果たして、マイケルの答えは…
Photo by リーマントラベラー東松
マイケル 「すまない、僕はプレイボーイというチームなんだ」。
まさかの展開です。サプール以外にもファッション集団がいるとは。恐るべし、コンゴ。でも会話がイマイチ伝わっていないようなので、サプールの写真集の写メを見せ「彼らに会いたい」と伝えると、予想外の回答が返ってきました。
Photo by リーマントラベラー東松
マイケル 「この写真集に出てる人を知ってるやつ、友達だぜ」
まさかの展開です。この写真集に登場しているサプールの方の友人と繋がりがあるみたいです。旅の恥はかき捨て。図々しくもその友達に会えないか、お願いしてみることにしました。
東松 「マイケル、その人に今から会えないかな?」
マイケル 「あ、そいつ?いるよ、ここに」
Photo by リーマントラベラー東松
Photo by リーマントラベラー東松
今まで全く気が付きませんでしたが、実は最初から隣にいたそうです。この方は写真集に登場しているサプールの友人・シャライ(30歳)。シャライにお願いしてみると、その写真集に出ているサプールへのご連絡を快諾してくれ、その場で電話。
しかしながら、あいにくその方は不在。今回の旅はここまでか…とコンゴ人に囲まれて落胆する僕。そんな僕に気を遣ってくれたのか、シャライから思いもよらない提案が。
シャライ「”いいもの”見せてやるから、うちまで来いよ」
東松「お願いします!」
Photo by リーマントラベラー東松
勿論即答。フランス語でのやり取り故に、”いいもの”が何なのか全くわかっていませんが、もう後がない僕はシャライに賭けてみることに。奇跡の大逆転を信じて、マイケル、シャライと一緒にタクシーに乗り込み、バコンゴ地区からタクシーで15分のところにあるシャライの自宅に向かうことにしました。
この時、時刻は15時ちょうど。今日は長い1日になりそうです。(そうなると信じて…)
サプールの友人宅へ!そこで見た衝撃の光景とは!?
サプールの友人であるシャライ、「プレイボーイ」というサプールとは別のチームのマイケル、そして僕の3人でシャライの家へ。バコンゴからタクシーで15分のマヤと呼ばれるエリアにシャライの家はあります。家に着くとシャライは「ちょっと待ってて」と言い残し、奥へ消えて行きました。
明かりのつかない薄暗いリビングに取り残されたマイケルと僕。待つこと20分が経過。なかなかシャライは出てきません。こちらから「まだ~?」と問いかけても「もうちょっと待って〜」としか返ってきません。
待つこと、30分が過ぎ、しびれを切らした僕とマイケルは、シャライの部屋に突入することにしました。すると、そこにいたのは…
Photo by リーマントラベラー東松
シャライ?顔はどう見てもシャライなのですが、服装が先ほどまでと全然違います。その出で立ちは、サプールのよう。クローゼットには服がギッシリと入っています。あまりのギャップに、僕がキョトンとしていると、次の瞬間、畳み掛けるようにシャライから衝撃の一言が。
シャライ「そう、僕はサプールだよ!」
こんなことがあるのでしょうか。さっきまでオシャレに着飾っているマイケルにしか目が行ってませんでしたが、その隣にいた “ただのサプールの友人” だと思っていたコンゴ人のシャライは、実は正真正銘の「サプール」だったのです。
着飾った姿は、まさに別人。ついに、日本から24時間かけてやってきたアフリカ・コンゴで、念願のサプールに会えました。(というか、既に会っていました!)
Photo by リーマントラベラー東松
完璧に着飾ったサプールのシャライ、プレイボーイのマイケル、そしてリーマントラベラーの東松。戦いの準備は整いました。このコンゴ最強メンバーでサプールの聖地であるバコンゴに戻り、聖地を練り歩いてみることに。果たして、街の人達のリアクションは?
夢は叶う!サプールと一緒にサプールの聖地へ
日曜日の夜は、早い時間からバーやクラブで飲むのがコンゴの日常。
まずは3人でクラブへ。すると、お店のお客さんから「シャライ!シャライ!」と次々と声をかけられるサプール・シャライ。
地元では有名人のようです。友人に挨拶をしてから席につくと、オシャレにキメながらギネスビールを飲みます。飲み姿もカッコいいのがサプール。一口に数十秒かけながら、ゆっくりゆっくりと飲みます。
Photo by リーマントラベラー東松
1時間ほど滞在して、次はバーへ。地元の人が集まるバーに入る…と思いきや、バーが並ぶ通りをカッコよく歩くだけ。ここはたくさんの人が路上で飲んでいるので、我々は完全に注目の的です。飲んでる人たちに向かって、カッコ良くポーズを決めます。
Photo by リーマントラベラー東松
100mくらい歓声に包まれながらカッコ良く練り歩き、更に同じ道をまた歓声に包まれながらカッコ良く引き返し、次の場所へ移動します。シャライはここでも「シャライ!シャライ!」と道行く人に声をかけられていました。相当有名人のようです。
そして最後は、川沿いの市民の憩いの場所「La Corniche」へ。ここは、日中は主要な幹線道路なのですが、夜は歩行者天国になっていてたくさんの市民が集まります。サプールの見せ所です。
Photo by リーマントラベラー東松
道行くほとんどの人に「サプール!」「セボン!」と声をかけられ、更には写真を撮られまくり、気分はもはや一流芸能人。シャライとマイケル同様、僕もスターになったつもりで、周りに笑顔を振りまき、ステップを踏み、ポーズを決めます。
最後はサプールさながらの決めポーズでフィニッシュ。僕の夢「コンゴでサプールに会うこと」が見事に叶った瞬間です。
Photo by リーマントラベラー東松
思えば、コンゴに着いてからわずか2日で本当に色々なことがありました。サプールの社交場と言われたル・マン・ブルーが無くなっていることから始まり、コンゴ人に囲まれてはポーズを決め、スーツの中は汗でびしょびしょ、オシャレな人を見つけて話しかけてもサプールではなく、その隣にいた普通のTシャツを着ている人がまさかのサプール。
Photo by リーマントラベラー東松
こんなに盛りだくさんのコンゴでしたが、最後の最後で「サプールに会う」と言う夢を叶えることができました。シャライ、マイケル、そして全てのコンゴの皆さん、本当にありがとうございました。
そして、あっという間に別れの時。3人でがっちり握手を交わし、連絡先を交換。近い将来、必ず再会することを誓って、それぞれの帰路につきました。
Photo by リーマントラベラー東松
そして翌朝、僕はまた24時間かけて日本に戻り、今まで通りサラリーマンに戻りました。
▷番外編はこちら サプールに会いにコンゴへ!(全5話 + 番外編2話)