元日本一大きいマンモス交番
「なんの変哲も無いところに何かがある」そう思わせて仕方が無い街がここ山谷。例のごとくなんの変哲も無いこちらの「日本堤交番」。
1階部分だけが交番だと思いきや、なんと4階部分までまるまる交番なのです。2001年に町田警察署忠生地区交番が完成するまでは、日本で一番大きな交番でした。交番というか、もはや警察署の規模です。
その巨大さから、地元では昔から「マンモス交番」と呼ばれているそうです。
ちなみに、マンモス交番の外にはなぜか給水機が設置されています。
山谷でハシゴ酒
酒・タバコ・パチスロとドヤ街は切っても切り離せない関係にあります。と、いうことで日も暮れてきたので山谷の居酒屋さんを巡ります。通りすがりのおじさんに勧めていただいた大衆居酒屋「大林酒場」。店内は撮影禁止で、携帯電話の使用もNGだそうです。
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のれんをくぐり、引き戸を開けた先には木造の高い天井とコンクリートの床。さらに短冊状のメニューときたらこれはまさに昭和レトロ。広々とした店内に12席のL字カウンターが2つあり、寡黙でふてぶてしい店主から漂う江戸っ子感には、なんとも言えぬ渋さがあります。
午後5時台に入店しましたが、その後仕事帰りのサラリーマンがぞろぞろと入店。どうやらこの辺りでは人気店のようです。
半分以上の席が埋まっても店内は静寂に包まれたまま。ガヤガヤとした大衆居酒屋とは違い、大林酒場には独自の空気感がありました。瓶ビールとつまみ程度の食事を済ませ、2軒目へ。
続いては大林酒場の向かいにある「居酒屋アロー」。席に着くやいなや、一人の男性とお友達になりました。
男性の名はインド人(自称)。山谷のおじさんたちは「俺は昔総理大臣だったんだ!」とか「俺は昔オリンピックで金メダルを取ったんだ!」など、みなさんすごい経歴の持ち主ばかりですが、こちらの男性はインド人なのだそう。出生地を伺うと「栃木県」とおっしゃっていました。
そんな栃木県出身のインドさんはこのお店に通ってもう10年も経つのだとか。TABIPPOの読者のみなさんや筆者と同じく、海外旅行がお好きで、過去に韓国とフィリピンに渡航したときの思い出話をしてくれました。ほとんど下ネタでした。
インドさんの自慢はなんといっても「綺麗な歯並び」。全く興味を引かれませんでしたが、これでもかというほどに至近距離で見せていただきました。
喋りだしたら止まらないインドさん。どんどんテンションが上がってきて、カラオケをオーダー。
選曲は、なんと「山谷ブルース」。よそから来た筆者に歓迎のソングを送ってくれました。
1968年に岡林信康が作詞作曲を手掛けたこの曲は、後に吉幾三や八代亜紀がカヴァーしたことでも知られています。山谷で山谷ブルースを聴けるなんて…感無量です!
そしてここ居酒屋アローではカラオケの採点結果がゾロ目だと、お酒が1杯無料になります。69点だとお店側に1杯入れないといけないルールだそうです。インドさん、ご馳走様です…!!
瓶ビールを10本ほど空け、思いのほか長居した居酒屋アロー。夜7時のラストオーダーが過ぎ、お別れの時間となりました。最後には硬く握手を交わし、インドさんは号泣…かと思いきや全力で鼻水をかんでいました。
東京にあるドヤ街・山谷は一生に一度は行くべき
年々ディープさを失いつつある日本各地のドヤ街。もたもたしているとドヤ街は伝説と化してしまうかわかりません。大正や昭和の時代が色濃く残っているドヤ街は、まるでタイムスリップしたかのよう。大都会東京で唯一時間の流れが違う山谷に、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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人生初のいろは会商店街突入に成功した筆者は、帰宅後「長ネギは黄色かった」と語りました。