのひいおばあちゃん、ココの顔のシワ。ココはあまり言葉を発するキャラクターではないため、ピクサーのクリエイターは顔のシワだけで、ココの人生を語りたいという意図があり、素晴らしい技術で作り上げられたそう。

映像美も感動のストーリーも、両方存分に楽しめる映画が、『リメンバー・ミー』なのです。

あらすじ

主人公は、ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年ミゲル。しかし、厳格な《家族の掟》によって、ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた…。ある日、ミゲルは古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんが伝説のミュージシャン、デラクルスではないかと推測。彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした、その瞬間──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった!

そこは、夢のように美しく、ガイコツたちが楽しく暮らすテーマパークのような世界。しかし、日の出までに元の世界に帰らないと、ミゲルの体は消え、永遠に家族と会えなくなってしまう…。唯一の頼りは、家族に会いたいと願う、陽気だけど孤独なガイコツのヘクター。だが、彼にも「生きている家族に忘れられると、死者の国からも存在が消える」という運命が待ち受けていた…。絶体絶命のふたりと家族をつなぐ唯一の鍵は、ミゲルが大好きな曲、“リメンバー・ミー”。不思議な力を秘めたこの曲が、時を超えていま奇跡を巻き起こす!
ディズニー「リメンバー・ミー」公式サイトより

予告

テーマはメキシコの「死者の日」


Photo by shutterstock

ディズニー・ピクサー新作の映画『リメンバー・ミー』の舞台はメキシコ。「死者の日」という、一年に一度亡くなった人が戻ってくると言われる祝日がテーマとなっています。

「死者の日」には、メキシコ中がオレンジ色のマリーゴールドという花でいっぱいに。そして家や街中にある「アルタール」と呼ばれる祭壇を綺麗に装飾します。「アルタール」には、劇中のように写真を飾りお花を手向けお供え物をし、一年かけて素敵に仕上げるそう。

「死者の日」のお祭りでは「アルタール」だけでなく、実際に故人が眠っているお墓も装飾を施し、亡くなった人を迎えられるようにライトを灯すなど、綺麗に彩られます。

街中ではバンドが音楽を奏でたり、屋台がご飯を食べる人で賑わったり、死者を迎え入れるお祭りとして楽しむ1日となるそう。メキシコでは「死者の日」を楽しく過ごすことが一般的で、「死ぬことは怖くない」という意味を込めているという背景もあります。映画『リメンバー・ミー』でも、「死者の日」を家族で楽しく過ごす様子が描かれています。

ストーリーの大きなキーになる「音楽禁止」の掟

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主人公のミゲルは12歳の少年。ギター片手に耳コピで弾いてしまうほど音楽の才能がありますが、ミゲルの家族は先代から続く「音楽禁止」でした。

 

その理由は一つ、ミゲルのひいひいおじいちゃんは、ミゲルのひいおばあちゃん・ココがまだ小さい頃に、ひいひいおばあちゃんのイメルダとココを置いて音楽の道を選び、家を出て行ってしまったから。イメルダは、女手一つでココを育てながら、家業を創り上げるなどひいひいおじいちゃんのせいでたくさん苦労をしたのです。

陽気なイメージのあるメキシコで、音楽なしの生活を送るミゲル一家はちょっと浮いているのかもしれません…。

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そんな時「死者の日」に街でミュージック・オーディションが行われることとなり、ミゲルは家族に秘密で参加することを決めますが、ひょんなことから家族に知れてしまい、ミゲルは大切なギターを壊されてしまうのです…。

悲しくなったミゲルは家族を振り払い、どうしてもオーディションに出たい!と、「死者の日」で盛り上がる町中を駆け巡り、ある場所を目指します。

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そこは「デラクルス」が祀ってあるお墓。そこにあるギターを借りようと手を伸ばしギターを鳴らした途端…。ミゲルは誰からも見えなくなってしまいました。

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桃(Momo) フリーライター

書く人・エッセイスト。アメリカ・イギリスでの短期語学留学、ヨーロッパ鉄道周遊ひとり旅など経て、新卒でベンチャーの旅行会社に就職。現在は複数メディアにてフリーのライター兼編集者。趣味は英語で、映画は洋画を中心に年間150本を鑑賞。渡航国数は23ヶ国。

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