ライター
新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

今回はスルプスカ共和国を紹介します。とは言っても「スルプスカ共和国」と聞いてピンと来る方は少ないでしょう。スルプスカ共和国はボスニア・ヘルツェゴビナを構成する構成体のひとつです。ぜひ、この記事を参考にしてスルプスカ共和国に立ち寄ってみましょう。

そもそも、スルプスカ共和国とは?

Photo by 新田浩之

先ほども書いたとおり、スルプスカ共和国はボスニア・ヘルツェゴビナを構成する構成体のひとつです。まずはボスニア・ヘルツェゴビナの位置を確認しましょう。ボスニア・ヘルツェゴビナはバルカン半島にある国。1992年にユーゴスラビアから独立しました。

ボスニア・ヘルツェゴビナにはボスニア人、クロアチア人、セルビア人が住んでいます。スルプスカ共和国はセルビア人が多く住むエリアを領土にし、ボスニア・ヘルツェゴビナの49%を占めています。

一応、ボスニア・ヘルツェゴビナに属しますが、独自の旗、独自の歌、そして独自の大統領がいるのが特徴。事実上のスルプスカ共和国の「首都」はバニャ・ルカです。

 

ちなみに「スルプスカ」とは「セルビア人」を意味し、きちんと訳すと「セルビア人共和国」になります。ただし、この表記にすると隣国の「セルビア共和国」と間違えるため、「スルプスカ共和国」と表記することが多いようです。

 

スルプスカ共和国のおすすめスポット

Photo by 新田浩之

日本語で書かれたボスニア・ヘルツェゴビナのガイドブックを見ると、サラエボやモスタルが出てくると思います。サラエボ旧市街やモスタルはボスニア・ヘルツェゴビナ連邦に属します。一方、スルプスカ共和国はボスニア・ヘルツェゴビナ連邦側と比べるとマイナーかもしれません。

 

その中で、おすすめしたいのがセルビア国境に近いヴィシェグラードという町です。ヴィシェグラードにはドリナ川が流れ、ドリナ川には世界文化遺産に登録されているソコルル・メフメト・パシャ橋が架かっています。

16世紀につくられたソコルル・メフメト・パシャ橋と周辺の山々との組み合わせはまさしく絶景!ヨーロッパというよりは中東、アジアのような景色です。

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文学が好きな方はノーベル文学賞を受賞したイヴォ・アンドリッチに注目しましょう。アンドリッチはソコルル・メフメト・パシャ橋を題材にした小説『ドリナの橋』で一躍有名になりました。実はアンドリッチはヴィシェグラードの出身。ヴィシェグラードにはアンドリッチの住居もあります。

このような美しい景色を見ると、トレッキングにチャレンジしたくなる旅人もいるでしょう。ですが、単独でのトレッキングは考えもの。山中には1990年代に埋められた地雷が残っている可能性があります。トレッキングをしたい方は現地でガイドを雇うか、現地ツアーに参加することをおすすめします。

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新田 浩之 フリーライター

国鉄が民営化された1987年生まれ。神戸市出身です。高校の時に読んだある小説の影響で、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、ロシアに強い関心を持つことに。大学、大学院ではユーゴスラビアのことを勉強していました。2016年3月からライターとして神戸で活動しています。 直近では2015年9月から3ヶ月間、友人を訪ねながら、ヨーロッパ14カ国をめぐる旅を決行。ただ、イギリス、フランス、イタリア、スペインなどの西欧諸国には行ったことがありません。

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