ライター
永崎 裕麻 生きる旅幸家

「旅・教育・自由・幸せ」を人生のキーワードとして生きる旅幸家。 2年2カ月間の世界一周後、世界幸福度ランキング1位(2014/2016/2017)のフィジー共和国へ07年から移住し、現在13年目。 100カ国を旅し、14カ国で留学した経験を活かし、内閣府事業に参画、教育企画の立案、ライターとして「ハフィントンポスト(日本版)」「日経doors」などで執筆、「幸せに気づくコーチング」、「40歳定年」などの活動中。 二児の父。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。

私が世界一周をしていたのは2005〜07年の約2年間。約80カ国を旅しました。旅のコンセプトは「移住先を探す」というもの。旅が終わった直後に、フィジー共和国に移住しました。

世界一周を終えて13年。旅で何を得たのかを振り返ってみたときに、大きな資産として感じている「力」を3つ紹介します

1.説得力


「日本っていい国だよね」

この言葉を、世界一周した人が発するのと、一度も海外に出たことがない人が発するのと、受け止められ方は違ってきます。世界一周経験者がおトクなのは、聞き手が勝手に発言の奥行きを想像して感じてくれる点です。ロジックが破綻していたとしても、なんとなく納得感が生まれたり、説得力が増したりします。

聞き手には「何を言うか」よりも「誰が言うか」を大切にしている方は意外と多いです。特に日本には多いように感じます。世界一周を経験していると、話をしっかりと聞いてもらえることもよくあります。時々、下駄を履かせてもらっている感覚がします。

SNS時代、出会いの量は膨大で一人ひとりとじっくりと話すことも簡単ではありません。「世界一周経験者」という肩書きで、短時間で興味をもってもらえたり、信頼関係を構築できたりすることは多々ありました。

「The strength of weak ties」(弱いつながりの強み)として知られるように、新規性の高い価値ある情報は、家族や親友などの強いつながりの人たちからよりも、弱いつながりの人たち(「友達の友達」とか「ちょっとした知り合い」とか)からもたらされることが多いといいます。

弱いつながりを量産するための武器として、世界一周経験は便利に活用できると思います。

2.外国人との関係構築力


私はいままで100カ国を旅しました。また、世界人口ランキングでトップ30の国々(約60億人おり、世界人口の約8割)のうち27カ国を訪問しています。

なので、出会う外国人に出身国を質問すると、95%以上の確率で「行ったことのある国」の名前が挙がります。そうなると、会話に花が咲き、つながりの起爆剤になります。

先日、とあるワークショップに参加しました。世界24カ国からの参加者がいましたが、すべて訪問済みの国だったので、スモークトークが苦手な私も、会話のネタがあり、コミュニケーションのキッカケを作ることに成功しました。

みなさんは「日本に行ったことがある」と言ってくる外国人に対してどういう印象をもちますか? とりあえず悪い印象は持たないのではないでしょうか。そして、「日本のどこを訪れたの?」とか「日本についてどう思った?」とか、いろいろと質問したくなるのではないでしょうか。

世界一周を経験していると、それと同じことが起きます。つまり、訪問したことのある国の方から好印象をもってもらえたり、興味をもってもらえたり、質問もしてもらえます。

あと、意外と価値があると感じるのが、「積極的に話しかけたくなる」というモチベーションです。普段は人見知りでも、韓国語が話せると、韓国人に話しかけたくなるのと同じです。

外国人との出会いの場で自分から一歩前に踏み出す勇気が生まれることが、世界一周の1つのメリットだと感じます。

3.許容力


文化が違うということは「あたりまえ」が違うということです。世界一周中は異文化に触れまくるので、新しい「あたりまえ」のオンパレードです。自分の中で「こうあるべき」と思っていた常識(制約)がそうではないことに日々、気付かされます。

たとえば、私がフィジーでホームステイをしていたとき、庭に干していたTシャツを無断でホストブラザーが着ているのをみて衝撃を受けました。腹もたちました。でも、フィジーはなんでもシェアする文化。無許可(パーミッションレス)でもOKです。そこを理解すると、「それもありなんだな」という新しい常識が自分の中に醸成されます。

いろんな価値観の人を認めることができ、人を許す力が培われます。許容力が身につくと、怒りの感情に振り回されにくくなりますし、器が大きい人だと周囲からの評価も上がります。

結論:「世界一周」は投資対効果が最高の商品


「説得力」や「外国人との関係構築力」によって、世界規模で「つながり」を拡充していくことができます。その結果、世界一周中のように、いろんな価値観に触れることになり、また「許容力」が磨かれていきます。拡張された「許容力」によって、また人が集まってくるので、つながりが量産されていきます。

世界一周がきっかけで、この13年間、そんな好循環がグルグルと回転してきました。一周にかかった費用は2年間で280万円でした。その投資額は、いまどれくらいの価値になったでしょうか。

世界一周する前は友達も全然いなかったような私が、旅中や旅後にソーシャルキャピタル(社会関係資本)を劇的に増やすことができ、怒らなくてもいい穏やかな日々を過ごせるようになったことだけを考えてみても、世界一周の経験に投資するのは利回りがハンパないように感じています。

「つながる」力は令和時代もとても大切なスキルだと思います。世界一周でその力が飛躍的にアップするとすれば、「世界一周」は投資対効果が最高の商品の1つではないでしょうか。

All photos by Yuma Nagasaki

ライター
永崎 裕麻 生きる旅幸家

「旅・教育・自由・幸せ」を人生のキーワードとして生きる旅幸家。 2年2カ月間の世界一周後、世界幸福度ランキング1位(2014/2016/2017)のフィジー共和国へ07年から移住し、現在13年目。 100カ国を旅し、14カ国で留学した経験を活かし、内閣府事業に参画、教育企画の立案、ライターとして「ハフィントンポスト(日本版)」「日経doors」などで執筆、「幸せに気づくコーチング」、「40歳定年」などの活動中。 二児の父。著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。

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