かつて首都として栄えた、モロッコの古代都市フェズ。現在ではマラケシュに次ぐ観光地として人気を集めています。
フェズに来たらぜひとも泊まりたいのがリヤド。リヤドとは、中庭のあるモロッコの伝統建築の家を改装した宿のこと。部屋数は数部屋〜十数部屋という小規模な宿が、モロッコの観光地に無数に存在しています。
世界中の旅行者によって作られる口コミサイト「トリップアドバイザー」にて、常にフェズの人気宿泊先として上位にランクインしているのが「リヤドロルサ(Riad Laaroussa)」。
高い人気と知名度を誇るリヤドロルサに泊まり、その魅力に迫ってみました。
1. アクセス抜群!メディナのど真ん中にステイ
photo by maho
フェズの見どころはなんといっても「世界一の迷宮都市」と形容されることもあるほどの複雑な道をもつメディナ(旧市街。フェズ・エル・バリともいう)。このメディナは世界遺産に登録されています。
タイル装飾が施されたブー・ジュルード門をくぐると、狭い道にスークと呼ばれる露店が立ち並んでいます。そこには雑貨やスパイス、革製品など、お土産にぴったりの品物が多数売られています。
さらに奥にはタンネリと呼ばれるなめし革の作業場を見学できるエリアもあり、観光地として人気です。
リヤドロルサは、そんなメディナのど真ん中という最高のロケーション。フェズの特徴といえば枝分かれしている無数の路地で、道に迷いながら歩くのも旅の楽しみの一つ。買い物や観光に歩き回り、疲れたら戻って一休みするのに最適の宿です。
2. 開放的でおしゃれな空間
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メインの通りのうちの一つ「タラア セギーラ通り(Rue Talaa Seghira)」から細い路地に入ったところにリヤドロルサはあります。重い扉を開けると、そこには別世界が広がっていました……!
まず目に入ってきたのは、静かで開放的な広い中庭。外のあの喧騒や人ごみが嘘のようです。
リヤドロルサは全12部屋で3階建。1階はとても天井が高く、中2階のような場所に部屋があったりと、ちょっと特殊な構造の建物になっています。
「口」の字型のモロッコ建築独特の作りのせいもあってか方向がわからず、中で軽く迷子になるほど広さを感じました。
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最初に泊まったのはリトルブラウンルームという小さめの部屋。部屋の入り口にすぐ狭くて急な階段があるため、大きなスーツケースを持って上がるのはちょっと大変でしたが、スタッフの方が手伝ってくれたおかげでなんとか運ぶことができました。
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次に泊まったのはブルールーム。こちらはこのリヤドでは標準的なサイズの部屋だそうで、1台のダブルベッドと1台のシングルベッドがあります。バスタブはなく、シャワールームは上品なターコイズブルーの色合いの壁が印象的でした。
このように部屋に色の名前がついているので、お気に入りのカラーで部屋を選ぶのも楽しいかもしれません。
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屋上のテラスでは、フェズの街が見渡せる素晴らしい眺めを見ながら朝食が食べられます。
1階には中庭のテラスのほかに暖炉のあるソファルームがあり、2階にも自由にくつろげるソファスペースがあります。屋外にプールもあり、夏場は人気のようです。
3. スタッフのホスピタリティが素晴らしい
フェズに到着した日は夜でした。長時間のフライトと列車移動で疲れた私たちはまず暖炉のあるソファに通され、ミントティーを飲みながらスタッフから簡単な説明を受けます。
「部屋でチェックイン書類を書いたら翌朝の朝食の会場に持ってきてね。これからディナーの用意をするから、準備ができたらレストランに来てね」といった風に、とにかく私たちがくつろげるように最大限の気配りをしてくれたように感じました。
部屋に入ると冷たいボトルウォーターと、リラックスできるお香が炊いてあり、室内履きのバブーシュ(スリッパ)や化粧水などアメニティも充実。クッションやコットンや綿棒を入れた小物が可愛かったりと、女子はテンション上がること間違いなし!
古い邸宅を改築したリヤドはシティホテルのように機能的ではないところもありますが、その不便さを上回るほどの丁寧なおもてなしがあるからこそ、多くの人を惹きつけてやまないのでしょう。
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宿泊客をもてなしてくれるのは「人」だけではありません。リヤドロルサには2匹の犬と1匹の大きな亀も住んでいて、のんびりテラスでお茶を飲んでいるとリラックスできること間違いなし。