ライター
東松 寛文 リーマントラベラー

平日は広告代理店で働く傍ら、週末で世界中を旅する会社員。12年間で81カ国200都市渡航。総移動距離は地球22周超。3ヶ月で世界一周を達成し、「地球の歩き方」から旅のプロに選出。日テレ「行列のできる相談所」、テレ東「ガイアの夜明け」などメディア出演・執筆多数。全国各地で講演も実施。著書「自分の時間の作り方」(Gakken)など日本&台湾で発売中。連載中は「東洋経済オンライン」「OCEANS WEB」。オンラインコミュニティ「リーマントラベルサロン」も主宰。オーストラリア『ケアンズ&グレートバリアリーフ観光大使』、岐阜県羽島市『羽島市アンバサダー』を務める。

みなさん、サプールって知っていますか?

サプールとはアフリカ・コンゴ共和国で「サップ」と呼ばれる独特なファッションを楽しむ、世界一おしゃれな紳士集団のことです。彼らは世界最貧国の一つと言われる常夏の国・コンゴで、パリ紳士のファッションに身を包み街中を闊歩します。

コンゴでは過去に幾度となく内戦が勃発してきましたが、彼らは「武器を捨て、エレガントに生きる」という信条の下、武器を持たずファッションで平和を願い、そして今までサップの文化を継承してきました。

そんな彼らの生き方に惹かれ、「彼らに会ってみたい」と思った1人のサラリーマンがいました。

その名はリーマントラベラー東松(=僕)。平日は激務の広告代理店に勤務しているサラリーマンながらも、週末や連休を使い世界中を旅している”リーマントラベラー”です。

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Photo by リーマントラベラー東松

過去にコンゴ共和国までサプールに会いに行った日本人は、NHK取材班と写真家・茶野邦雄さんのみ。その上、コンゴはあの「地球の歩き方」すら発行されていません。そんな状況ではありましたが、彼らに会いたい気持ちを抑えきれなかった僕は、2016年11月19日~11月23日、コンゴ共和国に行ってみました。

サラリーマン故に弾丸トラベルのため、僕がコンゴに滞在できるのは実質1.5日。その短期間で、果たして僕はサプールに会うことは出来たのでしょうか?

 

東京から24時間!サプールに会いにコンゴへ

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Photo by リーマントラベラー東松

2016年11月19日(土) 夕方。東京からエチオピアを経由し24時間。僕はコンゴ共和国の首都・ブラザヴィルに着きました。この日の気温は32℃。そして僕に与えられた時間はこの日と翌日のみ。ホテルに着いたら急いで街に繰り出し、地元の人に聞き込み調査をします。

しかし、手当り次第話しかけてみるものの、コンゴの公用語はフランス語。英語が話せる人はほとんどいません。一方僕は、英語はカタコト、フランス語は「Merci(ありがとう)」しか知らないという状況。そのため、僕とコンゴ人の間では全く会話が成立しません。

これではマズイ…ということで、一度ホテルに戻り、サプールに見つけてもらいやすくするためスーツを着用しサプールに扮して出かけてみることにしました。
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Photo by リーマントラベラー東松

最初に向かったのは、サプールの社交場と呼ばれる地元で有名なBAR ラ・マン・ブルー(La Main Bleu)。サプールの写真集に週末はサプールがこのバーに集まると書かれており、この日は運よく土曜日。期待に胸を膨らませてラ・マン・ブルーへ向かいました。着いたらまずは記念撮影。
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Photo by リーマントラベラー東松

僕の後ろの空き地がラ・マン・ブルーがあるはずの場所。まさかの無くなっていました。近所の人によると少し前に取り壊されたらしいです。コンゴ到着早々にして、唯一の手がかりを失う僕。しかし落ち込んでいる暇はありません。気持ちを切り替え、手がかりを探しにサプールの聖地と言われるブラザヴィル郊外のバコンゴ地区を散策することにしました。

 

リーマントラベラーはコンゴで大人気?

