ライター
村上晴花 シレトコノミライ代表 / 北こぶしリゾート経営戦略室

大学生の頃にヒグマに魅了されてから知床に移住して7年目。現在は「シレトコノミライ」として知床の未来のためにできる、やるべき、やりたいことの機会を共創するため、若者コミュニティを作るなど活動中。

2023年6月4日(日)に開催した「シレトコノミライミートアップ2023」は、知床に住む人々が自分たちの手で地域の未来を築いていくべく、知床を題材として学び・交流する企画です。

知床に住む人を中心に、住んでいない人も交えて実行委員会を結成し、イベントを企画しました。


会場である斜里町役場ウトロ支所の大ホールは、普段、町の寄り合いや会議、時には学童保育の子どもたちが遊ぶ場として使っている公民館のようなところです。

イベント当日、朝から集まった実行委員で会場をセッティング。斜里町出身のラジオパーソナリティ 伊藤ゆりかさんの進行のもと、地域内外から約60名の参加者とともに、「知床の未来」につながるようなトーク、ピッチ/プレゼン、ワークショップを行いました。

ゲストトーク「知床に来る理由」

オープニングトークでは、写真家 石川直樹さんと株式会社遊行 大瀬良亮さんという、世界を飛び回るなかで、知床をたびたび訪れているお二人から、「知床に来る理由」をテーマにお話しいただきました。

石川直樹さんは、20代ではじめて知床半島を訪れてから20年あまり、たびたび足を運んでは森を歩き、山に登り、写真家として活動をされてきました。現在「写真ゼロ番地 知床」というプロジェクトで斜里町と関わり、「知床サスティナブルブック」の編集長を務めています。


石川さんのお話を引き出してくれた大瀬良亮さんは、デジタルノマドとして日本全国・世界を旅しながら仕事をし、「#余白をえがく道東旅」などで旅のプロデューサーとして道東・知床に関わっています。また、今回のイベントの実行委員会メンバーでもあります。


石川さんが7大陸最高峰を制覇した後に初めて訪れた時のお話から始まり、アラスカと知床の共通点や、海から見た「半島」の定義など、世界を旅している石川さんの視点で語られる興味深いエピソードばかり。知床のイメージが凄まじい勢いで広がっていきました。

そして、お二人から見た「知床の魅力」とは、訪れるたびに違う景色や新しい人に出会えることだといいます。この地に愛着を持っていることに共感しつつ、だからこそ、このお二人は知床に来るのだということを感じました。

知床ピッチで、10人が知床を語る


続いて、知床ピッチと題して、知床で活動し暮らす10人が、ひとり5分間で知床を語りました。

多くの方がイメージする知床は、「世界自然遺産」「観光地」などかもしれませんが、豊かな自然と共に暮らし活動する「人」の存在も知床の魅力の一つです。


漁師、サウナー、美容、アート、旅する人、暮らす人…それぞれが持つ知床への想いを、個性を爆発させながら語ってくれました。普段関わっている人たちと言えど、私自身も今回のピッチで初めて聞いたみんなの知床への熱い想いや考えからは、とてもいい刺激をもらいました。


知床にはいろんな人が活動し、暮らしています。ほんの一部ですが、ぜひ覗いてみてください。

道東サウナ小僧 小泉尚也
・漁師 / 圓子水産 圓子瑞樹
・一般社団法人知床しゃり 平野麻莉絵
・羅臼町在住猟師 照井智仁
・斜里町地域おこし協力隊  高木唯
・Ranunculus 田原梨夏
・斜里町拠点アーティスト Airda
葦の芸術原野祭/北暦 川村芽惟
・元羅臼町地域おこし協力隊 佐脇星
・シレトコノミライ 村上晴花

知床トーク「私の知床」


お昼をはさんだあとの「知床トーク」では、知床で自然保全活動を中心に活動を行う公益財団法人 知床財団の山本幸さんからお話を伺いました。

知床財団は、知床半島をフィールドに斜里町・羅臼町をまたいで様々な取り組みを30年以上にわたって行っています。山本さんを含め、働くスタッフも斜里町・羅臼町のどちらにも住み、それぞれの魅力を感じながらお仕事されているそう。

オープニングトークで語られた「訪れる人から見た知床の魅力」とは対照的に、「暮らす/働く中での魅力」をお話しいただきました。

大自然もそうなのですが、ふと見上げた時の何気ない景色の美しさに心が打たれること、また、美味しい野菜や海産物は、知床の魅力として外せないという山本さんのお話に共感しつつ、改めて、自分自身が知床の魅力をどう捉えているかを振り返る良いきっかけになりました。

ワークショップ「シレトコノミライを描こう」


最後のプログラムは、会場にいる全員で参加する「シレトコノミライを描こう」と題したワークショップ。

「知床の魅力をたくさん書きだそう!」「知床の未来の関係人口を増やすためには何ができる?」という二つのテーマについて、チームごとに模造紙を囲んでそれぞれの意見を出し合いました。


斜里町・羅臼町・地域外からの参加者が混ざりあう中で、「そもそも『知床』ってどこからどこまでのこと?」「関係人口増やすために、既に町で行ってることってなんだっけ?」など、認識の擦り合わせや情報の共有をしながら話を進められたと思います。


一般社団法人ドット道東の中西拓郎さんや株式会社TABIPPO 清水直哉さんも参加する中で、他地域の取り組みを紹介してくれたり、そもそもの「関係人口って何?」という疑問にもかみ砕いて答えてくれたりと、地域の内と外が混ざることで見えてくるものがあると感じました。


私自身、ワークショップの全体進行をする中で意識していたのが、「答えを出すことを急ぎすぎない」ということです。住む/働く/訪れるなど知床への多様な関わり方がある中で、その垣根を超えてみんなが集まり、未来を考える機会を持てたことは、今までにない取り組みだったのではないかと思っています。

ワークショップも答えを出すことにこだわらず、何を話したのかについてスポットを当ててチームごとに共有。7つ全てのチームで違った議論が起こっていて、参加者の個性を感じる学びのある内容でした。

人と人が出会う機会となる「シレトコノミライ」の活動


今回、ミートアップとして「人と人が出会う機会」であることを一つの目標にしていましたが、イベントのプログラムどれもが、新たな出会いがあり、また関係性を深めることができたと思います。

また、実行委員として動いた中で良かったと思う点もたくさんありました。

例えば、事前企画や準備の段階で、「知床の未来を描くってどういう状態を指すのか」という答えが出なさそうな問いに真剣に考えたり、知床ピッチの資料作りの際にはそれぞれの活動に対して「なぜそれを目指しているの?」「なぜそれを知床でやってるの?」など、改めて聞き深い話になったこともありました。

もちろん、参加者での打ち上げなども、その一つ(笑)ピッチ登壇者と参加者や、実行委員会メンバー、またはピッチの人同士など、人との繋がりを作ることができたと感じています。今回の活動をきっかけに、実際に何らかの「共創」が生まれていると嬉しいです。

イベントの最後に撮った集合写真に写る参加者の明るく楽しげな顔が、知床の未来に繋がっていることを願っています。

Photos by Yuki Higuchi

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ミライにつなぐ知床のイマ

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ライター
村上晴花 シレトコノミライ代表 / 北こぶしリゾート経営戦略室

大学生の頃にヒグマに魅了されてから知床に移住して7年目。現在は「シレトコノミライ」として知床の未来のためにできる、やるべき、やりたいことの機会を共創するため、若者コミュニティを作るなど活動中。

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