最近のTABIPPO編集部では「スマホってSIMフリー?」という会話が聞こえてきます。ドコモやソフトバンクなど大手携帯キャリアに対してSIMロック(自社以外の携帯会社でスマホを使えないように端末にかける制限)の解除が義務付けられたことで、SIMフリーのスマートフォンを使う人が非常に増えてきました。
旅行先に着いたら、現地のSIMカードを買って、ネットワークを更新。日本と比べると電波が弱いときもあるけれど、Google MapもLINEも使えるから、日本で過ごすのと変わらないように過ごすことができることがメリットです。デメリットは、SIMフリースマホに移行するときに学ぶべきことがあること。SIMフリースマホって興味はあるけど、ぶっちゃけよく分からない!って人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は元ソフトバンクで、現在はTAKT(タクト)という世界200ヶ国で使えるグローバルSIMを販売している山崎さんに「海外でSIMフリースマホを使うときの疑問」をお聞きしました。
1. SIMフリースマホってどういう意味?
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SIMフリースマホとは、購入時からSIMロックがかかっていないスマホのことを言います。SIMフリースマホは、iPhoneならApple Storeで、Androidは家電量販店などで購入できます。 ちなみに、SIMロックとは、日本の大手携帯キャリアでスマホを購入する場合、他社で使えないように端末に制限がされていることです。
これまで契約者はスマホを安く購入できる分、携帯キャリアにSIMロックという囲い込みをされていました。そのため、海外のSIMカードを利用するためには、海外でSIMフリースマホを購入するなど、入手ハードルが高かったのです。しかし、日本でも2015年5月以降の販売端末から【SIMロック解除】が義務付けられ、誰でも手軽にSIMロックを解除できるようになりました。
2. 今持ってるスマホはどうすればSIMフリーにできるの?
docomo、au、SoftBankそれぞれの会社で、SIMロックを解除できる条件設定がされています。 方法は、各社のWEBまたは店頭で申請でき、WEBであれば無料です。ちなみにSIMロックを解除しても、現在の回線契約が解約されることはありません。
SIMロックを解除しておけば、現在の大手携帯キャリアのまま、海外旅行の時だけ海外のSIMカードを使い、スマホを利用することが可能です!スマホが故障しても、購入した携帯キャリアで修理を受け付けてくれますので、SIMロック解除自体には、ほぼデメリットがないと言えます。
3. SIMフリーのスマホを海外で使うためには何をするの?
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海外でインターネット(以降、データ通信と記載)を利用するには、SIMフリーまたはSIMロックを解除したスマホと海外で使えるSIMカードが必要です。 海外で使えるSIMカードを日本で購入する場合は、家電量販店や空港、ECなどで購入できますが、日本語でのサポートが受けられる分、やや割高となります。
旅行先で購入する場合は、空港や街中の電気屋、コンビニなどで購入できます。 スマホとSIMカードを用意できたら、スマホにSIMカードを挿入してAPN設定を行います。が、SIMカードを買った店舗にお願いもできるので、自力ですることはありません。
4. 海外のSIMカードにはどんな種類があるの?
旅行者が使える海外のSIMカードは、主に3つに分類できます。すべてプリペイド型のサービスです。この分類によって、設定やメリットデメリットなどが異なります。今後の説明でも使うので、簡単に現地SIM、グローバルSIM、無期限グローバルSIMと覚えてください。
①現地携帯キャリアの旅行者向けSIMカード
通称、現地SIM。いくつかのプランがあり、7、10、30日間利用できるものが多く、現地で購入するのが一般的です。1つのSIMカードが1つの国に対応しています。
②複数カ国の周遊向けに使い切り型のSIMカード
主に海外事業者が販売していて、日本でもECで購入できます。1つのSIMカードが複数の国に対応しています。①も同様ですが、カードには有効期限があります。記事ではざっくりとグローバルSIMと呼びます。
③世界中の主要な国と地域に対応し、繰り返し利用できるSIMカード
弊社が提供しているグローバルSIM「TAKT (タクト) 」も同様です。日本にいる内に購入できます。SIMカードの有効期限は実質ありませんので、チャージすればいつでも使えます。記事内では、無期限グローバルSIMと呼びます。
5. 海外のSIMカードって、ちゃんと繋がるの?
