ドラキュラ伯爵ゆかりのシギショアラ歴史地区が有名なルーマニアの世界遺産ですが、他にも中世の面影を残す世界遺産が多く存在しています。今回はルーマニアにある7つの世界遺産全てをご紹介します。
シギショアラ歴史地区
中世の街並みがそのまま残っているシギショアラ市では、毎年7月に「中世のフェスティバル」が開かれます。毎時からくり人形と共に時を知らせる時計の塔はシギショアラのシンボル。
旧市街には当時の要塞や住居などの建築物が並び、要塞を守る天守閣には「皮革加工職人の塔」や「鍛冶屋の塔」など中世の職人組合の名前がつけられています。町を歩くだけで中世にタイムスリップしたような気分になることでしょう。
モルドヴィア地方の教会群
15世紀から16世紀にかけて、モルドヴィア公国はオスマン・トルコとの戦いに勝利する度に、それを記念して教会を建設しました。
スチャヴァ、モルドヴィツァ、ヴォロネツなど8つの修道院が世界遺産に登録されており、これら山奥に建てられた教会群は、自然と見事な調和を見せる外観だけでなく、フレスコ画が描かれた美しい内部も素晴らしい魅力を持っています。
オラシュチエ山脈のダキア人の要塞群
紀元前1世紀から、1世紀にかけての間にルーマニア人の先祖と言われているダキア人によって建設された要塞です。要塞には6つの古代砦の跡が残っており、これによって絶えず攻撃を仕掛けてきていたローマ軍の進攻を防いでいたと言われています。
106年に戦いに敗れた後はローマの支配下となり、これはルーマニアの歴史にも大きな影響を及ぼしました。
ホレズ修道院
コンスタンティン・ブルンコヴェアヌによって1697年に建てられた修道院の中で、最も重要なものとされるものです。質素でありながらも優美な石造りのデザインは、ブルンコヴェネスク様式と呼ばれています。
教会内には、当時使用されていた道具をはじめ、絵画や書物などが保存されています。1993年に世界遺産に登録されました。
ドナウ・デルタ
ドイツの山岳帯の源流から8カ国を流れるドナウ河は、最後にルーマニアのドナウデルタで黒海に流れ込みます。河口に広がるデルタには主な3つの運河があり、それぞれキリア、スリナ、聖ゲオルゲと名づけられています。