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Photo by リーマントラベラー東松

街を歩いてみても、一向にサプールらしき人は見つかりません。それどころか街の人みんなが僕の方をニヤニヤ見てきます。恐る恐る、その人たちの方に目をやると…

 

「セボン!セボン!」

 

と親指を立てて、笑顔で頷いています。すれ違う人、すれ違う人が笑顔で「セボン!セボン!」と僕に話しかけてきます!

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Photo by リーマントラベラー東松

どうやらみんな僕の服を褒めてくれているようです。(※後から「セボン」を調べたらフランス語の「C’est bon!」で、 いいね!という意味でした。)

会話を中断してセボン、食事の途中にセボン、タクシー乗ってる人がわざわざ窓を開けてセボン。来る人来る人がセボン、セボン、セボン…ここまで僕を褒めてくれるなんて、何ていい街なんでしょう。一瞬でこの街のことが好きになりました。

 

少しいい気になってきたので、街の人々に向かってポーズを決め、写真を撮ってもらい、歓声に酔いしれていると、あっという間に時間が過ぎ、気が付いたら…

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Photo by リーマントラベラー東松

夜になってしまいました。

手がかり0のまま1日目が終了。おそらく一生分チヤホヤされました。複雑な気持ちです。とはいえ、僕に残された時間はあと1日のみ。明日に全てを懸けます。

 

未舗装の道に不釣り合いの紳士に遭遇

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Photo by リーマントラベラー東松

11月20日(日)。コンゴ滞在2日目にして、最終日。この日の気温も32℃。灼熱の大地で、今日もサプールに扮してサプールを探します。今日はよりローカルなエリアを探索するため、サプールの聖地・バコンゴ地区の住宅街をリサーチすることにしました。

今日は日曜日で休日。路上でサッカーをやっていたり(足元はみんなビーチサンダル)、子ども達が歌いながら走り回っていたり、外に机を出して大人達がお酒を飲みながらお喋りしたりと、それぞれが思い思いに休日を過ごしています。

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Photo by リーマントラベラー東松

しかしながら、住宅街を歩き回るもサプールに出会うことはなく、昨日に引き続きすれ違うコンゴ人に「セボン!セボン!」と声をかけられるばかりで、全く手がかりがつかめないまま時間だけが無くなっていきます。気温32℃のコンゴ、いよいよ僕の体力も限界に近づいてきました。

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Photo by リーマントラベラー東松

コンゴ人達に囲まれSNSウケしそうな写真は十分撮れたので今回はこれで日本に帰るか…と諦めかけていたその時、未舗装の道路に明らかに不釣り合いの格好をした紳士が。もしかしてサプールでしょうか⁉︎ 多少英語が話せるらしく、偶然にも隣にバーがあったので、そこで軽く飲むことに。
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Photo by リーマントラベラー東松

写真中央のスーツで決めた男性の名はマイケル(32歳)。コンゴ生まれコンゴ育ちで、今はコンゴでビジネスをやっているそうです。
早速ですが、時間もないので “あの質問” をしてみることに。

 

東松 「あなたはサプールですか?」

ライター
東松 寛文 リーマントラベラー

平日は広告代理店で働く傍ら、週末で世界中を旅する会社員。12年間で81カ国200都市渡航。総移動距離は地球22周超。3ヶ月で世界一周を達成し、「地球の歩き方」から旅のプロに選出。日テレ「行列のできる相談所」、テレ東「ガイアの夜明け」などメディア出演・執筆多数。全国各地で講演も実施。著書「自分の時間の作り方」(Gakken)など日本&台湾で発売中。連載中は「東洋経済オンライン」「OCEANS WEB」。オンラインコミュニティ「リーマントラベルサロン」も主宰。オーストラリア『ケアンズ&グレートバリアリーフ観光大使』、岐阜県羽島市『羽島市アンバサダー』を務める。

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