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海外のSIMカードの仕様に合えば、基本的に繋がります!上記で分類した①現地SIMは、現地携帯キャリアの周波数を利用できるスマホであればOK。 ②、③のグローバルSIMも同じく周波数、国際データローミングに対応しているスマホであればOK。
海外製の安価なスマホや国内の格安スマホで提供しているもの中には、データローミング機能がないものもありますので、スマホ購入時には、確認をおすすめします。 旅行者のみなさんにとって、「周波数」に対応しているかを確認するのが1番難しいと思います。
6. 海外のSIMカードで電話はできるの?
海外のSIMカードには電話できるものと電話できないものがあります。 ①現地SIMにはデータ通信専用または音声通話とデータ通信両用があります。ただし現地から日本に発信する国際電話の場合、プリペイド残高に追加チャージが必要な場合があるなど利用のハードルは高めです。
②のグローバルSIMはデータ通信専用のものが多く、電話が利用できないことがあります。LINEなどデータ通信を利用して通話は可能ですが、一般電話を受けたり、電話にかける必要がある場合は、おすすめできません。
③の無期限グローバルSIMはTAKTを含めて、日本の事業者が提供しているため音声通話もしやすいサービスです。日本の携帯キャリアよりも、国際通話料が格安なことが多くお得です。
7. 海外のSIMカードって設定までの手順は?
設定は利用するSIMカードやiPhoneかAndroidによって異なります。 なるべく簡単にお伝えすると①現地SIMの場合、APN設定が必要です。Androidは手動設定で、iPhoneではWEB経由で、プロファイルのインストールを行うとAPNが自動設定されます。
iPhoneの場合、キャリアによっては単にSIMを入れるだけで使えます。 ②と③のグローバルSIMでは、上記同様にAPN設定、データローミングをオンにすれば、利用できるものが多いです。日本の事業者の中には、会員登録を必須にしていることもありますが、「TAKT」ではスマホ設定だけでご利用できます。
8. 海外のSIMカードって高額請求されたりしないの?
旅行者が使える海外のSIMカードは、プリペイド型です。 自分の契約プランまたはチャージ範囲内でしか利用できないため、高額請求はありません!
日本の携帯キャリアのような後払い(ポストペイド)型だと、海外のデータ定額外で使った利用料はそのまま請求されるため、俗に言うパケ死といった高額請求が発生してしまうことがあります。
9. 海外でSIMフリースマホを使うメリットは何?
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海外のSIMカードで共通する最大のメリットは、利用料が安いことです! 日本の携帯キャリアは、海外データ定額を1日最大2,980円で提供していますが、同じ料金かそれ以下で数日間利用できることもあります。
海外のSIMカードにはぞれぞれ特長があり、①現地SIMと③無期限グローバルSIMの併用がおすすめです。1カ国に中長期の滞在や短期間に大容量のデータ通信を利用する場合は、①がコストパフォーマンスが高い。 複数カ国の周遊や短期間の利用は③無期限グローバルSIMが費用も安く、使い勝手が良いです。国によっては、1カ国での利用でも③で十分安いこともあります。
10. 海外でSIMフリースマホを使うデメリットは何?
自分のスマホが現地携帯キャリアの「周波数」に合うのか確認することに手間がかかるのがデメリットです。 特に①現地SIMを事前に購入する場合は、現地に行って実は使えなかった…ということにならないように気をつけてください。iPhoneは世界中で販売されていることもあり、周波数は幅広く対応しています。
③無期限グローバルSIMは、日本人向けのため、対応端末確認や旅行前のサポートを受けられることもあるので、初めての海外SIMとして安心です。 また、SIMを入れ替えるため、携帯電話番号が変わります。日本の携帯番号で電話を受けられないことを事前に伝えておくと良いでしょう。
まとめ
SIMフリーとしてスマホを利用することにデメリットはほぼないため、旅行のスタイルに合わせてSIMカードを使い分けることが大切ということでした。
その際に、1つの国や地域を訪れる場合は現地SIMで、複数の国や地域を一度に旅行する場合はTAKTを初めとするグローバルSIMを選ぶことになります。
今後も山崎さんに海外でのスマホ利用を中心に色々とお聞きしていきます!最後まで読んでいただいてありがとうございました。