世界遺産というと歴史的建造物、景観が美しい自然などをイメージすると思います。
しかし中には戦争や迫害など、人類が犯した悲惨な出来事を二度と起こさない為、後世に伝えていく「負の世界遺産」があることをご存知でしょうか?歴史を刻んだ4つの負の世界遺産をご紹介します。
大虐殺の舞台となった「アウシュヴィッツ強制収容所」
ポーランドのオシフィエンチムにあり、第二次世界大戦中の1940年にナチス・ドイツによって収容所が建設されました。
人種差別政策により、ユダヤ人など約150万人がこの地で命を落としたとされています。博物館は一般公開されており、残された囚人棟や虐殺場は 当時の様子を物語っています。1979年世界遺産に登録されました。
原子爆弾の恐ろしさを伝える「原爆ドーム:広島平和記念碑」
アメリカ軍のB-29爆撃機が1945年8月6日原爆を投下、この建物は凄まじい衝撃と爆風に耐え全壊を免れました。
その後、慰霊碑や広島平和記念資料館が建設され、原爆ドームは世界平和、核兵器のない世界へという願いが込められています。1996年世界遺産に登録されました。
宗教の違い、破壊「の文化的景観バーミヤン渓谷と古代遺跡群」
アフガニスタンのカブール、標高2500mほどの高地に位置する、古代以来の都市バーミヤンを中心とした渓谷地帯です。
5~6世紀頃、2体の大仏をはじめ多くの巨大仏像などが建造されましたが、アフガン紛争、2001年のタリバン政権による爆破を受け、壊滅的な被害を受けました。バーミヤンは神秘的な景色を映しだしています。2003年世界遺産に登録されました。
アパルトヘイトとの闘い「ロベン島」
南アフリカ共和国のロベン島は、周囲の海流が強く、脱出が困難なことからハンセン病患者の隔離、収容所が設置されました。その後、アパルトヘイトを反対する人達が政治犯として収容。ネルソン・マンデラ元大統領も18年間収監されていました。
現在は博物館として島全体の観光が可能で、実際に収容されていた人がガイドを行い、当時の悲惨な体験を語ってくれます。1999年世界遺産に登録されました。
歴史を感じる旅へ
戦争や人種差別など、人類が犯した悲しい歴史を再び繰り返す事がないように、私たちへの教訓として「負の世界遺産」と呼ばれ、世界遺産に登録されています。
歴史の旅に、出かけてみませんか?